瀬戸内国際芸術祭2019がはじまりました。
...といってもこの記事を書いてる時点で春会期が終わろうとしてますが^^;
昨年暮れに仕事を辞め、職業訓練に通いながら仕事を探している状況から、
今年は行くかどうか迷っていたのですが、
漠然とはいえ、一応人生の目標でもあるのでやはり行くことにして、
春会期がはじまる前に通年パスポートを購入。
会期前だと1,000円引きの3,800円で買えるし、複数スポット見るなら
これが一番安上がりだしね。
回を重ねるごとに規模が拡大し、今年は国内外からさらに多数の来場者が来ることが見込まれる上に、
今年は平日は職業訓練で休めないため週末にしか行くことができず。
さらに前回まではパスポート割引があった地中美術館や豊島美術館も今年はなし。
というわけで今回は混雑が予想されるメインの直島・豊島は避け、
今まで行ったことのないマイナースポットにターゲットを絞ることに。
まずは瀬戸大橋四国川の袂にある沙弥島会場へ。
かつては周囲を海に囲まれた島も1967年に埋め立てられて地続きに。
沙弥島会場は毎回春会期のみの開催で、これまで春会期に訪れたことがなく、
今回ようやく訪れることができました。
Facebookグループでの投稿で知り、行ってきました。
アートの島「豊島」といえば豊島美術館のある香川のものが有名ですが、
愛媛にも「豊島」があるんです。
香川の豊島が「てしま」と読むのに対し、愛媛の豊島は「とよしま」と読みます。
愛媛の豊島は現在は無人島となっています。
そこにゲルハルト・リヒターの美術館があります。
香川の豊島に比べるとちょっと寂しいですが、
無人島にある美術館ってなかなか雰囲気あっていいものです。
美術館と言っても、建物の中には190センチ×180センチの透明なガラス板が14枚、
約8メートルにわたって並べられているだけ。
14枚のガラスは一見平行に並んでいるように見えますが、
少しずつ角度を変えてハの字状に並んでいます。
リヒターによるガラスの立体作品としては、最後にして最大のものだそうです。
陸側からは先が見通せるけれど、海側から見ると先が見通せないという
マジックミラーのような不思議な空間。
リヒターはどのような想いでここにこの空間を創ったのでしょうか。
開館40周年 まるごと ひろしま美術館展2018。
西洋画編に続いて今回は日本画編です。
日本画もなかなか充実していました。
個人的にはどちらかといえば日本画よりは西洋画が好きなのですが、
ここの日本画コレクションはなかなか自分の好みの作品が多くて良かったです。
特に裸婦像。
なんていうか西洋画のような直接的なアピールではなく、
遠回しに隠喩的に色気を伝えようとする奥ゆかしさ、というか、
そういう雰囲気が日本人の自分の性にも合ってるというか。
改めて日本画の良さに目覚めた気にさせてくれる、良い展示だったと思います。
広島滞在最終日。
小雨の降りしきるなか、ひろしま美術館に行ってきました。
初訪問。
平和記念公園の北側と広島城の南側に挟まれたひろしま美術館は、
広島銀行が創業100周年を記念して1978年11月3日に開館しました。
設計は与謝野久/日建設計。
訪れた日は開館40周年を記念して、
本館が所蔵するる全館コレクション展示の初日でした。
開館時間に合わせて美術館に向かったのですが、
3,4台しか置けない美術館駐車場はすでに満杯、
やむなく隣の市民病院の有料駐車場に停めて、いざ中へ。
順路に従って作品鑑賞をしていたら、
中央ホールに人がわさわさ集まりはじめていたので、
何事だろうと見ていたら、
気品あるご婦人が話し始め、よくよく聞いていたら、
芸術作家・原田マハさんでした。
その日の夕方から講演会があったみたいですが、
事前申込制だったらしく、聞きに行けず。
それにしても一介の地方銀行にしては豪華すぎる所蔵品の数々にびっくり。
しかも全作品撮影OKだなんて。
見直したぞ、広島銀行。
夏休み三日目は福井県へ。
福井城跡そばのホテル、その名も「フクイキャッスル」を朝出発し、
勝山市にある福井県立恐竜博物館へ。
福井といえば恐竜。
特に熱心な恐竜ファンというわけではなく、
黒川紀章が設計したその空間を見たくて訪れたわけですが...
時期が悪かった。
8月13日、そう、お盆初日。
田舎だからそんな人来ないだろ...というのは甘かった。
こんな田舎にこんな巨大なジュラシックパークがあるなんて。
そこは黒川紀章建築の中でもピカイチの空間でした。
神戸で兵庫県立美術館、メリケンパークを訪れた後、一路大阪へ。
お目当ては国立国際美術館で開催中のプーシキン美術館展。
プーシキン美術館はロシアの首都モスクワにあるヨーロッパ最大の美術館であり、
収蔵品数は約10万点でエルミタージュ美術館に次いで世界二位。
本展はその膨大なコレクションの中から、フランス風景画に焦点をあてたものになります。
金曜・土曜の午後5時〜9時のナイトタイムで会場内での写真撮影が可能、
ということで夕方5時に現地に到着して夜の美術館を堪能してきました。
訪問日:2018年5月26日(土)
猪熊弦一郎現代美術館で開催されていた公募展が縁で知り合った作家さんから
個展のDMをもらったので善通寺市の灸まん美術館へ見に行ってきました。
久々の香川ということで、せっかくなのでいくつか回りたいなあ、と
高松の香川県立ミュージアムで開催中のイサム・ノグチ展と、
丸亀の2つの美術館(丸亀平井美術館/丸亀美術館)もあわせて回ることに。
正直なところ、現在絶賛スランプ中。
何かを作ろうという意欲がまったく湧いてこない。
このスランプを抜けるためにも、刺激を与え続けねば。
訪問日:2018年4月17日(火)
おおよそ2ヶ月前の話。
出張で久々に上京しました。
最終日は移動のみで飛行機の時間が夕方だったので、
その待ち時間を利用して、久々のアート巡り。
...といっても2スポットのみだけど。
まずは東京ステーションギャラリーで開催中だった建築家・隈研吾の展示。
9年前に開催されたTOTOギャラリー「間」での展示以来二度目。
9年前でもすでにかなり有名だったとは思うのだけれど、
個展の範疇を超えない小規模だったのに対し、
今回は一流のアーティストとして見応えあるボリュームで楽しむことができました。
建築に何が出来るのか、そもそも建築とは何なのかー私は建築の本質とは、人工と自然、個人と社会、現在と過去といった、人間社会にまつわる多様な事象のあいだの関係づくりと考えています。その意味で、人々共に木を植えて街に緑を取り戻す活動もまた、私にとっては建築です。既にある風景、社会制度の中に入り込んでいって、予定調和から外れた試みをしようとすれば、当然、摩擦や衝突が起こります。建築の原点たる住まいの問題、空間の光と影といった美学状の問題、あるいは都市空間、場所の風土の問題。つくる度にさまざまなテーマに直面し、それらに建築で応えるべく、悪戦苦闘してきました。その全てが挑戦でした。
半年ぶりの東京2日目。
朝一で六本木の国立新美術館へ。
建築家・安藤忠雄の半世紀に渡る建築活動を紹介する展覧会。
ギャラリー「間」、21_21、ANDO MUSEUMなど、
過去何度か安藤さんの展示は見に行ってますが、
これほど大規模なのははじめて。
270点もの資料や模型で89のプロジェクトを紹介する過去最大規模のもの。
この展示を見るだけでもよくまあ、これだけやってきたもんだと感服するのですが、
一方で安藤さんの「連戦連敗」という本では、
実現しなかったプロジェクトも山ほどあったというのだから、
展示ボリュームをはるかに超えるエネルギーを安藤さんは建築に注ぎ込んできた。
そう考えると、さらにその感服度合いが大きくなります。
それでも東京という日本でもっとも大きな街で、
日本で最も有名な建築家は自分の回顧展を自分の設計した美術館で開催できなかった。
そこに日本の建築界の窮屈さを垣間見たような気がします。
その意味においても、晩年に差し掛かって身体がボロボロになってなお、
夢を抱き続ける安藤さんの挑戦はまだまだ続くのでしょう。
「目標があるうちは青春だ」
自分もそういう人生をおくりたいと思う。
半年ぶりの東京。
一番の目的は東京国立近代美術館での企画展「日本の家」展だったのですが、
雨天の割には混雑しているものの、自分的にはいささか期待はずれでがっかり。
一発目からハズレか?...と思いつつ続いてコレクション展へ。
...これがめっちゃ良かった。
企画展での物足りなさを補って余りある一発逆転なのでした。
※本展はすでに終了しています。
島根県立美術館に行ってきました。
北九州市立美術館と福岡市美術館の所蔵品を展示する「夢の美術館」展が開催中でしたが、
一番の目的は菊竹清訓さんが晩年に設計した空間を見ることでした。
宍道湖畔に建つその建物は湖畔側、道路側ともに緩やかな弧を描いており、
水面と大地をつなぐ「なぎさ」をイメージしたものだそうです。
一歩その建物の中に入ると、天井にそのなぎさ仰ぎ見ることで、
あたかも水の中を優雅に闊歩しているような錯覚に見舞われる。
島根県立美術館は島根県立博物館の財産を継承する形で1999年に開館しました。
島根県立博物館(現・島根県公文書センター)も1959年にやはり菊竹さんが手がけました。
ほかにも島根県立図書館、島根県立武道館、田部美術館など、
松江には菊竹さん設計の建物がけっこうあるようです。
島根県立美術館では水を主題とした作品の収集に力を入れており、
開館20年に満たない若い美術館ながら日本近世絵画から19世紀フランス絵画や現代彫刻まで
4400点を越える規模にまでに成長しています。
福岡の2つの美術館所蔵品を展示する今回の企画展は予想以上に豪華な顔ぶれでしたが、
島根県立美術館のコレクションもこれに負けない豪華な顔ぶれでした。
しかもコレクション展に関しては撮影OKというオープンスタンスも嬉しい。
菊竹さんの作った素晴らしい空間にふさわしい展示内容で、
企画展と所蔵品展とを合わせてまさに「夢の美術館」でした。
2016年の瀬戸内国際芸術祭最終日、
粟島での消化不良感を解消すべく丸亀のMIMOCAを訪れた。
そこの企画展も好みに合うものではなく、更に消化不良感が増しそうだったのだが、
2階の造形スタジオで開催されていた公募展「みんなで選ぶミモカアート賞」。
これに救われた。
応募対象を丸亀市在住・在勤在学者に限っていながら、
とても魅力的な作品が並んでいた。
自分が好きな作品3点を選んで投票するのだけど、
平面作品が多い中、数少ない立体作品の中に一際輝くガラスのヒマワリに惹きつけられた。
それが東條裕志さんの作品で、彼の作品が見事1位に輝き、
凱旋展示を同じ造形スタジオで開催してる、ということで見に行ってきました。
しかし丸亀日帰りは遠かった〜
帰りはトラブル発生するし。
まあ、それを差し引いても実りある1日でした。
水戸芸術館で開催中の藤森照信展に行ってきました。
2008年の松井龍哉展以来、じつに9年ぶりの水戸芸術館。
磯崎新が手がけたその空間は、相変わらずの存在感でした。
そして本展もそんな存在感溢れる空間に見合う、濃い建築の展示でした。
藤森さんの展示ですが2007年のオペラシティアートギャラリーでの展示以来、
10年ぶり二度目の鑑賞となります。
実際の建築も、ワイルドなその風貌はスマートな都会の街並みに合わないせいか、
地方に多いため、なかなか訪れることが叶わず。
昨年、ようやく神勝寺の中の「松堂」に訪れることができたくらい。
藤森さんの建築は、現在主流になっているモダニズムの延長にあるスマートな弥生式の建築とは
対極にある縄文式建築です。
できるだけ直線から離れ、幾何学から離れ、無機質から離れるオーガニックなものです。
ただ、それはモダニズムを知らないとか、嫌いだとか、批判するといったヘイト要素から
出発するものではなく、元は建築史家という立ち位置から過去の様式を研究し尽くした上で、
現在の延長線上の未来の建築がより良い姿であるように模索したものだと思うのです。
瀬戸内国際芸術祭2016の最終日は日曜日。
混雑が予想される東の島々を避けて西の島々の一つ、粟島に行くことに。
まず高松で栗林公園を鑑賞し、その後三豊市の須田港へ。
高松から須田港まではおよそ1時間半。
須田港12:35発のフェリーに乗りたかったので、
1時間前に到着するよう10:00に栗林公園を出発。
小さな須田港には駐車場はなく、
少しな離れたところに臨時駐車場があって、無料シャトルバスで送迎してくれます。
前回の本島訪問で西の島々もなかなか良いじゃないか、ということで
高見島、伊吹島、粟島の中から悩んだ末に粟島に行くことにしたのですが...
瀬戸内国際芸術祭2016秋会期・小豆島後編。
[前編はこちら]
三都半島の北部から醤の郷を周りました。
電動自転車で三都半島を往復縦断してふるさと村まで戻って自転車を返却、
ふるさと村で軽く昼食をとり、しばし休憩。
この時点で結構グロッキー状態だったのですが、
気力を振り絞ってバスで醤の郷エリアへ。
安田でバスを降りて醤の郷エリアを見て回り、
続いて坂手港エリア、映画村のある田浦半島も巡るつもりでいたのですが、
これが甘かった;;
瀬戸内国際芸術祭2016訪問3回目。
会期最終日前日と最終日かつ週末ということもあり、
かなり混雑するだろうと思い、できるだけメジャーどころを避けてマイナーどころを回ることに。
1日目は小豆島の三都(みと)半島エリアと醤(ひしお)の郷エリアを、
2日目は午前中は栗林公園、午後は粟島を周ることにしました。
本記事では三都半島の前半部(半島南部)をレポートします。
いつものごとく前日真夜中下道を運転して高松へ。
6:50高松発の池田港行きフェリーで小豆島へ。
7:50池田港着、電動自転車をレンタルすべく8:05のバスで小豆島ふるさと村まで移動、
8:14ふるさと村着、営業は8:30からなんだけど、少し早めに開けてくれて、
8:30ジャストに自転車での移動スタート。
電動自転車での移動ははじめてだったのですが、
三都半島はけっこうアップダウンがあって思ったほど楽じゃなかったなあ。
半島を一周して再びふるさと村に戻ってくる頃にはかなりグロッキーでした;;
展示開始の9:30まで時間をつぶすために、まずは最南端まで一気に移動し、
そこから北上する形で巡っていきました。
瀬戸内国際芸術祭2016秋会期その1。
一日目の豊島に続いて二日目は本島へ。
高松のホテルを朝6時にチェックアウト、本島への船が出る丸亀港へ移動。
四国から東の七島(直島・豊島・小豆島・男木島・女木島・犬島・大島)へは高松がベースになりますが、
西の五島(沙弥島・本島・粟島・高見島・伊吹島)はそれぞれの島によってベースの港が異なります。
本島へは丸亀港からのフェリーになります。
これまで東の島々しか行ったことがなかったので、高松港以外の港を利用するのはこれがはじめて。
出航のおよそ一時間前に丸亀港に到着、瀬戸芸用の無料駐車場に車を停めてフェリーを待つ。
到着直後の丸亀港の様子を見ていると、
高松がベースの東の島々に比べれば、西側はやはりちょっとマイナーなのかな、と思っていたのですが、
出航間際になってくるとあれよあれよと島へ向かう人で溢れてきて、
フェリーも豊島に向かう船と比べても大きくて立派なもの。
豊島は平日、本島は土曜日に訪れたという事実があるにしても、
東の島々と同じくらい訪問客で賑わっていました。
あなどれず、西の島々。
瀬戸内国際芸術祭2016の秋会期がはじまりました。
夏会期に続いて二度目の訪問。
1回目は小豆島と直島を訪れましたが、
今回は豊島と本島を訪れました。
まず1日目は豊島。
前回の芸術祭に続いて二度目の訪問です。
今回の目的は唐櫃浜や甲生など前回訪れることができなかったエリアと、
今回新たに加わった新作品の鑑賞です。
朝一番の舟で島に渡り丸一日かけて歩き回りました。
瀬戸内国際芸術祭2016直島編。
メインの二つの建築だけでなく、他にもいろいろ回りました。
前回(その1/その2)と被る部分もありますが、
比較して微妙な違いなどを楽しんでいただければ幸いです^^
直島へ行くには、だいたいまず宮浦港へ行きます。
本村港ヘ行く便もありますが、便数が少ない上に運賃も高いです。
島内は大きく宮浦エリア、本村エリア、美術館エリアの3つに分かれており、
各エリア間はバスで移動します。
運賃は100円均一なのでお手軽に利用できます。
(区間によっては無料なところもあります)
社内は結構混むのであらかじめ100円玉のご用意を。
瀬戸内国際芸術祭2016夏会期・2日目は直島。
といっても、今回の直島訪問は瀬戸芸メインではなく、
直島に新しくできた二つの建築作品(うち1つは瀬戸芸の作品でもありますが)。
一つは宮浦地区に新しく建て替えられた直島キリスト教会(以降「直島教会」と表記)。
タマビの教授と学生がチームとなって設計に参加したとか。
もう一つは本村地区の直島町役場の裏側にできた直島ホール。
設計者の三分一博志氏は正直初耳な建築だけれど、
特徴的な外観に惹かれてぜひとも訪れたいと思ってました。
まずは始発のフェリー(高松港8:12→宮浦港9:02)で直島へ。
フェリーターミナルから徒歩10分ほどで直島教会へ。