
高崎に来たもう一つの目的。
それはアントニン・レーモンドが設計した群馬音楽センターの見学。
「アントニン・レーモンドの建築」を読んで是が非でも見たくなった。
東京では聖アンセルモ教会と聖オルバン教会の、
2つのレーモンド建築を訪れていたけど教会以外の建築を訪れるのははじめて。
事前に見学可能か問い合わせてみると、
午前中は全館停電で、15時〜17時で見学可能、とのことなので、
午前中は群馬の森の群馬県美で白井晟一展を観て、
気分的に盛り上がったところでいざ見学。
...とそのまえに建物に入る前に建物全体を俯瞰するために
音楽センターの前にある高崎市役所へ。
ここの21階に展望階になっていて、絶好の俯瞰ポイントなのだ。
群馬音楽センターはレーモンド建築にしてはとても奇抜な外観をしている。
たとえて言うなら、尾のないサソリもしくはザリガニのような形。

内部を見学するにはまず1階の事務所でその旨を伝えると、
書類に名前、連絡先を記入した上で入館証が渡されます。
舞台及び舞台裏以外は自由に見学ができ、写真撮影もOK。
事務所の人以外には掃除の人がいるだけで、ほとんど貸し切り状態。
これも平日訪問の特権だろうか。
ではまず、外観から。
まず群馬シンフォニーホールが目に入り、
音楽センターはまだ見えない。

どうやら練習用のホールらしいです。
左に回り込むと、何やら奇妙な壁面緑化が。

...なんと!音符のマーク!!

さらに左に回り込むと...

波打つ壁!
シンフォニーホールを右に回り込むと...


音楽センターの背面が見えてくる。
この円筒状の建物は何だろ。
機械室かな。
進行方向右手に回り込んで...
サソリの「手」にあたる部分。

どうやら楽屋、会議室らしい。
さらに進んで...客席壁にあたる部分。。

レーモンドお得意の折板状の壁。
そしてようやく見えてくるファサード。


ハープの置物。

ここだけ時が止まったかのよう...
巨大なヴァイオリン。

よく見ると、電話ボックスでした。
オッシャレ〜
高崎城の面影残す城門。

かつてお城があった場所らしい。
さて、いよいよ正面ゲートから中へ。
1階ロビー。

階段。

2階へ。
2階ロビー。

大きなガラスが光をふんだんに取り込む。
客席入口。

客席は傾斜城の1フロア構成で2階席はなく、1階と2階のどちらからも入れる。
1階から入ると客席中央あたりに出ます。
壁面の絵画はレーモンド自身が描いたものらしい。
群馬県美の常設展に下書き作品が展示されてました。
いよいよ客席へ。
中は若干照明が落としてあるものの、
掃除のため必要最小限の明るさがあり、かろうじて撮影できた。




この建物は奇抜な外観をしていますが、
構造的には目黒アンセルモ教会と同じコンクリート折板構造。
ジグザグの波形形状の壁、屋根が特徴的。
このジグザグの線に合わせて照明が埋め込んであり、
構造と意匠が絶妙にマッチングしている。
客席マップ。

再び1階に降りて...
1階事務所の隣にあるレーモンド・ギャラリー。

電気は消えてたけど、鍵は開いてたので、
中に入ってしばらくすると電気が点く。
センサーで点くのか、はたまた事務所の人が点けてくれたのか。
初期案第一案。

歌舞伎が上演できないとして却下。
初期案第二案。

高さ的にNGだったとか。
第三案。

これが最終案として決定、現在に至る。
最後に。建物全体の俯瞰図。

ね?、サソリみたいでしょ。
Wikipediaにあるのとほぼ同じ構図だけど、
ガラスの映り込みをしないように撮るのが大変なんだな...
これだけ奇抜な外形をしていながら内部の構造はいたってシンプル。
実に合理的にデザインされている。
1961年に竣工し、30年後の1990年に外観も内観もほとんど変えることなく、
補修工事が行われたそうです。
群馬県立近代美術館といい、この建物といい、
高崎市民は良いものを大事に長く使う習慣があるみたいですね。
素晴らしい。
ガラスの桟や客席のシート、ロビーのイスなど、
確かに建物の要所要所を見てみると、流れた時の長さを感じさせる。
しかし建物全体として眺めると、隣にある近代的な高崎市役所と比べても
何ら見劣りするところはない。
それどころか、
この建物がこのエリアの洗練された感じを引き立てている感すらある。
良い建築とは、まさにこのような建物のことをいうのではないだろうか。
群馬県美と合わせてこれからも末永く、大事に取り扱われてほしい。
【information】
アクセス:JR高崎駅西口より徒歩約10分
※施設見学は催し物・保守点検がある日等はできない場合があります。
事前に問い合わせ、見学の可否を確認してください。