3月の最大の残務。
木工文化を地域に根付かせるためのクラブ活動「ユスモク・クラブ」の成果展示、
「モッコー・ケッコー・タノシーゾ」展を現在開催中です。
宇和町のギャラリー喫茶池田屋にて。
3月9日(日)まで。
過去のワークショップでの成果物に加えて、メンバーによる自由制作品も展示してます。
みなさまからのお越しをお待ちしております。
Facebookでは早くから告知してたのですが、
ブログでは展示がはじまってからの案内になってしまいました。
すみません。
目玉はやはり3mの木製ドームでしょうか。
3/8(土)にはカホンのワークショップも開催します。
定員にまだ空きはありますので、興味のある方はぜひ。
すっかり更新が少なくなったこのブログですが、
別にネタ切れしたわけではなくて、
逆にネタがありすぎて、ブログにアップする間がなかったといった状況でした。
忙しくしてるうちに、集落応援隊(地域おこし協力隊)としての自分の任期が、
2月いっぱいで終了してしまいました。
といっても、すべての仕事が終了したわけではなく、
3月前半くらいまで残務をこなさなければならないのですが。
本来は年度末である3月末日が本来の任期満了日なのですが、
次の進路の都合上、3月は無職である必要があったので、
自己都合で一ヶ月退職を早めてもらいました。
別段仕事でヘマをしたとか、もういやになったとかではありません。
まあ、でも地域おこし協力隊という仕事としてはおなかイッパイかな。
まだまだ課題はありますが、自分がやるべきことはやった、
という達成感はそれなりにあります。
地域づくりという仕事は、一人の人間がずっとやるものではありません。
いろんな人間がいろんな目線で地域を眺めることで、
地域の良さを引き出していくものだと思います。
忙しい合間をぬって、この三年間の報告書を作成しました。
作成動機は、自分が地域おこし協力隊という仕事に就くにあたり、
参考になる情報がほとんどなかったことにはじまります。
形式的な情報はあるのだけど、本音を語るものがない。
そこで、自分の本音を詰め込んだ報告書を作ろうと思いました。
しかしまあ、いざ作ってみるとPDFで60MBにもなってしまった。
製本する予算もなく、このブログ上にでもアップしようかと思ったのだけど、
田舎の細い回線ではなかなか。
まあ、公開手段は今後考えていきたいと思います。
この報告書がどのように役立ってゆくのか、自分自身でもよく分かりません。
もしかしたら単なる自己満足で終わるかもしれない。
でもまあ、語るべき「自己」を持っていることは、
それなりに大切なことで幸せなことなのでしょう。
今後の予定ですが、目標は着任前となんら変わることはありません。
木工作家として田舎で自立すること。
できれば20年くらい田舎で生活すること。
しかし任期終了時点では、その目処は立ちませんでした。
自分の未熟さが第一なのはいうまでもないですが、
多くの行政職が総合職として性格が強いように、
集落応援隊としての業務もその例に漏れずあまりにも多岐にわたっており、
「今」を維持するための仕事と将来に向けて発展させていくべき仕事がごっちゃになり、
優先順位がつけられないまま、後者の仕事に集中して取り組むことができませんでした。
しかし地域内で木工をしていくための環境はだいぶ整ってきました。
ただ、その環境を活用していくためのスキルが不足している。
ということで、今後はそのスキルを磨くことに専念したいと思います。
詳細についてはまたはっきりした時点でまた報告します。
まだまだ前途は多難ですが、楽しみながら取り組んでいきたいと思います。
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えひめ地域政策研究センター主催の政策研究セミナーに行ってきました。
愛大の南加記念ホール。
今回の講演者はあの「里山資本主義」の著者、藻谷浩介氏。
日本総合研究所の主席研究員だそうですが、経済に疎い僕はつい最近まで、
この方を知りませんでした。
地域おこし協力隊として田舎の地域振興に携わるようになって、
周囲の人からよく勧められたのがこの「里山資本主義」の本。
中には献本までして薦めてくれる人もいました。
そして実際読んでみて、とても良い本だなと思いました。
僕は金勘定が苦手で、経済論はさっぱり分かりませんが、
それでもこの本が現代社会が抱える問題を見つめ、
その問題を解決し、より良い未来を築くにはどうしたら良いか、
考えるきっかけを与えてくれる、と感じました。
地域づくりに携わる人だけでなく、
すべての日本人に読んでもらいたい。
プロフィール写真からは、温厚・柔和でスローペースな印象を受けましたが、
実際に壇上に上がった藻谷さんは、チャキチャキでパワフルでシャープでした。
大胆でありながら紳士的。
日本全国をくまなく歩き、国内のみならず海外にも広く目を向けてきたからこそ、
行動に裏打ちされた言葉に重みがある。
全国を講演して回って講演慣れしているのであろう、
壇上を縦横無尽に歩きまわり、講演者から観衆への一方的な押し付けではなく、
観衆と会話をしながら、コミュニケーションをとることで
観衆を惹きつけることを心得ている。
...そんな印象でした。
里山資本主義を一言で説明するならば、
「マネー資本主義の欠陥を補うサブシステム」
ということになります。
ここでキーとなるのが「マネー資本主義」という悪役と、
「サブシステム」という位置付けです。
マネー資本主義をもっと端的に表現すると、マネー至上主義ということでしょうか。
人間社会における絶対価値基準をマネーに置く考え方です。
対象の価値金額が大きければ大きいほど価値がある、という考え方は、
イメージとして確かに共有しやすい。
しかし、世の中には金額換算することのできない価値がたくさんある。
それを無視した社会ははたして健全といえるのだろうか。
別段マネーの存在が悪だと言ってるわけではありません。
マネーそのものは人間社会を円滑に、効率的に維持するためには必要不可欠なものです。
ただ、マネーが全てではない、ということ。
この当たり前の事実を、建て前だけでなく、本気で受け入れている人は
意外と少ないのではないだろうか。
また、お金はどれだけ収入を得たかが大事なのではなく、
どのように使ったか、が大事だということも意外と認知されていない。
あたかも人の価値を年収で判断するかのように。
自分の地域おこし協力隊としての現在の給料は、
会社員時代の給料のおよそ三分の一にも満たないけれど、
現在の人生の充実度・幸福度は会社員時代に比べて三倍以上はあると本気で思ってます。
それはこのブログを読んでいる方にも伝わっていることと思います。
収入で人の価値づけすることのなんと無意味なことか。
人はこの世に生を受けてから死ぬまで動き続ける。
だからマネーを人の価値付けに連動させるのであれば、
マネー自体も流動し続けなければならない。
マネーそのものに価値があるのではなく、
マネーと「交換」されるものに価値があるのだから。
マネーは価値ある何かに交換され続けてこそ価値があるのです。
しかし、保身本能から人はマネーを貯めこみ、マネーを「動かないもの」にしてしまう。
動かないマネーに価値はない。
それどころか健全な社会の維持を阻害するものになってゆく。
そういう戒めの意味を込めて「マネー資本主義」という悪役の存在がある。
しかし、ヒトはマネー資本主義の呪縛からなかなか逃れられない。
だからこその「サブシステム」という位置付け。
「サブシステム」なんてカタカナでカッコつけてるけど、
結局はこれも「やれることからやればいいじゃない」という、
これまた極めて当たり前の論理。
あたかも地域おこし協力隊での最初の仕事がそうであるように。
地域づくりに時間がかかるように。
マネー社会においては、マス社会の都会が中心となり、田舎(里山)は遠ざけられてきた。
しかし、それは裏をかえせば里山は金額換算できない簿外資産の宝庫だということ。
それを資本として活かしていくこと。
サブシステムという位置付けでマネー資本主義の呪縛と闘いながら、
失われた「人間らしさ」を取り戻してゆくこと。
それが「里山資本主義」の目指すものではないだろうか。
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地域おこし協力隊を管轄する総務省と全国市町村国際文化研修所(JIAM)との共催で
開かれた「地域おこし協力隊ステップアップ研修」に参加してきました。
対象は着任2年目から3年目を迎えた地域おこし協力隊、およそ30名。
「次のステップに踏み出すためのアイデア・方策を見つけ出すために必要な
知識や実務能力の向上を図る」のが研修の目的となります。
今月一杯で任期終えるにあたり、現在三年間の活動を報告する報告書を作成中ですが、
まさにこういうツールが欲しかった、という感じでとても良い研修だったのですが、
2年目と3年目の隊員は回を分けて開催してほしかった、と思いました。
2年目の隊員と3年目の隊員ではかなり温度差があり、
その温度差がせっかくの内容の良さを減じているように感じました。
講義や事例紹介が3分の1、残りの3分の2がグループワークでした。
講義や事例紹介は自分がやってきたことをそれなりに裏付ける上でとても参考になりました。
ただ、グループワークについては、
やることはやり、次に何をするか自分的には明確であるが、
それを他人に説明する資料を作りたい、と思っていた自分ににとっては、
他人の情報を知ることよりも、自分の情報をまとめたいという気持ちが強く、
少々冗長的に感じた部分もありましたが、まあこれは個人差なので仕方ないのかな。
総じて期待以上の効果が得られた、良い研修だったように思います。
総務省による地域おこし協力隊向けの研修は、
初年度の導入研修以来の二度目になりますが、
初年度が千葉県・幕張の市町村アカデミーだったのに対し、
今回は滋賀県・唐崎の全国市町村国際文化研修所でした。
しかしまあ、どちらも似たような施設で、無機質で馬鹿でかく、
気を許すと迷子になってしまいそうな空間でした。
普段人間的な田舎空間にいる人間からすれば、
どこか閉じ込められているような気がして落ち着かず、
一刻も早く出たい気持ちになってしまう。
すごく立派な施設なんだけど。
地域おこしのような人間的な活動を、
このような無機質な空間で論じていいアイデアが出てくるものだろうか。
...と毎回(2回だけだけど)思ってしまうのです。
まあ、それはともかく。
研修の内容は思った以上に良かった。
これまでの活動を整理し、今後の計画を客観的に伝えるものとして、
「プロセスシート」「相関図」「ロードマップ」という3つのツールを使いました。
いずれも斬新的なものではなく、ちょっと考えれば誰でも思いつくような
普通の文書テンプレートですが、日々の活動に追われていると、
客観性を生かす立場の地域おこし協力隊であっても、
なかなかそういう整理ツールに行き着かないもの。
まさに「これだ!」という感じで目からウロコのツールをGETできました。
さしむき研修中は手書きでプロセスシート、相関図、ロードマップを作成、
他のグループはグループでのロードマップをワークショップの成果物として
発表するわけですが、全員三年目でそれぞれ各々の方向性が定まっている
我がグループでは一つにまとめることは到底不可能で意味のないこと、
ということでそれぞれ個別で簡易的なロードマップを発表しました。
2,3分で三年間の活動をまとめきれるはずもなく。
尻切れトンボの発表になってしまいました。
2年目、3年目一緒くたにされたしわ寄せがここに来た、って感じで残念でした。
ノートパソコンを持参していたので、
研修途中から正式版をしこしことつくりはじめ、帰ってきてさらにしこしこ根を詰め、
なんとかできあがりました。
まずはプロセスシート。
相関図。
ロードマップ。
自分は、着任したときにはすでに地域に地域づくり組織が立ち上がり、
計画書も立てられていました。
とりあえずいろいろやってみる、的な内容だったので、
「何をしたらいいか分からない」的な悩みはそれほど深刻じゃなかったですが、
反面、自分が一番やりたいこと=木工による地域づくりは明確で、
地域も真剣に協力し、環境構築はできてきましたが、
定住自立手段の検討に専念したい、という点ではなかなか集中できず、
結局任期中に定住自立の目処は立ちませんでした。
いろいろ模索しながら、という段階においては仕方のないことで、
僕自身はそれを失敗と捉えたくありません。
この経緯と今後の展開を客観的・端的に説明するものとして、
プロセスシート・相関図・ロードマップはおおいに役立てられる気がしてます。
もっとも、この3つのシートだけで、活動の詳細を報告できるものではなく、
三年間の活動を報告する報告書の中にこの3つのシートを盛り込むことで、
より質の高い報告書を提供したいと思います。
この三年間の活動で自分が得た教訓は3つ。
1.Small Scale, Great Depth.
2.アンオフィシャルな情報発信
3.田舎でもデザインは有効
一番目は簡単にいえば地域づくりは最終的には「広く浅く」より「狭く深く」が大事ということ。
最初にいろんなことをするのはいいですが、リソースが少ない田舎ではそれを長く続けるのは
かえってデメリットになる。いろいろやる中で一番自分たちがやりたいことを明確にし、
それに専念するほうが、周囲へのアピール力になる。
二番目はオフィシャルでは本当に伝えたい一番大事な「本音」が伝えられない、ということ。
行政のような公益重視の組織ではなおさらです。
別段オフィシャルが悪い、というわけではありません。
オフィシャルだけが信用に足る情報源ではない、ということです。
三番目は着任当時に、右も左も分からず、何をしたらいいか分からない状況で、
「自分ができることからはじめる」ことでたどり着いた結論でした。
ただ、それとデザインビジネスが田舎でも有効、という点はまた別物なのかな、とも。
必要だけどその有効性を理解してもらう難しさがある。
こんな感じで残り一ヶ月足らず、残務をこなしながら自分の活動を振り返っていきたいと思います。
遊子川小の学習発表会。
毎年この時期に公民館で行われています。
学校主導の行事なので、公民館は基本的に場所を貸すだけなのですが、
年を越してからすぐの時期からおよそ1ヶ月弱のあいだ、
ほぼ毎日のように公民館にきて出し物の練習を一生懸命やってる姿を
傍目に見てると、「頑張れ!」と応援したくなります。
普段は頼りなく、フザケてはしゃぎまわっている姿からは到底想像できないのですが、
これがいざ本番、となると大人顔負けの演技をするからスゴイ。
先生の指導の賜なんでしょうね。
僕自身は自分以外の何かを演じる、という行為が非常に苦手です。
子どもの時分にそういう劇とか演芸を経験してこなかった、というのもありますが、
自分以外の何かになる、ということにすごく違和感を感じてしまいます。
たぶん、エゴが相当強いんだと思う。
ただ、こういう発表会を見てると、
自分以外の何かになる練習をすることで、より自分を深く知ることができるのかな、
とも思います。
喜怒哀楽の表現は人間らしさの根源である。
その表現力に欠ける自分はどこか欠陥品、という劣等感が自分の中にどこかある。
そんなに深刻なものではないのだけど、この仕事をしていると
この欠点はやはり治したほうがいいのかなあ、という気になります。
何歳になっても人は変われる。何歳になっても人は成長できるんだ。
粋なあいさつで発表会スタート。
粋なバンド演奏。
中学年の子どもたちによる「キバのないオオカミ」。
自分の中の「決めつけ」で他人を傷つけちゃいないかい?
...という人権劇。
この地域は人権教育に熱心です。
素直に感動した。
低学年の子どもたちによる「すきくわ千丁」。
すきくわ千丁の数え方やいかに?
PTAによる合唱。
PTAによる寸劇は定番の「水戸黄門」。
これが毎回笑わせてくれるのだけど、
今回とくに嬉しかったのが遊子川もりあげ隊の活動をピックアップしてくれていたこと。
劇中では「もりもり隊」だったけど。
もりあげ隊の活動がじょじょに地域に浸透しつつあることの証。
ユスモクも。
トマトうどんも。
デマンドタクシーも。
定番の悪代官シーン。
「あ〜れ〜」。
「そんなご無体な」。
「ここにおわす方をどなたと心得る!」
高学年の子どもたちによる「杜子春」。
高学年は毎回シリアスもので迫真の演技に迫る。
劇の終わりにカホンの演奏。
先日のワークショップの成果を披露しました。
子どもたちを通じて地域づくりの成果を披露できるのって最高に素晴らしいことだよね。
やってる時は「本当にこれで地域が活性化できているだろうか」と、
よく分からないまま、常に不安を感じながらの手探り状態なのだけど、
それなりに前進できているのかな、と感じることのできた嬉しい瞬間でした。
僕はそれなりにこの地域の役に立てているのだろうか。
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新年最初のユスモク・クラブは2回にわたって、
木工旋盤(ろくろ)を使っての木皿づくりに挑戦しました。
ろくろは皿やお盆、コップなど、円筒・円柱状のものを加工するときに使われる機械。
作業には熟練を要し、誰でも簡単に扱えるシロモノではないですが、
遊子川公民館及びユスモクでは木工文化を普及するという目的であえて導入し、
愛媛大学の工作実習室で旋盤の指導をしている専門職員の方に講師をお願いして、
ろくろの基本的な扱い方を学びました。
いきなりお皿などの大物の加工は難しいので、
1回目は1〜2センチほどのどんぐりの小物加工で基本操作を学び、
2回目は直径10センチ弱の小皿づくりにチャレンジしました。
熟練が必要な機械なので、すぐにお店に出せるレベルのものが作れるわけではないですが、
普段目にしている木器がどのようにして作られているかを知り、
実際に自分でも作ってみることで、モノづくりの楽しさを体感することは
木の良さ、モノづくりの大切さを認識する上でとても貴重な体験だと思うのです。
そこから地域性を生かしたモノづくりが生まれたらいいなと思います。
作ることは楽しいんだ。
まずはそれを知ってもらいたい。
ろくろは加工材料を回転台にとりつけて回転させ、
外側から刃物をあてることで加工していくわけですが、
素人には最初にどのような形状のものを取り付ければいいのかも分からないわけで。
先生があらかじめ用意してくれた材料。
どんぐり用。
木皿用。
あまり柔らかすぎると、ねじれたり歪んだりするので、できるだけ堅い木がいいのですが、
逆に堅すぎると加工が困難になってくるわけで、堅さの加減が大事。
バイトと呼ばれる切削刀で切りだしていくわけですが、
台に固定するタイプと手で持つタイプの二種類があり、初心者には前者のタイプがオススメ。
仕上げはヤスリを回転する材料に押し当てて磨くのですが、これが慣れるまではちょっとコワイ。
完成したどんぐり。
なかなか愛着のあるカタチ。
さて、2回目は小皿づくりに挑戦。
どんぐりに比べて大きさが大きくなるだけでなく、
内側をくりぬいて器にしていく難しさが加わります。
木工所には新たに準備したろくろ以外に、廃校から持ってき古い金属用旋盤もあって、
先生にメンテしてもらって使える状態にしてもらい、こちらでも作業。
古びてちゃんと動作しなかったり、部品がなくなってたりと制限はありますが、
とりあえずなんとか動きそうです。
失敗は成功の元。
薄くし過ぎると力負けして割れちゃいます。
限界を知ることで安全に使えるようになるわけで、これも良い経験。
なんとかできあがった小皿。
固いナラの木だと木目がさらにキレイに出ます。
先生レベルになるとこんなのも作れちゃいます。
いつか地域のみんながこういうものを作れるようになるといいなあ。
ろくろ機械が二台しかないので、なかなか多人数対応が難しいところ。
興味のある人がぼちぼち安全に練習してもらえるといいのですが、
その安全性の確保が今後の課題と言えます。
うーん。
課題は残りますが、とりあえず来月はこれまでの総仕上げとして、
自由制作に取り組んでいただきます。
3月には制作物の展示も計画しています。
乞うご期待。
休暇中の記事が続きましたが、実際は仕事バリバリモードです。
...というか仕事がバタバタしていて記事の更新が遅れております。
仕事始めの翌日。
遊子川の子どもたちを相手にカホン作り&演奏体験のワークショップを行いました。
カホンとはペルー発祥の打楽器で、外見は木箱、
音が反響するように箱の中にスナッピーと呼ばれる金具が取りつけられており、
この木箱の上に座って演奏します。
音楽はもっぱら聴くだけで演奏にはとんと縁がありませんが、
この楽器を知ったのは先月の東京出張でのこと。
東京の木を活用する活動に取り組む会社を視察したときに、
この楽器を手作りするワークショップにより普及活動をしている組織、
「手作りカホンプロジェクト実行委員会」の存在を知ったのでした。
そして後日、世田谷ものづくり学校で実際にそのワークショップの様子を見学し、
担当の方とも話し、いろいろ協力が得られそう、ということで
遊子川でもワークショップをやってみることになりました。
広島在住の手作りカホンプロジェクト実行委員会スタッフを紹介してもらい、
カホン作りに必要な材料、作り方などの情報提供していただきました。
1日目に制作をし、2日目に演奏体験を行いました。
外見はただの木箱なのに、いざ叩いてみると魅力的な音色が出るんだな、これが。
さて、遊子川でのワークショップはというと。
地元でELTの講師をしていた人がカホンを演奏できる、ということで
まずはデモ演奏。
カホンがどんなものか分かったところで制作開始。
材料のカットはあらかじめしておいたので、
基本的には板と板をボンドとネジ止めしていくだけの単純作業なのですが、
子どもたちには難しいみたいなので、ペアで作業してもらいました。
組みあがったら、次は色塗り。
めいめい好きなように塗り絵をしてもらったのですが、
これが失敗だった。
水彩絵の具で塗ったのですが、色落ちが激しい。
ニスなどでコーティングする必要があります。
そんなこんなでなんとかできあがり、1日目はこれで終了。
二日目は手作りカホンプロジェクト実行委員会の人に来てもらって、演奏体験。
基本的なたたき方から指導していただき、
終わる頃には曲に合わせてのそれなりの演奏ができるまでになりました。
もう少し練習して、月末の学習発表会で演奏を発表する予定です。
自分はリズム感がまるでないので、もっぱらメンテ要員ですがw
大人向けのワークショップも3月に宇和町で開催予定です。
こちらも手作りカホンプロジェクト実行委員会の協力をいただく予定です。
詳細は近日中に案内予定。
ぜひお気軽にご参加ください。
新年明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
今年もよろしくお願いします!
大晦日は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」三部作を見ながらの、
のんびりとした年越しになりました。
去年と同じく年越しスキーに行こうと思ってたのですが、
腰痛の不安がぬぐいきれず、おとなしく家での年越しとしました。
今年は、地域おこし協力隊としての任期を早々に終え、
新しい転機となる年になります。
この一年での動きが、今後遊子川で10年、20年を過ごしていけるかを
左右するといえます。
気合を入れて、今年一年の目標を立てたいと思います。
任期終了後の具体的進路については、
1月6日の仕事はじめ以降に報告したいと思ってますが、
この1年は木工デザイナーとしての起業準備に費やします。
諸事情により、任期終了後すぐの起業はかなわず、準備期間を一年設けます。
今年は自分自身の独立のための活動に費やしたい。
基本的には遊子川に定住し、10年、できれば20年暮らしていきたいと思ってますが、
正直なところ、現時点でその目処は立っていません。
遊子川での木工作業環境は整ってきましたが、
これをビジネスとして活用するための準備は任期中にはできませんでした。
僕自身の実力不足が第一ですが、ほかにも行政職員、という総合職としての
制約があったのも事実。
遊子川は確かに良いところです。
ただ、地域出身者と違って僕はこの土地に地縁がありません。
僕が遊子川にいる理由は、遊子川に自分の夢があるから。
僕がやりたいことがここにあるから。
夢を実現させるために僕は全力で頑張りますが、
それでも外から来た地縁のない人間がこの土地で生きて行くのは至難の業。
上手く言えないけど、田舎で20年間暮らすための努力をこの一年していきたいと思います。
2.運動する。
地味な目標ですが、やはり重要なので。
田舎は厳しい環境にあります。
そこで生き抜くためには基礎体力が重要ということを
この三年間で嫌というほど思い知りました。
具体的には再開した合気道を継続して続けること。
これに尽きるかな。
3.旅する
これも毎度おなじみの目標ですが、やはり重要なので。
一見趣味的ですが、視野を広げる、という点においては、
仕事的に不可欠な心がけなのです。
具体的には、南九州、山陰、北陸あたりに行ければ。
4.お金を貯める。
5.作品を作る。
1.の目標を達成するための具体目標とも言えますが。
4.は起業のための資金作りだし、
5.は起業後の販売商品準備なわけです。
ただ、この一年は基本的にプータローであり、自助努力による自己資金増加は難しい。
借金、補助金等なにかしらの資金繰りが必要。
作品作りは、そのために必要な技術を学ぶ環境下にあるため、集中できる見込み。
最低でも20個以上は作りたいと思います。
...うーん、去年の反省で来年の目標設定はもっとダイナミックに、と言いながら、
いざ目標を立てるとなると、去年と代わり映えしないような。
地道に頑張るしかない、ということなのだろうか。
なにはともあれ今年もよろしくお願いします!
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早いもので大晦日。
恒例の反省タイム。
年頭に立てた目標に基づき、この一年を振り返ります。
今年は以下の五つの目標を立てました。
1.地域おこし協力隊終了後の進路を決める。
2.痩せる。+運動する。
3.旅する。
4.お金を貯める。
5.作品を作る。
結果:◯
年始でも書いてたとおり、すでに決めており、今もブレてません。
ただ、具体性、発展性に欠ける点についてはいまだにぬぐいきれず。
理想をいえば遊子川で10年暮らしていけるプランを持ちたかったけど、
それはなかなか難しかった。
具体的な進路については、年明け早々新年の仕事が始まった時点で、
このブログで報告したいと思います。
2.痩せる。+運動する。
結果:△
継続的に運動をする、という点は合気道を再開したことでほぼクリアできたかな。
しかし、なかなか痩せず。
一人暮らしだとなかなか食生活のコントロールが難しい。
さらには秋の終わりには、疲れからかギックリ腰をやってしまった。
うーん。
3.旅する。
結果:◯
由布院にはじまり、西粟倉村、香川、瀬戸芸、置戸町、東京、...と、
公私問わずあちこち行けた点はGood。
ただし、年始に計画した伊方や愛南にはほとんど行けなかったのは残念。
4.お金を貯める。
結果:△
さすがに、前年より貯蓄額が減ることはなかったけど、増やすこともできず。
現状の給料ではキープが精一杯ってとこかな。
5.作品を作る。
結果:◯
エヒメノタマビに展示した一点だけだけど、
まあ、愛媛県美に展示できたのだから上出来といえば上出来かな。
地域おこし協力隊としての任期もいよいよ終了も間近となり、
来年はまた大きな転機となります。
というわけで、来年の目標設定はもっとダイナミックなものにしたいと思います。
今年一年、本ブログをご覧いただきありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
みなさま、良いお年をお迎えください。
ユスモク・クラブ第8回。
今年最後のワークショップです。
今回は砥部町で家具の制作やリフォームを手がける株式会社LINK WOOD DESIGN代表、
井上大輔氏に来ていただきました。
木材塗装が強み、ということで木材塗装のノウハウを
実際の木工作を楽しみながら学びました。
塗装、というとただ色づけをするだけが目的のように思われますが、
木はナマモノ。
反ったり割れたり、腐ったりと工業製品としてはなかなか取り扱い材料でもあります。
その特性を一定に保ち、また木材を保護するために、という目的もあります。
僕自身は木目も木の魅力として積極的に表現に使っていきたいと考えていますが、
長く大切に使ってもらうためには、
何も塗らない、という選択を簡単にしてしまうわけにもいかない。
木目の良さを引き立てるような塗料、塗装を学びたい。
先生が作ったサンプル。
まずはどのようなツリーを作りたいか、ドローイング。
マスキングテープで色を塗り分けしていきます。
塗料は保護するためのベース剤に色をつける顔料を混ぜて調合していきます。
現在は人工化合物であるウレタンを使ったものが主流のようです。
環境に配慮した自然塗料もありますが、保護効果はやはりウレタン系には及ばないとか。
ハケで丁寧に塗っていきます。
今回はハケ塗りでしたが、参考までに、とエアガンも持ってきてくれました。
水で操作感を体験。
十人十色のツリーができあがりました!
今回は塗料という液体を扱うこともあり、その準備も後片付けも大変だったことと思います。
それでも愚痴一つ言わずに笑顔で対応してくれた井上さんに本当に感謝!です。
来年も木工を楽しく感じてもらうためのワークショップを企画していきます!
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木工先進地視察で東京に行くことになったので、
久々に母校・タマビへも顔を出そう、と恩師に連絡をとっていたら、
自分の自宅の一部を改装して整えたコミュニティスペース「シェア奥沢」にて、
今の僕の活動について報告することになりました。
日本には気軽に近隣住民が交流できるスペース「アゴラ(広場)」が少なすぎる。
公民館や市民プラザといった類のものがパブリックスペースとしての交流の場に
相当するわけですが、得てしてこういう場所は形式的な手続きが必要だったりして
「気軽に」交流するには今一歩だったりします。
シェア奥沢は古い民家をベースとしているので、
親しみやすく気軽に立ち寄ってフランクに会話がしやすい雰囲気となっています。
イベント運営費も参加者同士リーズナブルな価格でシェアし合う。
こうした「繋がりやすさ」が本音を引き出しあい、
新しく良いものが生まれる土壌となるのではないでしょうか。
僕は田舎暮らしのプロではありません。
都会からの移住してきておよそ3年という短い時間の中で、
まだ田舎に染まりきれていない今だからこそ見えるものをありのまま伝え、
聞き取り側で田舎暮らしについて感じ、考えてもらいたい。
それが今回のプレゼンの目的です。
参加者は主にシェア奥沢の常連さん(大学の恩師の知り合い)やタマビ在学生、卒業者、
そして僕の知り合い関係の方々が少々、といった感じ。
Facebookで事前にイベントフラグを立ち上げ、案内したところでは15人程度だったのですが、
フタを開けてみると、その倍の30人近くの人が来てくれました。
田舎暮らしに興味ある人がけっして少なくない、ということでしょうか。
はじめて会う方のほうが多かったですが、親しみやすい空間ということもあってか、
あまり緊張することもなく、自分の伝えたいことが伝えられました。
最初に自己紹介と自分が現在いる地域の説明をした後、
地域おこし協力隊という制度の説明や地元の地域づくり組織での活動を説明した後、
その中で自分ができること、やりたいことをアピールして実践していくまでを説明。
ユスモクもしっかりアピールしてきました。
最後にまとめ的なものを。
田舎での人のつながり方、都会での人のつながり方について話しました。
人間が重さのある「身体」を持つ以上、
物理的な距離によるつながりを無視することはできない。
食事や排泄という行為が好きだろうが嫌いだろうがせざるを得ないものであるように、
地域コミュニティもまず最初の原始的なコミュニティとしてあるべき、
ということをこの3年間の田舎暮らしで学びました。
最後に所感をつらつらと。
これらの想いも、概ね参加者のみなさん受け入れてくれたようでした。
いろんな人と知り合うことができました。
これも貴重な都市部との交流。
都会と田舎を結ぶ一端になればいいな。
今回はこのイベントに参加するだけでなく、宿泊所としても利用させていただきました。
僕はあまりコーヒーは飲まないのですが、ここのコーヒーは絶品。
恩師いわく、
「おいしいコーヒーが飲めるかどうかがその場所の文化のレベルをはかるものさしとなる」
とか。
文化は人の幸福度を上げるためにあるわけだし、
楽しく話すことは幸せの原点だと思えば、それもそうですね。
シェア奥沢は盛況で、毎日のようにイベントが実施されています。
滞在最終日には地元の人によるフラワーアレンジメント教室の準備が行われていました。
都会にせよ、田舎にせよ、自分たちがすむ地域についてしっかり考えていくこと。
それがまずは大事なのではないだろうか。
今いる場所が仮の場所だろうが、終の場所だろうがそんなことはあまり関係ない。
デジタル技術でどんなに世界が広がろうとも、結局最後は物理的な制約を受けるのだから。
過去に逆行するのではなく、太古より続いている永遠不変の原理を思い出すこと。
それが今の時代には求められているのではないでしょうか。
オケクラフト視察を終え、ゆっくりする間もなく、
次の目的地、東京へとんぼ返り。
およそ2年ぶりの東京。
今回は北海道に続いての木工先進地視察。
厳密には「木工」の先進地ではなく、
「東京の木」を活用した新規ビジネスの見学になります。
今、東京では花粉症対策で、
従来品種のスギを花粉症になりにくい品種への植え替え作業が進んでいます。
伐採されたスギは手入れが行き届かないため小径木であり、
建材など従来の用途には向かず、その新しい使い方を模索している会社を訪問しました。
株式会社budori。
Webデザイン、グラフィックデザインを主たる業務とするデザイン会社。
budoriが取り組む東京の木の活用プロジェクト「KINO」の担当者が、
なんとタマビの同窓生。その伝手で今回の視察が実現しました。
隣でデジタルワークに従事する傍ら、東京の自然に目を向ける活動への従事。
デジタル全盛のこの時代、デジタルの最先端をいく都会においては、
なかなかできることではないと思います。
デジタルがどんなに優秀なツールであっても、それはしょせん道具であって世界ではない。
行き過ぎたデジタルへの過信は、人間が本来生きるべき場所である自然を破壊しつつある。
しかし一方でデジタルは人間の可能性を飛躍的に高めたのも事実。
今さらデジタルを捨てることは、時代の流れに逆行することであり、
けっしてスマートな行為とはいえない。
それならば。
デジタルとアナログが、良いカタチで融合するような道を探そうじゃないか。
同時に、都会と田舎のほどよい関係を探そうじゃないか。
今、まさにそういう世界が求められている...気がする。
部屋の中には木の魅力をアピールするグッズがいっぱい。
木の人形、ウッドロイド(...と勝手に名づけた^^;)。
カットサンプル。
丸太からどのように木材が得られるかが視覚的に把握できます。
スプーンや箸、カスタネットなどの手作りワークショップも盛んに行われています。
オーソドックスなテーブル&チェア。
南米が発祥のカホンと呼ばれる打楽器。
後日、この視察が縁でカホンの普及活動を行っているカホンプロジェクトの人が、
世田谷ものづくり学校でカホンづくりのワークショップをする、ということで、
その様子を見学させてもらうことができました。
このカホンのワークショップ、遊子川でもやってみようということになりました。
カホンプロジェクトの協力も得て、現在準備がトントン拍子で進んでます。
田舎と都会、場所は違えど想いは同じ、ということで盛り上がるモクモク(木木)会議。
大学時代は、どこかのんびりしていて頼りなく、
なにを考えてるのかよく分からなかった同級生がすっかり成長して立派に話してる姿が見れ、
こういうカタチでまたつながれたことがとても嬉しかった。
メガシティ東京も23区外へ出ると、けっこう大きな森があったりするのですが、
林業従事者、製材業者が少ないため、価格競争が起こらず、
材木及び材木加工の値段がとても高い。
そこが東京の木を使ったプロダクトの最大の障害となっているようです。
裏を返せばそこに田舎における木工ビジネスのチャンスがあるのではないか。
田舎においては、良い材かどうかはともかく、
木材は比較的安価に入手できます。
あとはどれだけ加工の手間をかけずに良い商品を作れるか。
あるいはかけた手間分の価値を消費者に提示できるか。
手間をかけない、というのはけっして丁寧に作らないということではない。
同じ完成度でどれだけ無駄を省けるかであり、そのことをきちんと意識しない限り、
いつまで経っても生産者と消費者の間にある商品価値認識のギャップは埋まらない。
木工品の価値はどこにあるのか。
良い木工商品とはどういうものなのか。
まずはそこをしっかり考える必要があるのではないか。
そしてそこにデザインの入る余地があるのではないか。
最後に記念写真〜。
今後もなにかと繋がっていけたらいいなあ。
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木工で地域づくりに取り組むに当たり、
先進事例に学ぶべく、さまざまな木工による地域づくり先進地を訪れました。
その中でも一番最初に知り、最も行きたかった場所。
それが北海道の置戸町で展開しているオケクラフトでした。
しかし、遠方であることからなかなか行くことがかなわず、
地域おこし協力隊の任期終了間際になってようやく行くことができました。
今から30年前、公民館活動の一環としてオケクラフトはスタートしました。
木工の文化がほとんどなかったので、まずは木に関する本を集めることからはじめ、
その中に、工業デザイナーの秋岡芳夫氏に関するものが多かったことから、
秋岡氏に依頼して置戸に講演にきてもらい、地元の青年木工グループと交流を深めました。
その後秋岡氏の紹介により木工デザイナーである時松辰夫氏が地域に入り、
技術面での指南を受けながら置戸町での木工活動がスタートしました。
「オケクラフト」という名前も秋岡氏による命名です。
特筆すべきなのは、オケクラフトの推進が「生産教育」という概念を元に、
教育委員会主導で行われていること。木工職人を育てるための環境を用意し、
内外より人材を招き入れ、モノづくりに関する教育を施し、
自立していくまでのサポートを行っています。
さらにオケクラフトの活動を継続的なものとするための経済活動を民に委ね、
官の部分でできること(教育)、民の部分でできること(経済活動)を把握し、
官民の連携がきっちりと取れていることが素晴らしい。
そしてなにより勇気づけられたのは、
オケクラフトがはじまった状況が、今の遊子川とよく似ているということ。
それは取りも直さずユスモクの将来性を信じさせてくれるものでもあります。
僕が遊子川に来て間もないころ、
地元の道の駅を運営する会社の社長さんが教えてくれたのが、
ANAの機内誌に掲載されていたオケクラフトの特集記事でした。
秋岡芳夫展の図録。
「モノへの思想と関係のデザイン」
まだ「モノ」のデザインが全盛の時代、
デザインを関係=コミュニケーションへの活用に目を向けていた。
単なる「カタチ」ではなく、カタチに宿る「思想」を良いものとしてこそ、
本当に良いモノづくりができる。
シンプルで美しいオケクラフトのデザイン。
オケクラフトを展開する置戸町は、北海道のほぼ中央部にあります。
女満別空港からまずはバスで北見まで1時間、
北見からバスを乗り換えてさらに2時間ほどで置戸に到着します。
北海道でも比較的雪が少ない地方みたいですが、それでもやはり愛媛と比べると雪国。
そして寒い。
オケクラフトの拠点、オケクラフトセンター森林工芸館。
教育の場所であり、生産の場所であり、交流の場所であり、販売の場所でもある。
まずは事務所にてスタッフの方に説明をしていただく。
オケクラフトの出発点。
公民館の分室活動として出発。
現在の工房。
木工旋盤(ろくろ)。
時松氏が独自に開発したもの。
通常はツメやネジで木を固定しますが、これはバキュームで木を吸いつけて固定します。
材料を傷つけないですむの良さそうです。
乾燥室も備えてます。
店舗部分。
木のチキン。
2階にはオケクラフト30年の作品を展示したギャラリーがあります。
良いデザインは時を超越する。
このテーブルもイイ。
単に形が美しいだけでなく、広さによって天板の大きさを変えられるスグレモノ。
今回は時間の都合上訪れることができなかった生涯学習情報センター。
いわゆる図書館です。
オケクラフト初期、木に関する本を集めて回ったオケクラフトの原点が詰まった場所。
置戸町中心街。
開拓地・北海道らしいすっきりとしたモダンな町並み。
馬路村のように地域全体を木質化するようなことはしてないみたいです。
なぜかワイヤーで作った動物が目につく。
この辺のいたるところに見られるのが白樺。
僕のような南から来た人間には、とてもキレイで価値あるものに見えるのですが、
現地の人にしてみれば、白樺は十数種ある樺の中でも最低ランクのものだとか。
意外ですが、この辺ではどこにでもあるものだからめずらしくもないんですね。
スギやヒノキは自生北限より北にあるため、この辺にはないそうです。
そのかわりに多いのがエゾマツやカラマツなどの松。
その松も最近は数が減ってるそうです。
それにしても、こういう視察に行くたびに自分の木に関する知識の無さを思い知らされる。
まだまだ学ばなきゃ。
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11月最後の週末。
松山はひめぎんホールで開催されたえひめ生涯学習「夢まつり」にて、
ユスモクの木工体験を実施しました。
基本的には、奥伊予ふるさと祭りでやった木工体験と同じ内容、
フォトフレーム作りと本棚作りを都会部で実施しました。
最初は材料代くらいは、とふるさと祭りの時と同じ値段で参加費を設定してましたが、
フタを開けてみると、周囲の出展者が無料もしくは低価格としていたこともあって、
最初は全然客が来ず。
やむなくフォトフレームだけでも参加費を無料にした途端、
人がどんどん来るようになりました。
木工に対して、趣味のレベルからもう一ランク上の意識を持ってもらいたい。
そこがなかなか難しい。
今回はじめて参加しましたが、かなりににぎわいでした。
子どもからお年寄りまで、幅広く木工体験を楽しんでくれました。
木の板に草木をデコレーションしてできあがる様々なフォトフレーム。
作る人の個性が出ますね〜。
無料としたこともあって、フォトフレームの方は終了1時間前には
用意した50セットすべてがはけてしまいました。
一方本棚の方は、委託ということもあって有料のまま、
作る手間などもあってか、なかなかさばけず。
生涯学習のイベントなので、利益重視とするわけにもいかないのですが、
モノを作るのに必要な「コスト」を意識してもらうのも、
大事な学習と思うわけですが、なかなか難しいものがあります。
要はかけたコストに対する商品価値をユーザが感じていない、
需要と供給のバランスがとれていない、というのが木工の現状なのでしょうか。
あらためて木工ビジネスの難しさを痛感したイベントでした。
木工の魅力の生かし方についてはまだまだ研究の余地がありそうです。
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11月の週末はほぼユスモクの木工教室です。
市からの依頼で親子木工体験を開催しました。
本来なら、木工所で実施したかったのですが、
10組20名ほどの人数で入りきらない、ということで、
おとなりの小学校図工室を借りての開催となりました。
さて、何を作ってもらうか散々悩んだ結果、
昨年度、遊子川小のクラブ活動で作った宝箱を作ってもらうことにしました。
言ってしまえば新たなる妙案が思い浮かばなかったわけですが、
こういう時に過去の実績が役に立つわけで。
前回は1回45分を6回、と十分な時間をかけることができたのですが、
今回は親のサポートがあるとはいえ、3時間程度の1回で完成させなければならず、
あらかじめ各パーツを準備しておくなどして極力作業を簡略化し、
さらには見た目をもう少し良くするなどしてブラッシュアップを行いました。
さらに前回は近所の建具屋さんが助っ人で来てくれたのですが、
今回は都合が悪くて来てもらえず、自分一人でやらねばならず。
まだまだイベントごとには不慣れで、毎回ドキドキしながら取り組んでます。
部品加工を請け負ってくれた建具屋さんがサービスで作ってくれました。
これも去年の実績のおかげ。
そして田舎の人特有の気さくさのおかげ。
感謝。
パーツをあらかじめ準備し、ボックスで仕分け。
釘やノコギリは使わず、使用するのはボンドとヤスリのみ。
紙工作感覚で手軽に木工を楽しんでもらいたい。
簡単なマニュアルも用意して。
いざ、制作開始!
やはり機械が物珍しいらしい。
そんなこんなでいろいろドキドキしながらの開催でしたが、
フタを開けてみれば、あっという間に時間は過ぎ、
参加者のみんなも楽しみながら、宝箱を完成させてくれました。
親子の絆は深まったでしょうか。
さて次週は松山、ひめぎんホールでの木工教室です!
はじめての都会部での木工教室開催、やっぱりドキドキです!
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