[梼原町役場]
『負ける建築』を読んで以来、隈研吾氏のファンです。
遊子川のとなり町、高知県梼原町にはその隈建築が四つもあるなんて。
ああ、なんて羨ましい。
梼原町役場とまちの駅、雲の上ホテルと雲の上ギャラリー。
今回はそのうちの二つ、梼原町役場とまちの駅をご紹介。
R197から梼原の中心地へのメインストリートにこの二つの建物はあります。
隈研吾独特のストライプデザインがここでも用いられているわけですが、
不思議とどの建物も、その地域性とマッチしちゃうんだな。
斬新だけど、伝統とケンカしない。
これまで培った伝統を壊すことなく、新しいものを取り入れる。
まさに地域おこしの理想がここにあるような気がします。
ああ、自分もこういうものを作りたい。
まずは梼原町役場。
独特な木のストライプ。
新しいのだけど、古い町の歴史ともマッチする。
年を経るごとにどんどん地域とマッチしていく。
そこには正しい「もの」のあり方がある気がする。
惜しむらくはストライプがファサードだけで、ほか三面はノーマルな木壁なこと。
コスト面とか、空間の機能面とかでいろいろ制約があったのでしょうか。
全面ストライプだと斬新すぎるのかな。
ノーマルな木壁とのコントラストを狙ってもいるのかな。
個人的には造形的な魅力だけを考えるなら、
せめて二面ストライプにして欲しかった...
黒川紀章氏の国立新美術館や、安藤忠雄氏の表参道ヒルズ並の、
ファサードとそれ以外の差異に残念さが漂う。
それでも十分魅力的な建築ではあるのだけど。
建物裏側には田舎ではめずらしい電気自動車らしきものが。
さすがエコ先進地。
建物内部もこれまた素晴らしい空間。
やはりなんといってもストライプウインドウへの眺めがイイ。
二階まで吹き抜けの窓口空間はとても開放的。
「樹」の中にいる快適さを感じさせます。
続いてまちの駅(現在は雲の上ホテル別館「マルシェ・ユスハラ」という名称になってます)。
役場を単にスケールダウンさせたような建物かと思いきや...
ファサードのストライプは茅葺きとなっています。
ここにも電気自動車らしきものが。
さすがエコ先進地。
ただ、やはり役場と同じくファサード以外の三面はノーマル木壁。
いや、悪くはないんだけどね...
内部空間。
お土産屋や観光案内、宿泊施設などを備えた複合施設。
こちらも樹に包まれることの快適さが伝わる空間でした。
樹木の枝状に広がる柱なんて、とてもステキ。
...続いて雲の上ホテルへ。
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