遅めの夏休み2012。
沢田マンションを後にして高知市を離れ、さらにR55を東へ。
二番目の目的地、馬路村へ。
馬路村は実は二度目。
地域木材有効活用事業の視察で半年前に訪れましたが、
このときはスケジュールの都合上、下の馬路地区しか見ることができず、
上の魚梁瀬地区を訪れることができませんでした。
魚梁瀬地区へは馬路地区からおよそ30分ほど。
まずはダムの周囲に展開する魚梁瀬の麓にたどり着きます。
かつての魚梁瀬集落はこのダムの底にありました。
麓からさらに30分ほど登ると、杉の巨木が並び立つ「千本山」があります。
今回はこの千本山を見に来ました。
そこは杉の巨木のみが威圧的に立っているところ、と勝手に妄想してました。
しかし実際は巨大な杉は思ったほど主張せず、
森はその巨大さを優しく受け入れ、逆に小さな植物たちが意外に強い主張をしている。
大も小もすべてが心地良く生きている。
良い森とはそういう空間ではないでしょうか。
人間は森から学ぶべきことがたくさんある。
高知県いの町に林業の現場を見学しに行ってきました。
ECPR(えひめ地域政策研究センター)主催の地域づくり人養成講座の全6回のうちの1回で、
僕はこの講座の受講生ではないのですが、僕が木工で地域づくりに取り組んでいることを
知っているECPRの担当者から誘っていただき、参加させてもらいました。
つくづく自分がやりたいことをアピールしておくことの大切さ、
縁を大事にすることの大切さを感じます。
林業の現場といっても、現在の日本の林業の主流ではなく、
これからの林業の新しいカタチを提唱している林業のベンチャー的なNPOの取り組みを
紹介していただきました。
日本の国土の7割が森林であるにもかかわらず、木材の自給率は3割程度。
この事実だけでも日本の林業に元気がなく、正常な状態といえないことが分かりますが、
今回の講座で、いかに日本の林業界がいびつな構造になっているかを知ることができました。
僕自身はモノづくりで身を立てたい、と思っていますが、
自分がつくろうとしているものの原材料がどのようにしてできあがっているかを知ることは、
より良いものを創るために欠かせないことだと思うのです。
そしてその追求をするために自分は田舎に来た。
良い木工品を創るには良い木が必要で、
良い木を得るには、良い森づくりが必要である。
森づくりを意識し、実践することが、良い木工製品を作るための出発点のような気がします。
馬路村の視察からの帰り道。
高知から遊子川へ向かうには須崎からR197で北上していくのですが、
その途中、葉山町に評判のラーメン屋さんがある、ということで行ってきました。
けっこうな評判らしく、休日はかなりの行列ができるそうですが、
平日ということで空いてました。
ラーメンは評判に違わず美味かったのですが、
それにも増して興味を引いたのが、その建物。
外観はシンメトリーな切妻屋根。
が、その中央にはまた小さな方丈が乗っかっています。
方丈は四方が採光窓となっており、室内に明るい光を取り込んでいます。
そしてその内部もユニーク。
視察その1/その2
視察一日目は快晴でまさに視察日和だったのですが。
二日目はあいにくの雨。
しかしこの雨が魚梁瀬の巨大な杉を育む。
本日メインの視察は馬路村農協「ゆずの森加工場」。
まあスゴイ。
いかにこの地域が柚子で持っているかが伺えます。
この農協で扱っているのは柚子とトウガラシだけだそうです。
それだけで年間億単位もの売上を上げるってやっぱりスゴイ。
そして、ここまで先進的な農協をかつて見たことがない。
そして、ここにもふんだんに魚梁瀬杉が使われている。
基本的に木工先進地の視察がメイン目的ではありますが、
地域づくりを学ぶ、という点において馬路村での柚子加工は外せない、
と思い見学を申し込んだのですが、やはり訪れて良かったです。
地域づくりはリソースが豊富であればあるほど、効果があるわけではない。
地域の魅力をどれだけ引き出せるか、なければどれだけ作り出せるか。
そしてどれだけ地域の「核」をイメージとしてまとめられるか。
そこに尽きるように感じます。
[木のガードレール]
視察その1/その3
馬路村視察レポートその2。
今回は、宿泊した馬路温泉と、地域づくりについてお話を聞きに行った役場をご紹介。
馬路村は木と柚子の他にも観光にも力を入れているそうですが、
それは独自の観光資源を開拓する、というよりは、
すでにある木と柚子の良さをアピールする、という意味合いで活用しているように見えます。
すでにあるものの中から「良さ」を見出し、きちんとアピールする。
それだけで自然と交流が生まれ、来るべき人が訪れるようになる。
そしてそれらの人々を迎え入れる環境を整える。
それが観光のあるべき姿なのでしょうか。
木と柚子と観光。
これら三つが別々ではなく、本当に一つにまとまっている。
一つにまとまって、「馬路村」という良いブランドイメージを作り上げている。
それは取りも直さず地域が一つにまとまっている、ということにほかならない。
まさに理想の地域づくりがここにある。
とはいっても、地域内に温泉があるのはやはり羨ましい。
遊子川にも湧き出ないかな。
辰ノ口には湧いてる、って噂は聴くのだけど。
視察その2/その3
「地域木材有効活用事業」の取り組みの一環で、高知県馬路村を訪れました。
最初は大分県由布院を訪れる予定だったのですが、
諸事情により年度が終わる3月中に行くことができなくなって、
他の候補地を探していたところ、馬路村を紹介してもらいました。
名前はなんとなく聞いたことはあるけれど、どんなところなのか、
木工でどのように地域づくりをしているのか、予備知識がほとんどありませんでした。
東京のTDWでmonaccaをちょっと見たことがある程度。
本事業は個人ではなく、地域活性化組織「遊子川もりあげ隊」を中心に、
地域ぐるみで取り組むのが基本なので、僕を含めたもりあげ隊のメンバー4人で行ってきました。
僕と、公民館主事さんの行政スタッフと、民間の林業及び農業で働く人が一人ずつ。
この民間からの参加が大きな成果といえます。
地域ぐるみでの取り組みとはいっても、まだまだ行政主導の部分が大きい。
最初のとっかかりはそれでよくても、将来的には地域主導になるのが、
地域づくりの本来の姿であり、地域が成長する、ということだと思う。
今回の主な視察先は、「エコアス馬路村」「馬路村役場」「馬路村農協」の3つ。
まずはメインの目的である「木工による地域づくり」を学ぶべく、エコアス馬路村へ。
地域の95%は森林で、かつては林業で栄え、林業で発展してきた。
そして安い外材の投入で林業は衰退し、それに替わる産業が求められた。
そこでゆずの加工に着目した。
主要国道から地域までは川に沿って細い曲がりくねった県道を登ってゆき、
地域は馬路と魚梁瀬の二地区で構成され、中央の安田川を幹にした渓谷地形。
...ここは実に遊子川によく似ている。
だからこそ、参考になる。
だからこそ、希望が持てる。
♪ 知らず知らず歩いてきた 細く長いこの道
振り返れば遥か遠く 故郷が見える
でこぼこ道や 曲がりくねった道
地図さえない それもまた人生
ああ川の流れのように ゆるやかにいくつも時代は過ぎて
ああ川の流れのように とめどなく空が黄昏に染まるだけ ♪
(美空ひばり『川の流れのように』)
今年のできごと、今年のうちに。
今年の反省は終えましたが、記事はまだまだ続きます。
この記事含めて4つ。
今年中にアップできるか。
大晦日のうららかな午後。
シコシコとブログをアップしております。
たまった代休を二日あて、早めに大掃除を済ませ、
年末はプチ旅行へ。
旅行なんて、会社員時代にはまったくと言っていいほど興味がなかった。
会社を退職して、大学に行くようになってから、
良いものを見るために、とあちこち散策するようになったのが、
僕の旅のはじまりだった。
あれだけカネを持っていた時代にはどこへも出かけず、
食うにも困る状況になって、シコシコとあちこちへ出かけるようになった。
...人生とは、なんとも皮肉なもんだ。
でも、旅をしている今が一番楽しい。
旅が人を育てる。
旅をして、人は本当に帰るべき場所を見つける。
風の里公園へ行ってきました。
風車が二十基もある風力発電所なのですが、
発電所自体が公園になっている不思議な場所。
通常、発電所といえば発電機周辺は危険のため、
厳重に包囲して関係者以外は立ち入れないようにしているものだけど、
ここは公園にして公開しているわけで。
そこに自然エネルギー発電の未来性があるような気がします。
自然エネルギー発電とは、単に自然エネルギーを使って発電するだけでなく、
自然が持っているエネルギーをできるだけ自然に活用する、ということではないでしょうか。
何事も、隠蔽状態は健全な状態とはいえない。
オープンソースがこれからの人間社会のあり方ではないだろうか。
[梼原橋]
こちらに来て、はじめての夏休み。
これからしばらく怒涛の休暇報告が続きます。
まあ、遊子川周辺を知る、という意味では半分仕事ですが、
これほど楽しい仕事もない。^^
広島の実家に帰ろうか、と思ってたのだけど、
いざ実家に連絡してみると、東京に遊びに行ってるから帰ってくんな、
...というつれない返事。
最初は広島への帰省ついでに香川の直島あたりでも行こうかな、
と思ってたのだけど、急遽予定を変更して高知に行くことにしました。
梼原町→風の里公園→高知駅→牧野植物園→モネの庭→桂浜
一泊二日の日程で高知を満喫してきました。
まずは梼原町。
...じつは遊子川のとなり町です。
先日、ニュース番組で取り上げられているのを見て急遽興味がそそられました。
こんな目の前に先進的な町があったなんて。
求めるものは意外と近くにあるもんだ。
遊子川の駐在さんが、高知は土佐久礼というところまでカツオを食べに連れて行ってくれました。
公民館の主事さん家族も一緒に行って、ご馳走していただきました。
右も左も分からない状況で、何かと声をかけてもらえるだけでなく、
いろいろといただきものをしたり、と早くも田舎の温かみを肌で感じている今日この頃。
そのお返しに何もできない自分がもどかしい。
自分に何ができるだろうか、と自問する日々。
遊子川から太平洋を臨む土佐久礼までは車でおよそ1時間半。
土佐へも意外と近いぜよ。
土佐久礼の大正町市場というところが新鮮な海鮮市場となっていて、
その中の食堂でランチしました。
正直カツオは買ってまで食べることはしないのだけど、
新鮮な魚はやはり格別にウマイ。
今回初めてウツボの刺身やから揚げにも挑戦しました。
あのグロテスクな外見からは想像もできないほどあっさりして美味でした。
いやあ、山間部に来て、新鮮な海の幸が堪能できるとは思いませんでした。
満足、満足。