♪こんぴら船々
追手(おいて)に 帆かけて
シュラシュシュシュ
廻(まわ)れば四国は
讃州那珂(なか)の郡(ごおり)
象頭山こんぴら大権現
一度廻れば♪
(香川民謡『こんぴらふねふね』)
大晦日にスキーに行って、2時間でリフト20本以上乗って今年の厄を滑り飛ばしていたら、
その疲れで元旦、二日は寝正月。
昼夜逆転生活にもなっていて、このまま正月三が日を寝正月にするのはマズイ。
...と思い立ち、2日の夜が更けてそのまま眠らず3日の早朝に出発。
今年はこんぴらさんに初詣に行くことにしました。
とくにこんぴらさんに強い思い入れがあったわけではないですが、
こんぴらさんのオフィシャルサイトを見てたら、
なんと円山応挙の襖絵を展示している、ということで無性に行きたくなって。
例によって貧乏旅行なので高速道路は使わず、のんびり下道で。
R56で松山まで、松山からはR11でひたすら東へ。
真夜中なので、道はガラ空き。
深夜3時半に出て、朝7時にこんぴらさんに到着。
さすがにこの時刻だと参拝者はほとんどいませんでした。
琴平駅前の町営駐車場に車を停めて、参拝開始。
えらく長い階段を登っていく、ということでとりあえず本宮まで行ければいいか、
と思ってたのですが、寝てないにもかかわらずゆっくりあちこち写真をとりながら
登ってたらそんなに苦もなく登れたので、せっかくなので一番奥の奥社まで行ってきました。
それでまた疲れる、という悪循環ですが...^^;
まあ良いことにせよ悪いことにせよ、人間は同じことを繰り返しながら前に進んでゆく。
それがバイオリズムというものであり、「生きる」ということなんだろうね。
[2017年1月追記]
NHK「ブラタモリ」でこんぴらさんが特集されていました。
こんぴらさんは香川県琴平町の象頭山中腹に鎮座する神社です。
象頭山はメサ(テーブル)と呼ばれる柔らかい地質の上に硬い別の地質が水平に乗った地形で、
こんぴらさんの本宮はこの柔らかい地質と硬い地質の境目に位置しています。
海上からもよく見渡せることから古来より海上交通の守り神として信仰されてきました。
参拝路を下から順を追っていきます。
JR琴平駅。
琴電琴平駅。
現在はJRと琴電の二線のみですが、かつてはさらに琴平急行電鉄と、琴平参宮電鉄を加えた
計4線の鉄道が香川の各港からこんぴらさんへ乗り入れていました。
日本一の高燈籠。
門前町の表参道を進む。
かつて門前町では富くじが盛んに行われていて、それが多くの人を呼び込む一因にもなった。
聖域と俗域で人を呼び込むからくりがあることで、全国から多くの人が訪れる一大スポットになった。
訪れた時は富くじの抽選場にもなった金毘羅歌舞伎場の存在を知らず、見過ごしてしまいました。
残念。
籠屋サービス。
急な階段を登っていくのはさぞかし大変だろうに。
参拝を終えて降りているときに実際に籠で登っている場面に出くわしたのですが、
急な階段を登るためどうしても前後ではなく、左右に竿を向けなければならないのですが、
混雑しているときには狭い参道では迷惑この上ない。
周囲の迷惑そうな視線を受けて登っていくのはさぞかし勇気がいることでしょう。
本宮までの785段のはじまりはじまり〜。
351段目の鼓楼。
時を告げる時計台みたいなものみたい。
365段目の大門を入ってすぐの五人百姓。
特別に宮域での商いを許された商人が物品(加美代飴)を販売しています。
なんと鎌倉時代から続いてるらしい。
桜馬場。
桜の頃はけっこういいみたい。
馬場。ということで神厩に神馬(しんめ)がいます。
象もいます。
よくできた象の像...ということで動きません。
巳年ということで。
海の神、ということで船のスクリューが奉納されてます。
大門からまっすぐ上に登れば最短距離で本宮に到着するのですが、
江戸時代になって奉納者があまりに多くなり、
参拝路に建てる奉納碑などのスペースを確保するために
参拝路を書院→神椿→旭社とコの字にあえて大きく迂回するように変更されたのだとか。
(ブラタモリ情報)
477段目の書院。
この応挙の襖絵を見に来たかったのですよ。
入場料800円。
はっきり言って高い。撮影禁止もいただけない。
そしてその展示の仕方にがっかり。
ガラス越しに見ることになるのですが、本物の魅力が半減しちゃってます。
作品の保護・保存のため、ということは分かるのですが、
せめて映り込みの少ない特殊ガラスを使うなどしてほしかった。
それでもやはり虎の絵は迫力満点でした。
あと、森寛斎の絵も意外と良かった。
この鶏の木絵も良かったな。
500段目の木馬舎。
こちらの神馬は動きません。
そして資生堂パーラー「神椿」。
参拝を終えて降りてくるときに寄ってティータイム。
これで700円。
まあ正月くらい、ささやかな贅沢。
ご神木に朝陽が照る。
628段目。旭社。
帰路に参拝します(往路では参拝できません)。
そして785段目にて本宮に到着。
絵馬殿。
海の神様ということからか、舟が祀ってありました。
ソーラーパワーボート?
訪れた時は知らなかったのですが、
「金比羅宮プロジェクト」として鈴木了二氏が改修を担当してたみたいですね。
その一部、緑黛殿。
知らないがゆえに良い空間だな、と思いつつ軽めにスルーしてしまった...
まだまだ修行が足りません;;
訪問から翌年の平成26年、ここと資生堂パーラー「神椿」を結ぶ
「えがおみらいばし」という橋ができたそうですが、
それも鈴木了二氏の設計だそうです。
見に行きたいなあ。
今年一年の運を占う。
末吉。
後厄であることを考えれば、まあ、上々かな。
幸せの黄色いお守りゲット。
ミニこんぴら狗付きで1500円(お守りだけだと800円)。
とくにミニこんぴら狗が欲しかったわけではありません。
この包み紙がすごく気に入って。
いやあ、これがデザインなんだろうなあ。
本宮に到着して、なお余裕があったのでさらに奥へ。
923段目。白峯神社。
紅葉が美しい場所みたいですね。
そして1368段目で奥社に到着。
正確には「厳魂神社(いづたまじんじゃ)」というそうです。
そばの断崖上方にある天狗とカラス天狗の彫物。
どこにあるか分かりますか?
どうやってこんなところに彫ったんだろうね。
...と思ってましたがよくよく見ると、
面と壁の境目が妙にくっきり。
どうやら後から取りつけたのでしょうか。
神社からの眺望がスバラシイ。
讃岐富士が一望できます。
本宮から旭社までは往路とは別の参道を通ります。
上るときはほとんどいなかった参拝者も、下りるときはもう参道いっぱいに。
やっぱり初詣は空いてる時に行くのがいいですね。
応挙の虎の絵も見れたし、良い年のはじまりを迎えられました!
満足、満足。
【Information】オフィシャルサイト
アクセス:JR土讃本線琴平駅下車 徒歩20分、高松琴平電鉄琴電琴平駅下車 徒歩15分
瀬戸中央自動車道坂出インタ-より30分、四国横断自動車道善通寺インタ-より15分
※許可車両以外、車は境内に入れません。琴平町内の町営駐車場などをご利用下さい。