宇和島市の三浦半島に「遊子」という地域があります。
段畑による地域づくりで有名な場所ですが、
遊子川と同じ「遊子」つながりで、遊子川と同じように地域づくりに熱心、
という点で自分的には勝手に親近感を持っているわけですが、
この二つの地域間同士のつながりはありません。
遊子へは過去二度訪れました。
いずれもプライベートで、最初は正月休みの閑散とした時期に、
二度目は夏の夜のライトアップ時期に訪れました。
そして三度目。
ようやく遊子と遊子川がつながりました。
ユスモクでは現在コースターを商品化して販売中ですが、
そのコースターを遊子漁協さんにお買い上げいただきました。
まだほんの小さなつながりではあるけれど。
それは大いなる一歩...だと信じたい。
新年度に入って、ユスモクも新しいフェイズに入ろうとしています。
本年度も補助金が得られたこともあって、大幅な施設整備が続きますが、
とりあえず活動を推進していくための環境は整いました。
次はこの環境を活かして、地域に木工文化を根付かせてゆきたいところです。
地域の内外に呼びかけ、活動に賛同してくれる仲間を募集します。
その仲間たちで木工所を中心に木工活動を継続的に実施します。
愛媛県内、とくに南予を中心に木工もしくはモノづくりに精力的に活動されている方を
講師として招き、木工活動の指導にあたってもらうことを考えています。
この仲間づくりや木工活動については詳細が固まってきたらあらためて報告したいと思いますが、
現在はその活動に向けて講師になってくれそうな方を訪ねて回っているところです。
その関係で訪れた宇和島市津島町の御槇地区。
御槇といえば山本牧場の芝桜が有名らしく(自分も最近知ったのだけど)、
そこに連れていってもらうのかと思いきや、
連れていってもらったのは福田百貨店、という田舎の百貨店。
百貨店というと都会のデパートを想像するものですが、
男の僕からしてみれば、得てしてこういう場所は退屈なものです。
でも、この田舎の百貨店は面白い。
ワクワクする。
モノを売り買いするだけの場所ではなく、コミュニティスペースとしての魅力がある。
本当の百貨店とは、百貨店が向かうべき方向とは、
こういう空間ではないだろうか。
全国削ろう会の後、宇和島でレストランをしている愛大の勉強仲間を訪ねようと、
宇和島市総合体育館を後にして津島へ南下。
目的地に気づかず南楽園方面まで行き過ぎる。
どうせだから、と見学していくことに。
入園料300円。
けっこう広い。
しかし日曜日なのにオフシーズンなのか、ほとんど人らしい人も居ず。
公園としてはなかなか良い空間だと思うのですが、
日本庭園としては、はたしていかばかりか。
日本庭園とするなら、
もう一回り小さくして、庭園を細かく作りこんだほうが良い気がします。
無駄に間延びしている感じが日本庭園としての緊張感というか、
「張り」みたいなものを無くしてしまっているような...
やっぱりスケール感覚って大事な気がします。
宇和島で大工さんによるカンナ削りの全国大会があるというので見に行ってきました。
宇和島市総合体育館。
きさいや広場の隣にあったんですね。
久々の宇和島です。
現在ユスモクで木工製作活動をしておりますが、
僕自身は大工職人の経験があるわけではありません。
美大でちょこっと木工で作品を作ったくらいで、
見よう見まねで苦労してやっているわけですが、
いかに自分が木工製作に必要な知識と技術を欠いているかを痛感させられます。
こう言うと、
「じゃあ作れる人=大工さんに頼めばいいじゃないか」
と、言われるわけですが、それはちょっと違うわけです。
デザイナーはデザインだけ考えれば良いのではなく、
職人は言われたものをただ黙って作ればいいものでもないと思うのです。
20世紀のマスプロダクトは細かく仕事を分業してきました。
それは格段に生産性を向上させたけど、その一方で、
「考えて作る」というひとつの行為を、
「考えて」「作る」という二つの行為に分けてしまったことで
「作る喜び」というモノづくりの原動力とでもいうべきものを失ってしまった。
...そんな気がしてなりません。
僕は、考えて作りたい。
宇和島は遊子の段畑でライトアップをしている、
というので見に行ってきました。
同じ「遊子」の文字を冠しているけれど、
遊子川は西予市の山の奥、遊子は宇和島市の海の端で、
縁もゆかりもないわけですが、
どちらも過疎地で、遊子はすでに地域活性化に取り組んで
ある程度成果を出しており、知名度も上がってきているとなれば、
それはやはり気になるところ。
...気にしてるのは僕だけかもしれないけど^^;
遊子川でも地域内をライトアップによる景観づくりに取り組もうとしてしています。
まだ、どのポイントをライトアップするか詳細は決まっていませんが、
渓谷地形で棚田や段畑も多い遊子川においても、
遊子のライトアップはおおいに参考にしたいところ。
最初は宇和の「卯のほたる」を見に行こうとしていたのですが、
あとから遊子のライトアップを知り、どちらも日曜日が最終日だったのですが、
条件の似ている遊子を優先することにしました。
卯のほたるは来年見に行こう。
宇和島からの研修の帰り。
あまりにも美しいので、車を止めてパシャリ。
車を運転していると、時たまこういう絶景に出くわすけれど、
運転に集中しているあまり、気づかなかったり、気づいても停車するのが面倒で、
「また今度でいいや」とスルーしてしまうことが少なくない。
チャンスというものはだれにでも平等にやってくる。
スピードや効率ばかりを求めていると、そのチャンスを見逃してしまう。
あえて立ち止まり、ゆっくり沈思する。
それもひとつの勇気だと思うのです。
17時に南予地方局での研修が終わって外に出てみると...
まだ明るい。
こんなに寒くても、春は一歩一歩着実に近づいている。
来る途中通りかかって気になってた和霊神社をちょっと散策してみました。
和洋問わず宗教建築を見るのが好きです。
とくに信心深い訳ではないですが、
「信じる」という行為がいかに美しいかを分かりやすくビジュアライズした建築。
そこには間違い無く魅力が詰まっている。
宇和島での学習会。
開始まで時間が少しあったので、寄ってみました。
道の駅「きさいや広場」。
多くの道の駅を見てきましたが、道の終わりにあるところに行くのははじめて。
道の終わりの先には海がありました。
なんか郷愁をそそります。
足湯、真珠や牛鬼の展示、そして広場。
それぞれ良さがあるけれど、ふたみシーサイド公園で感じたのと同じように、
それぞれの魅力がまとまらず、分散しているように感じました。
これらの魅力をかき集め、まとめあげるディレクターが田舎には不足しているのでしょうか。
なんかもったいない気がします。
正月休み最終日のプチ散策のメイン目的。
僕がいる地域は「遊子川」といいます。
こことは別に、「遊子」という地域があるそうで、
さらにそこは段畑で有名な場所、ということで前から行ってみたいと思ってました。
遊子川は西予市、遊子は宇和島市。
遊子川は山の中、遊子は海際にあります。
遊子川からは車で2時間半程度。
緻密に整備された段畑の景観は感動的です。
人間の都合でなされる直線的な造成ではなく、
自然の地形に合わせた曲線的な造成は美しい景観をさらに美しくする。
自然の恵みをいかに上手く活かすか。
それが良い創造というものではないでしょうか。
正月休み最終日。
この日は南へ。
まずは仏木寺で遅まきながら初詣。
初詣がメイン目的ではないのですが、せっかく道中に立派なお寺があるわけですから。
素通りするわけにはいくまい。
今年一年の躍進を祈願してまいりました。
龍光寺の次は、宇和へ戻って明石寺へ...
と戻る道中、「旧庄屋毛利家」の看板が眼に入る。
惣川の土居家の素晴らしい藁葺家屋が記憶に新しく、
ついつい立ち寄ってしまいました。
母屋は土居家ほど立派なものではないけれど、
長屋門や納屋、土蔵など全体としてはなかなか雰囲気あって良かったです。
現代の「箱」社会は劇的な効率化と管理者会を実現したけれど、
その過程で失ったものははかり知れない。
徹底的なムダの省略は、ささやかな小さな喜びまでも省略してしまった。
あるべき未来の家について、今一度古き良き伝統建築から、
学び直さなければならない時期が来ているのではないだろうか。
仏木寺をあとにして、次は龍光寺...
...のまえに道の駅「みま」で一休み。
実際には龍光寺へ向かう道を曲がり損なったらたどり着いたのだけど。
外観が面白くてついいろいろ見て歩いちゃいました。
ただ、中はあまり見てません。
木をふんだんに使った大きな切妻屋根の建物は、
斬新さと同時に、伝統的な雰囲気もあって親しみやすい場所となっています。