東條裕志作品展 ガラスに刻む生命【丸亀市猪熊弦一郎現代美術館】

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2016年の瀬戸内国際芸術祭最終日、
粟島での消化不良感を解消すべく丸亀のMIMOCAを訪れた
そこの企画展も好みに合うものではなく、更に消化不良感が増しそうだったのだが、
2階の造形スタジオで開催されていた公募展「みんなで選ぶミモカアート賞」。
これに救われた。

応募対象を丸亀市在住・在勤在学者に限っていながら、
とても魅力的な作品が並んでいた。
自分が好きな作品3点を選んで投票するのだけど、
平面作品が多い中、数少ない立体作品の中に一際輝くガラスのヒマワリに惹きつけられた。
それが東條裕志さんの作品で、彼の作品が見事1位に輝き、
凱旋展示を同じ造形スタジオで開催してる、ということで見に行ってきました。


しかし丸亀日帰りは遠かった〜
帰りはトラブル発生するし。

まあ、それを差し引いても実りある1日でした。


会場の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館。

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建築家・谷口吉生の秩序と画家・猪熊弦一郎の混沌がほどよく融合して生まれる不思議な心地よさ。

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東條さんはとても気さくな方で、作品の魅力についていろいろ語ってくれました。

東條さんの作品は、
圧縮した空気によって硬質の砂をガラスの表面に吹き付けて削る、
というガラス彫刻技法(サンドブラスト)によって作られています。
その独特の質感が美しい意匠にさらなる輝きを与えています。
会場の一角には触ることのできる作品もあって、
見た目以上に独特の質感を感じることができた。
ただ見るだけではなく、触って楽しむこともできる。

惜しむらくは照明が不十分で少々会場が暗かったこと。
細密に加工されたガラスの中を通る光は、
複雑に屈折して予想だにしない煌めきと影を生みだし、さらに作品が輝くことでしょう。


作品撮影もOK、SNSやブログ公開もOK!
...とのことでたくさん撮らせていただきました。


一番の目玉はやはり公募展にも出展されていた一連のひまわりシリーズでしょうか。

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カエル。

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カエルの照明。

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照明はこの一点だけだったのですが、やはりこの作品に光が当たるととても栄える。


昆虫シリーズ。

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そのほかの動物たち。

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会場にはすでに顧客の手に渡ったものも含めておよそ100点もの作品が展示されていました。
ここでしか見られない作品も多数あり、地元開催ならではの強みが嬉しい。
残念ながら本展はすでに終了しましたが、8月には東京の銀座で展示されるそうです。


ガラス彫刻は木工とは違って日常的に触れる機会も少なく、
気軽にはじめられる類のものではないので、
専門の工房に弟子入りして師匠に師事しながら長年研鑽を積んで来られたのかと思いきや、
最初は基本技術の講習を8日程度受けただけで、後は独学で試行錯誤を繰り返してきたとのこと。

自分も誰かに師事してひたすらシゴキに耐え抜く、というのは性に合わないので、
すごく勇気づけられました。


人間一人じゃ生きられない、っていうけれど。
一人じゃなきゃ到達できない境地もあるんじゃないか。

そんな思いを抱きながら、今日も亀の歩みで前に進んでいきます。