白井晟一展を観に群馬県立近代美術館まで行ってきました。
高崎市郊外の広大な森のなかにある美しい箱。
最初は群馬音楽センターを設計したアントニン・レーモンドに設計を依頼する予定だったが、
斎藤義重氏の推薦により磯崎新氏が設計することになったそうです。
茨城の水戸芸術館も哲学色の強い素晴らしいものですが、
ここも負けず劣らず素晴らしい空間でした。
事前に許可を取れば内部の撮影可と聞いていたので楽しみにしていたのですが、
けっこうややこしいことになってました。
書類に名前や住所、連絡先を記入の上、注意事項を確認させられた上で、
許可証が渡されますが、企画展は撮影がNG、
常設展は遠景のみOK、実際自由に撮影ができるのは、
1,2階吹き抜けのホール周辺のみ、と制約が多いのが実情です。
西洋美術館や横浜美術館が常設展は自由に撮影OKなのに比べれば、
内部撮影の制約は多いようです。
とはいえ、平日の地方、ということもあって人は少なく、
撮影する環境としては概ね良かったです。
というわけで撮影OKだったエリアを中心に撮りまくりました〜
[オシップ・ザッキン「破壊された都市」(1951年)]
この美術館は正立方体をベースとしており、
一片が12メートルの立方体を連続させて建物の外形を作ったとか。
磯崎さんは、正方形を日本建築の幾何学的な基礎だと考え、
それを三次元化したものとして正立方体を使った。
...と、『美術空間散歩』に書いてありました。
ではまずは外観から。
まず、ピロティで持ち上げられた中空に浮かぶ箱が見えます。
この箱には山種記念館とされている展示室7があります。
この箱をさらに進むと...
正面玄関が見えてきます。
エントランスそばの立派な馬の銅像。
[エミール=アントワーヌ・ブールデル《巨きな馬》(1914-17)]
隣にはピラミッド状の歴史博物館が併設されています。
設計・大高正人。
磯崎さんの正方形に対してこちらは三角形。
さて、中に入って。
チケット売り場。
ザッキンの彫刻を中心としたメインホール。
...巨大な箱。
箱もきちんと作れば美しい。
展示室1前のギャラリー。
今回は白井晟一氏の書が展示されてました。
その奥にあるスロープ。
さらにその奥にある茶室。
2階へ上る階段。
階段上吹き抜け。
3階へ上がる階段。
ちなみに3階へは一般者は上がれません。
エレベーター。
天井に傾斜がついているのはなぜ?
2階トイレあたり。
ここだけイエローとグリーンの壁なのはなぜ?
2階ブラウジングコーナー。
資料閲覧をかねたレストエリア、といったところでしょうか。
常設展エリアも基本的に遠景なら撮れるはずなんだけど、
撮影ルールがややこしくて、そのときはよく把握せず、
結局撮りそびれる。
とくに趣向を凝らしたわけでもなく、
あくまでシンプルなんだけど、どこか厳粛な雰囲気がある。
シンプルだからこそ、厳粛なのかな。
1974年に開館されたそうですが、
古さを感じさせない、今見てもとてもモダンさを感じさせる良い美術館でした〜
【information】オフィシャルサイト
アクセス:JR高崎駅東口より、市内循環バスぐるりん「群馬の森線」9系統(約38分)、10系統(約26分)、
または「岩鼻線」15系統(約25分)で、いずれも「群馬の森」下車。(200円)
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(休日の場合はその翌日)
入館料:企画展による