夢の島公園内にある第五福竜丸展示館に行ってきました。
入場無料。
忘れてはならない記憶、というものがある。
モニュメントは人類が永遠に記憶にとどめておくべきイメージである。
1954年3月1日、ビキニ環礁を航行していた漁船・第五福竜丸は
アメリカの水爆実験に巻き込まれて被爆した。
広島・長崎に投下された原子爆弾に次ぐ、日本における第三の原子力災害となった。
なにごとも、踏み込んではならない領域というものがある。
科学の力ですべてを制御できるなど、人間の驕り以外のなにものでもない。
本展示館はこのことを心に刻むための施設として1976年に開館しました。
[サルバドール・ダリ「バラの頭の女性」]
ドガ展を見に久々に横浜美術館へ行ってきました。
丹下健三設計により1988年竣工、翌1989年開館。
僕の中のイメージでは建築家には2つのタイプがあって、
デビューから早い時期に花開く天才肌タイプと、
晩年に花開く大器晩成型。
丹下さんは前者で、1955年の実質的なデビュー作となった広島平和記念公園から、
1964年の東京カテドラル、代々木競技場、香川県立体育館を頂点に、
以後はあまりぱっとしない印象がある。
...あくまで僕の中での印象なのだけど。
横浜美術館もぱっと見はモダニズムの重厚さは薄れ、
どちらかといえばポストモダンの軽さが見える。
モダニズム好きにはちょっとがっかりなのだけど、そこは巨匠、
内部空間はやはり素晴らしい。
二人の若手建築家の展示をハシゴした。
ちょっとした気まぐれだったのだけど、
半分は新しい発見があったものの、半分は後悔した。
建築はそのスケール故に、大切なものを包むが故に、
慎重に扱わなければならない。
建築に芸術があるからといって、安易に飛躍的に扱ってはならない。
最近の建築がどうも軽薄に見えるのは、
自分の感覚が最先端の感覚に追いついていないからだろうか。
建築はクラシカルであるくらいがちょうどいい。
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バイト先での昼休み。
「ミース再考」を読んでいたら、
バイト仲間が「こういうの好き?」と親切にも貸してくれた雑誌。
芸術新潮2009年6月号。
フィリップ・ジョンソン特集。
代表作「ガラスの家」くらいしか知らなかったので、とても勉強になりました。
金持ちの御曹司で、若くして莫大な財産を相続。
最初はMoMAのキュレーターとしてスタート、
かの有名な1932年の「モダン・アーキテクチャー」展を手がける。
30代でハーバード大で建築を本格的に学び、建築家としての遅いスタートを切る。
ガラスの家は、自分の広大な敷地に道楽で建てた建築群の1つだったんですね。
性格的には熱しやすく冷めやすい、新しもの好きで飽きっぽい。
モダニズムに傾倒していたかと思いきや、
後にはポストモダニズムの旗手となったり。
それでも彼が巨匠であれたのは、
本質的な「良さ」を本能的に見抜く力に長けていたからだろうか。
ガラスの家の中にはミースのバルセロナ・チェアが置かれているのですが、
その配置はガラスの家建設当時からずっと同じであり、
定規できっちり位置が決められているのだとか。
ものごとには変えるべき所と、変えてはならない所がある。
フィリップ・ジョンソンはその見極めの手腕が絶妙な建築家だった気がする。
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過去にミースに関する本を2冊読みました。
・評伝ミース・ファン・デル・ローエ
・ミース・ファン・デル・ローエ 真理を求めて
再びミースについて考える、という意味で本書は最適かな、と思って読んだのですが。
いまだに1つもミース建築を実際に訪れたことがないからか、
...さっぱり分からない。
ニューヨークに旅行したとき、シーグラムビルを見逃したことが返す返すも悔やまれる。
それにしても。
"Less is More"をテーマに極限までムダを削ぎ落としたシンプルな立方体の空間に、
どうして周囲はこうも複雑な解釈をしようとするのか、不思議でならないのだけど、
ある意味そういう状況が本当の意味での"Less is More"なのかな。
写真を見るだけでもその美しさは半端ではない。
実物を見たときの感動はいかばかりか。
(...あるいはグラフィックの魔術で、実際はそれほどでもないかもしれないけど)
しかし彼の模倣品である20世紀都市はなんと醜いことか。
そして思うのである。
「立方体は人間にとって最適な空間を与える本質的なフレームではない」
ミースだからこそ、立方体の空間を美の極みへ高められたのだ、と。
アントニン・レーモンドの聖アンセルモ教会を見に目黒へ出かけた帰り道。
時間があれば東京都庭園美術館の隣にある国立科学博物館付属自然教育園へ
足を伸ばしたかったのだけど、教会が思ったより素晴らしくて長居してしまい、
間に合わず。
予定を変えて目黒雅叙園へ。
結婚式の専用量産工場。
幸せがたくさん集まる場所と思えば、幸せな場所なのかな。
レーモンドの教会を見た直後だけに、結婚式場としての対照性が際立つ。
結婚の誓いを立てる場にふさわしい空間とはいかなるものだろうか。
横浜・関内のギャルリー・タイセイからの帰り。
授業まで少し時間がある、ということで。
あまり来ない横浜まで来た、ということで、桜木町まで歩いていくことに。
横浜、といえばオシャレな港町。
しかし、大きな都市には表の顔と裏の顔がある。
横浜といえど例外ではない。
関内から桜木町までの道筋はちょうどそんな都市の裏の顔を
歩いているような感じでした。
しかし、裏の顔の中にも美は潜んでいる。
そんなひっそりとした美を見つけるのも散策の楽しみなのだ。
TokyoArtBeatで見つけました。
大成建設のギャラリー、「ギャルリー・タイセイ」。
主にル・コルビュジエの作品を展示していて、
ちょうど企画展「ル・コルビュジエの建築」第1部が開催中、ということで
日曜日にでも行こうかな、と思ったら日曜は休館日ということで、
土曜日の授業前に急いで行ってきました。
横浜は関内駅から歩いて8分。
こぢんまりとしてますが、白を基調としたシンプルですっきりした空間。
土曜日だというのに、誰も来館者がいなくて、
来館者どころか、スタッフも一人もいなくて、
ほぼ貸し切り状態でした。
ビルの入口に警備員はいるものの、大丈夫なのかな、こんなんで。
撮影不可の案内もないようなので、
思う存分撮影してきました~
二度目のバラガン展にいった折、
外苑〜表参道の夜の青山通りを散策。
久々に歩きました~。
いろいろ見たかったものもまとめて見ることができました~
「美の巨人」で紹介されてから訪れてみたいと思っていた、
前川國男自邸のある、江戸東京たてもの園へ行ってきました。
東小金井の駅からバスで10分ほど。
ここでは一番のお目当ての前川國男自邸をレポートします。
江戸東京たてもの園全体については別途レポートします。