「GA Gallery」と一致するもの

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年始の小旅行。
ぐりんぐりんを後にして、最終目的である筑後市の九州芸文館へ。

博多まではバス移動、博多から筑後船小屋駅まで電車移動。
目指す九州芸文館はこの駅のまん前にあります。
というよりこの駅の前にはこの施設以外見当たらない。
九州新幹線の立派な停車駅ですが、
アイランドシティと同様ここもこれから開発されていく場所なのでしょう。

九州芸文館は「地域とともに歩む芸術文化交流施設」として2013年に開館。
「九州芸文館」は愛称で、正式名称は「筑後広域公園芸術文化交流施設」となっています。
芸術を基軸としたコミュニティスペースといったところか。
芸術は一握りのセンスあるアーティストたちだけのものではなく、
表現の可能性を考えるすべての人たちのものである。
...鶴見俊輔氏の「限界芸術論」の実践の場といったところか。


設計協力・隈研吾。
一見すると建物がどのように成り立っているか分からない、
重力の法則に逆らっているかのような奇妙な外観。
ダニエル・リベスキンドフランク・ゲーリーのような造形観。

実に面白い。
建築は四角い箱だけではない、ということを教えてくれる。


高知県立美術館【日本設計】

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吉村芳生氏の絵を見に香美市まで行った帰り。

せっかくここまで来たのだから、と高知県美に行ってきました。
設計:日本設計。

愛媛県美にすらまだ行ってないのに。
愛媛県美は専用駐車場がないんだもの。
車ががないとどこへも行けない田舎者にはなかなか行きづらい。

その点、高知県美には駐車場がある。
さすがにGWで混んでたけど、なんとか停めることができました。

基本的に内部は回廊形式のシンプルな構成なんだけど、
外部は切り妻屋根のブロックを垂直に組み合わせた複雑な造り。


美術館という場所が好き。
そこは物理的にはなにも生み出しはしないけど、
自分の中にある「感情」を意識させてくれる。
理性が感情をコントロールするんじゃない。
感情が理性を刺激する。

そういう行為が生きて行くためには必要なんだ。


瀬戸大橋記念公園【山本忠司ほか|香川県坂出市】

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金毘羅参りに続いて瀬戸大橋記念公園に行きました。

目的は公園内にある東山魁夷せとうち美術館だったのですが、
行ってみたら美術館以外にもいろいろあって、なかなか面白い空間でした。
瀬戸大橋の開通を記念して1988年に開かれた博覧会の跡地として再整備された場所みたいです。

基本的に海に入るのは嫌いなので、海水浴とは一切しない人間ですが、
海を見るのは大好きです。
青、という色が好き。

奇しくも山間部の地域である遊子川も、その地域カラーはなぜかブルー。
だから性に合ってるのかな。

かつて博覧会で賑わった場所も、今は閑散としている。
まあ正月、という時期もあるのかもしれないけど、
良い空間として長く使われていくことの難しさ、厳しさというものを感じずにはいられない。


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遅い夏休みをようやくとることができました。


まず最初に訪れたのが高知市内にある沢田マンション、通称「沢マン」。
美大を卒業するときに四国に行くなら、と同級生がススメてくれました。

およそ40年以上も前1971年、建築に素人な沢田嘉農・裕江夫婦が、
「独力独学で建てた鉄筋コンクリート造の集合住宅」。
増築に増築を重ねたその建物は常に「成長する建築」。

「沢田マンション物語」も事前に読んでおこうと図書館から借りたのですが、
結局挫折してしまいました。
大学ではあんなに本を読んだのに、愛媛に来てからはさっぱり読書に身が入りません。
まあ、今は読書モードがオフなんだな。

それはともかく、沢マンは思ったとおりのカオスでした。
どちらかというと思考の根底に「秩序」を置く自分としては、
カオスは混乱をもたらすものとして、あまり良い感情を持っていませんが、
ここはそんな思い込みを吹き飛ばす心地良さがありました。

見た目の造形は全く異なるけれど、ガウディに通ずるものがあるような気がします。
ガウディ没後今なお作られ続けるサグラダ・ファミリアのように、
沢田嘉農氏がいなくなってもなお、屋上のクレーンは据えつけられたままで、
建物内も常にどこかしら工事が続けられている。

良い建築は作者がいなくなってもなお、その魂は残り続ける。
ただ存続するだけでなく、まるで生きものがごとく成長し続ける。
建築が目指すべき究極の姿がここにあるような気がします。


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アートが好きだ。
デザインも好きだ。

でも、「アートやデザインで飯を食う」という表現がまだイマイチピンとこない。

上手く言えないけど、「呼吸をする」ことで飯を食う、と言ってるような感覚。
頭のいい人間なら、それで飯を食うこともできるんだろうけど、
少なくとも僕のような凡人には雲をつかむような感覚だ。

アートもデザインもあらゆる人間に欠かせないものだと思う。
意識して有効に活用すべきなんだろうけど、それだけでは個性にはならない。
これらはいわば「機能」であって、機能を行なうだけでは個性の表現にはならない。
その機能をいかに使って創造を行い、それをいかに表現するか。
「アーティスト」「デザイナー」と呼ばれるだけではもはや個性とはならない時代。

人間はいかにしてアート、デザインを扱うべきなんだろうか。


高松に行ってきました。

人生二度目。
遊子川に来てからははじめて。

遊子川からは内子まで出て、高速で3時間ほど。
東京から長野にスキーへ行く、と思えばそれほどの距離ではないけれど、
日帰りとなるとやはり結構な距離。


今回はとある地域のイベント取材がメインの目的。
それはまた別途報告しますが、
せっかくここまで来たので、前から行きたいと思ってた場所へ行くことに。


それがここ、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館。


雲の上ホテル【隈研吾|高知県梼原町】

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負ける建築』を読んで以来、隈研吾氏のファンです。

遊子川のとなり町、梼原町にはその隈建築が四つもあるなんて。
ああ、なんて羨ましい。


梼原町役場とまちの駅、雲の上ホテルと雲の上ギャラリー。
今回はそのうちの二つ、雲の上ホテルと雲の上ギャラリーをご紹介。

R197を梼原の中心地を通過して高知方面へちょっと進むと、
R197沿いに道の駅と並んでこの二つの建築が立っています。

まず雲の上ホテルが1994年に建てられ、
後から雲の上ギャラリーが2010年に増設されました。


後から増設されたギャラリーのほうに、隈建築独特のストライプが見られます。
最初からストライプにこだわってたわけではないんですね。


たゆみなく積み重ねられていくものは美しい。
これぞ、積層の美。


建築という枠組み

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友達に誘われて、「3331 Arts Chiyoda」という
学校を改装したギャラリーに講演を聞きに行ってきました。

京都精華大学の卒業制作展示の一環で行われる連続講演、
「デザイン教育の現場から」の初日に行われたもの。
テーマは「建築という枠組み」、
講師は同大学で教鞭をふるう二人の建築家、永山祐子氏+片木孝治氏。


永山祐子さんは今をときめく新進気鋭の若手建築家、
一方、片木孝治さんは建築設計の次のステップとして、
農山村地域をアートで活性化するプロジェクトをメインに活動されています。
これも一種の「都市計画」なのだろうか。


建築と社会。
今、まさに僕が必死に考えている方向性につながるタイムリーな講演会。
でも、「若手」を簡単に信用せず、ソフト優先指向を嫌う自分の性格では、
たぶん一人で行くことは決してなかっただろう。


誘ってくれた友達に感謝。


高崎市役所【久米設計】

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白井晟一の展示とアントニン・レーモンドの音楽センターを見に
高崎まで来ました。

群馬ってけっこう遠いなあ、と思ってたけど、
渋谷から湘南新宿ラインを使えば一本、2時間で行けちゃう。
いい具合に距離も離れているので学割も使える。

ちょっと早起きをして、
渋谷を7時前発の列車に乗って、高崎に9時前に到着。

午前中は群馬の森群馬県立近代美術館で白井晟一展を観て、
午後2時前にまた高崎駅に戻ってくる。
東口には散策スポットがほとんどなく、西口へ。
駅から真っ直ぐ伸びる大通りが右側に曲がっていくあたりに
目指す高崎市役所はある。


世田谷区民の僕が、別にこの市役所に行政的な用があるわけでもない。
用があるのはこの建物の21階。
そう、この市役所の21階は展望台になっているのです。
そしてこの展望台から市役所の隣にある群馬音楽センターを見たかった。
ただ、それだけ。


しかし、この建物立派だわ。
潤ってんな〜、高崎市。

富山市役所もすごいなと思ったけど、ここも負けず劣らず。


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高崎に来たもう一つの目的。

それはアントニン・レーモンドが設計した群馬音楽センターの見学。
アントニン・レーモンドの建築」を読んで是が非でも見たくなった。
東京では聖アンセルモ教会聖オルバン教会の、
2つのレーモンド建築を訪れていたけど教会以外の建築を訪れるのははじめて。

事前に見学可能か問い合わせてみると、
午前中は全館停電で、15時〜17時で見学可能、とのことなので、
午前中は群馬の森群馬県美白井晟一展を観て、
気分的に盛り上がったところでいざ見学。

...とそのまえに建物に入る前に建物全体を俯瞰するために
音楽センターの前にある高崎市役所へ。
ここの21階に展望階になっていて、絶好の俯瞰ポイントなのだ。

群馬音楽センターはレーモンド建築にしてはとても奇抜な外観をしている。
たとえて言うなら、尾のないサソリもしくはザリガニのような形。


群馬県立近代美術館【磯崎新|群馬県高崎市】

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白井晟一展を観に群馬県立近代美術館まで行ってきました。

高崎市郊外の広大な森のなかにある美しい箱。
最初は群馬音楽センターを設計したアントニン・レーモンドに設計を依頼する予定だったが、
斎藤義重氏の推薦により磯崎新氏が設計することになったそうです。

茨城の水戸芸術館も哲学色の強い素晴らしいものですが、
ここも負けず劣らず素晴らしい空間でした。

事前に許可を取れば内部の撮影可と聞いていたので楽しみにしていたのですが、
けっこうややこしいことになってました。
書類に名前や住所、連絡先を記入の上、注意事項を確認させられた上で、
許可証が渡されますが、企画展は撮影がNG、
常設展は遠景のみOK、実際自由に撮影ができるのは、
1,2階吹き抜けのホール周辺のみ、と制約が多いのが実情です。

西洋美術館や横浜美術館が常設展は自由に撮影OKなのに比べれば、
内部撮影の制約は多いようです。


とはいえ、平日の地方、ということもあって人は少なく、
撮影する環境としては概ね良かったです。

というわけで撮影OKだったエリアを中心に撮りまくりました〜