内子に一本のしだれ桜があります。
...いや、無数にあるけれど。
一本のしだれ桜が多くの人を惹きつけています。
そこにいたるまでには、長い年月がかかったことでしょう。
まちづくりとは、地域活性化とはこういうことだと思うのです。
人が何人訪れたとか、いくら稼げたかとか、そういうことではないのです。
それは確かに地域活性化に必要な要素ですが、地域活性化そのものではない。
本当にその地域の魅力や価値を認める人が集い、幸福を共有する。
そしてその幸福を持続させ、継承させ、発展させていく。
その価値は量や金額で判断されるものではなく、物理的に計量できるものではない。
地域づくりの目指すところはそういうところにあるのではないでしょうか。
えひめ協同・まちづくりネットワーク主催の「えひめまちづくりシンポジウム」に
パネリストとして呼んでいただきました。
「都市生活者から見た田舎の良さ、暮らし方」というお題で
15分ほど報告してほしい、とのこと。
移住先進地である内子での開催なら、
お隣りの西予市でまだ2年足らずしか生活してなくて、
しかも行政の支援を受けてきている自分のような人間ではなく、
内子の移住者にもっと適任者がいるような気もしますが、
来て2年足らず、という「移住新人」の立場から見えるものもあるだろうし、
なにより「地域おこし協力隊」とて活動してきたことで見えてきたもの、
伝えられるものがあるだろうと思い、お受けすることにしました。
田舎は都会と比べて劣っているから人が田舎から都会へ流出しているわけじゃない。
都会中心の経済社会、というスタイルもあるだろうけど、
田舎の価値が国全体で共有できていない。
人間生活の原点のほとんどが田舎にあるのに、
その価値が忘れられている。
田舎の価値、魅力を再発掘し、分かりやすい「カタチ」でアピールすること。
それが地域おこし協力隊の重要な任務の一つだと思うのです。
えひめ協同・まちづくりネットワーク主催の「えひめまちづくりシンポジウム」、
石畳を見学し、宿泊した翌日は、長田地区へ。
内子町は都会からの移住者が多く、内子町全体で140名ほどいるそうです。
その中でも長田地区は一番多く、現在7人ほどの移住者がいます。
移住者同士のネットワークも充実していて、
移住に失敗して出て行く人はほとんどいないとか。
それを行政だのみではなく、移住者同士のネットワークで実現しているのがスゴイ。
今回は内子移住促進会議の役員で、移住生活20年の方の案内で、
移住者の方々を訪問しました。
移住の決断は移住者本人がするものですが、
移住後の生活は移住先が田舎の場合、移住者本人だけでなんとかするのは難しい。
リソースが少ない上に、ITネットワークとの連携も個人レベルでは普及していても、
地域レベルではまだまだ実用には程遠い状況。
人的ネットワークが中心の田舎において、
新参者が田舎のネットワークに参入していくのは大変です。
それはこの一年半の遊子川での生活で痛感してます。
移住先が都会であるならば、移住者本人だけでなんとかなるものだけど。
そこが田舎暮らしに憧れはあってもなかなか一歩を踏み出せない部分でもある。
費用の制限もあるし、なにを、どこに、どのようにして頼むのか。
土地勘がなければさっぱり分からない。
土地の人と風の人が上手く融合していく仕組み。
それを考えていくことがこれからの田舎には求められるのでしょうか。
えひめ協同・まちづくりネットワーク主催の「えひめまちづくりシンポジウム」、
シンポ前の地域内見学、内子の町並みに続いて石畳地区へ。
石畳地区は去年の夏に一度訪れています。
その時は一人で気の向くままに散策したのですが、
今回は石畳の宿を運営している「石畳の宿さくらの会」の代表の方に、
石畳の各スポットを案内していただきました。
やはり地元の方に案内してもらえると、より地域の魅力が見えてきますね。
自分たちが暮らす地域を地域外の人たちに案内する。
地域に誇りを持っていなければできないことだと思います。
「この地域にはなにもない」「行政は何もしてくれない」「世知辛い時代になった」
...と嘆いているだけの人にはとてもできることではありません。
持続的・進歩的・進化的な地域づくりをしていくためには、
たしかに経済活動も大切です。
しかし、それ以前に地域で暮らす人たちが、
地域を誇りに思う気持ち、地域を大切にする気持ちがなければならない。
地域の良さが地域外に伝わることで、地域外から人がやってくる。
地域の内外への人の出入りが活発になることで交流・交易がなされるようになり、
地域が健全に発展していく。
地域づくりとは、そういうものではないでしょうか。
えひめ協同・まちづくりネットワーク主催の「えひめまちづくりシンポジウム」に
パネリストとして呼んでいただきました。
会場は内子。
シンポジウムの前に、前日午後から当日午前にかけて八日市・護国町並保存地区、
石畳地区、長田地区を参加者一同で散策。
各地区とも何度となく訪れている場所ですが、
今回はそれぞれ各地区を熟知しているガイドさんによる解説つきだけに、
より見えてくるものがあったような気がします。
同じ場所であっても、同じ時間は一瞬たりともない。
ただ物理的に遠くへ行くことだけが冒険なのではない。
同じ場所でどれだけ多くのものを見つけられるか。
それもまたワクワクする冒険なのではないだろうか。
まずは内子の街並みをあらためて歩いてみる。
ユスモクの木とコラボする素材を求めて内子へ。
大洲和紙を求めて大洲和紙会館に行ってきました。
大洲和紙、なのに内子なんですね。
ネットで調べてみると、先日愛大の講座でおじゃました龍宮茶屋の近く、
松山に行く時にいつも通る道のそば。
...まったく気づいてませんでした。
ここ最近ずっと言ってるような気がしますが、
近くにありながら気づいていない貴重な存在、というものがなんと多いことか。
そのような存在に気づくたびに、
少しずつ「幸せ」が積み重なっていくような気がして嬉しくなります。
ユスモクで第一作から第四作目まで、一気に作り上げた後、
スランプがいきなりやってきた。
ネタ切れ、というよりはネタがありすぎて逆に身動きとれなくなった、
...みたいな。
すっかり煮詰まってしまった。
こういう時は無理に続けても症状はひどくなるだけ。
こういう時は潔く休んでリフレッシュする。
押してダメなら引いてみろ。
進むも勇気、退くも勇気。
...と自分に言い聞かせ、一日休みをもらってリフレッシュすることに。
テレビを見てたら、小田深山渓谷が紅葉の見頃だそうな。
松山に行くときはだいたい内子から砥部街道経由で行くのですが、
小田深山への入口をいつも素通りするわけで。
今回、途中下車してリフレッシュ!
県主催の地域づくり実践セミナーに行ってきました。
自分がとくに行きたかったわけではなく、
なかば業務命令で内容もよく分からないまま、会場である内子座へ。
内子座は本来歌舞伎劇場なのですが、そこを講演会場として使ってました。
粋な演出ではありますが、人数詰め込みすぎ。
2時間半座りっぱなしてたらお尻がめっちゃ痛くなったよ。
セミナーは基調講演と新ふるさとづくり総合支援事業補助の事例発表の二本立て。
基調講演の講演者は、東京農業大学教授の木村俊昭氏。
国が定める地域活性化伝道師でその筋ではかなり有名な方だそうですが、
僕は勉強不足でまったく知りませんでした。
地域おこし協力隊としてのこの一年間の活動で、
地域づくりは知識や手法として学ぶものではなく、
感動を体験・共有することで地域住民を「その気にさせる」ものだと自分では思ってます。
このような講演を聞いて、ただ自分の中で消化するだけではなんの成果も上がらない。
知識としてただ伝えるだけでも不十分。
感動を伝え、少しでも共感してもらいたい。
だから僕は拙い文章とイメージに自分の想い(感動)を込めて記録する。
愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第4回2日目。
一日目と同じく場所は内子の川登筏の里交流センター「いかだや」。
一日目はフィールドワークでしたが、二日目は座学中心でした。
午前中は笠松先生による「地元学実践による農山漁村の再生」、
午後はプロジェクト研究の検討でした。
笠松先生はこの講座の事務方として毎回お世話になっているのですが、
それがすっかり板についていて、先生であることが意識から遠のいていましたが、
今回の講座で立派な先生であることがあらためて証明されました。
全国の農山漁村は貧困にあえいでいる。
極端に言えば、多くの村落が近い将来消滅の危機に瀕している。
中には勝ち組の農山漁村もあるけれど、ほんの僅かではないだろうか。
20世紀の都市型社会のツケが軒並み田舎へのしわ寄せとなっている。
かつてはムラ社会で400年もの長きにわたり栄えた時代があった。
今こそ、田舎の良さを見出し、再生を図らなければこの国はだめになる気がする。
僕たちに必要なのは、世界を広くすることではなく、視野を広くすることである。
規模を大きくすることではなく、適度なスケールを保つことである。
厳しい自然を隔離して生きることではなく、そのなかで生き抜く術を学ぶことである。
愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第4回1日目。
今回の開催場所は二日間とも内子。
遊子川からは肱川経由で40分程度で行けちゃうので助かります。
基本宿泊付きのプログラムですが、
経済的に余裕がないため、宿泊はパスしました。
今回はフィールドワーク主体であちこち移動しました。
龍宮茶屋→お山の学校ながた→エコファームうちこ→いかだや
内子は松山へ行く道中なのでしょっちゅう通りますが、
今回はじめて知るところばかり。
新しい発見は決して遠いところにばかりあるわけじゃない。
近すぎるがゆえに見落としてしまうものもある。
合気道にスキー、バドミントン、テニス、インラインスケート...
二十代から三十代前半は暇さえあれば身体を動かしていました。
スキーはそのなかでも熱中していたスポーツの一つで、
基礎スキー、モーグル、そしてたまにポールをやったり。
冬のシーズンはほぼ毎週雪山に出かけ、夏のオフシーズンも
室内スキー場やインラインスケートなどのオフトレに明け暮れていました。
まさにスキー漬けの人生で、スキーを中心に生活は回ってました。
10年ほど前に、三年がかりで東京都スキー連盟の準指導員資格を取得しました。
といっても社会人スキー部で大人相手にレッスンしていただけで、
子どもたちやスキー初心者に教えることはほとんどなく。
指導員資格、といっても教え方のノウハウを練磨するのではなく、
滑り方の技術や理論を練磨するもので、また、スキースクールでは
この資格がなければ教えてはいけない、というものではなく、
あくまでスキー技術の到達度を客観的にアピールするものにすぎない。
指導力は実際に指導の実績を積むことでしか蓄積されない。
...ということを今回痛感しました。
遊子川愛護班連絡協議会主催のスキー体験活動に参加してきました。
子どもたちにスキーを教えるのって難しい。
[道後温泉本館]
愛媛に来て4ヶ月ちょい。
東京の友人が訪ねてきてくれました。
距離が距離だけに、口では「遊びにいくよ〜」なんて言う人は多いけれど、
実際はしばらく東京から友人が来ることなんてないだろうなって思ってたら、
意外と早く来てくれた。
こういう時に、人間の行動力や有言実行の度合いが現れるもんだね。
地域おこしの経験のない自分の、地域おこし協力隊としての強みは、
「外部からの客観的な視点」なわけですが、
地域に馴染んでいくたびに(もちろん馴染むことも重要な任務ですが)、
この視点は新鮮さを失ってゆく。
ある意味、宿命的なものかもしれないけれど、
客観的な視点を持ち続ける努力は怠ってはならない。
だから今回のような外からの来客は「客観的な視点」を再認識する絶好の機会なわけです。
どんな魅力も、それを眺める環境に馴染んでしまえばその魅力は色褪せてゆく。
魅力を魅力として捉え続けるには、常に視点を変えて眺める作業が必要なのです。
これぞ「魅力の再認識」。
連休中日。
久々に内子に行ってきました。
内子で酒蔵を経営している友人のHPづくりのお手伝い。
隣町のことではありますが、長い目で見れば、
これも愛媛の地域活性化、と言えるわけで。
地方が元気になれば、
一極集中型の悪しき風習に歯止めがかけられるかもしれない。
一人一人の力は微々たるものでも、
一斉に同じ方向に向けば大きなエネルギーとなる。
だから今は自分ができることを、自分が信じることをコツコツと。
その友人と会う前に、石畳地区を散策してきました。
内子の中心街からおよそ30分くらいでしょうか。
そこは遊子川と同じように道幅は狭く、自然の緑があふれる地域でした。
今年のGWは10連休、とニュースではさかんに言ってますが。
やはり震災の影響もあって、海外に出て行く人も例年に比べれば少なく、
本当に10連休する人もそんなにはいなかったのではないでしょうか。
僕もほぼ暦どおりの三連休で、そのうち1日だけ、内子へ遊びに行ってきました。
東京にいる間は、愛媛にはとんと縁がなかったのですが、
いざ愛媛に行く、という話になると、出身が愛媛だとか、四国をよく旅行するとか、
四国に縁がある人が身近に意外とたくさんいたりします。
今回も、会社員時代の同期の奥さんの実家が内子で造り酒屋をやっている、
ということで遊びに行ってきたわけですが、こういう状況を目の当たりにしてると、
縁の奇妙さ、というものを感じずにはいられません。
内子までは遊子川からは車でおよそ1時間。
高速を使うこともなく、下道でいけます。
意外と近い。
友達によれば、今は古式ゆかしい家が連なる伝統的な町並みに観光客がにぎわうこの町も、
一時は廃れていた時期もあって、町の若い人たちを中心に現在の姿まで復興させたのだとか。
町おこしの成功例として、またとない参考モデルではないですか。