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地域木材有効活用事業【愛大論文】製本

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年度末、追い込みで仕上げた遊子川もりあげ隊をアピールする印刷物その2。


愛大の論文。
正確には愛媛大学農学部・地域マネジメントスキル修得講座の研究テーマの成果報告論文。
講座では所定のカリキュラム受講の他に、
自分でテーマを設定して取り組む研究課題があります。

自分は、ユスモクでの活動をテーマに選びました。

ユスモクの活動をアピールするためにも、
活動をまとめた報告書がいずれにせよ必要だと思っていたし、
こういう研究課題はちょうどうよい機会でもありました。


論文はデータで大学に提出すればいいのですが、
ただそれだけではもったいない。
...というよりただそれだけの目的で作成する論文は
どうしてもつまらないものになりがちだと思うのです。


デザインの特性か、はたまた地域づくり業務の特性なのかはよく分からないけれど、
どうせ作るなら、できるだけ多くの人に見てもらいたい。

...そういう前提で論文を作成しました。


地域マネジメントスキル修得講座【最終回】

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愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座最終回。

今回は各自のプロジェクト研究テーマの成果発表。
事前に自由形式の論文を作成し提出、
その内容を15分程度で発表します。


僕のテーマは受講当初より決めていた「地域木材有効活用事業」。
このテーマの研究に一貫して取り組んできました。
山間部の地域資源である木材。
林業の低迷によりその価値が見失われがちである現状を打破するために、
地域内の放置間伐材を収集、製材し、魅力あるカタチに加工し、
経済活動へとつなげていくことで木の価値を再興、再認識する。
それが山間部に暮らす人達の地域を誇る心を取り戻し、
地域を再び活性化させる原動力となる。

...と理想は立派なゴタクを並べているけれど、
実際の活動は限界集落の一校区での本当に小さなもの。
でも、今の僕にはその「小さなスケール」が大事だと思っています。

貪欲な追求心によって大きくなりすぎた人間社会のスケール。
できることのレベルが大きくなる一方で、
見失ったものや崩壊してしまったものも無視できないほどに大きくなってしまった。
大都市の大会社で長年暮らしてきた自分にはそう見えます。


「明日世界が終わるとしても、僕は今日リンゴの木を植える」


この一年、この講座を受講し、自分なりに研究を進めてきて、
この言葉のほんとうの意味が、実感がなんとなく分かってきた気がします。


地域マネジメントスキル修得講座【第11回】

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【ユスモクのコラボに、ともらった七宝焼きのサンプル。さて、なにができるか。】


愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第11回。

全12回のこの講座、最終回は各自のプロジェクト研究論文の発表なので、
講義としては今回が実質最終回。

今回は1日講義、1日プロジェクト研究の検討でした。
ここまで皆勤だったのだけど、最後の最後で息切れしてしまい、
最後のプロジェクト研究はお休みしました。
まあ、研究としてやれるだけのことはやり、
ある程度成果があったと自分では思っているので、
あとは論文にまとめるだけ。

講義は愛媛大学社会連携推進機構教授の村田武先生の、
午前は「食料主権のグランドデザイン」、
午後は「再生可能エネルギーによる農業・農村活性化」。

いろいろ堅苦しい単語が出てきたけれど、
要は午前はGATT、TPPなどの食料貿易論、
午後は脱原発のための再生可能エネルギー移行のお話でした。
話は回りくどいけど、目指す方向がしっかり見えて、
なおかつその方向性にとても共感できるものだったので、
最終講義としてはとても良いものでした。


今はネットワークの時代だと人々は言う。
しかし何でもかんでもムダにエネルギーを費やしてまでつながるべきなのか。
かつて人々は、自分が生まれた場所から歩いていける範囲で幸せに暮らしていた。
それが科学技術の発展にともない、
膨大なエネルギーを費やして地球規模で移動をするようになり、
世界を股にかけて行動することがハイソサエティなことだとされるようになった。

地球資源は限りあるもので無限のものではない。
そしてその資源は人間だけのものではない。
どんなに人間が優秀だとしても、その資源を勝手に使い切る権利などどこにもない。
他の生きものたちがそうしているように、
人間も最低限のリソースで生きるべきなのである。

他の生きものにはない(かもしれない)、豊かな感情が豊かな生活を求めたとしても、
そのために費やされるエネルギーができるだけ少なくてすむように、
最大限の努力をすべきであり、人間の叡智はそのために使われるべきである。


 "Less is More."


かの偉大な建築家の言葉を、今こそ真剣に考える時期が来ているのではないだろうか。


地域マネジメントスキル修得講座【第10回】

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愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第10回。

今回は1.5日で1講義、0.5日で研究課題の検討でした。
講義は「地域マーケティング」。
講師はマーケッター歴30年の上野祐子さん。
やはり現場で叩き上げた人の言葉には力があります。


マーケティングとは。


  「生活者にとって質の高い新しい生活価値観を創造していくことを目的とした
   もの・サービス・価値を生み出す方法・関係・しくみ・プロセス・その活動全体」

  「顧客・クライアント・パートナーそして社会全般に価値をもたらす提供物を創造し、
   コミュニケーションを図り提供・交換するための活動であり、一連の組織・プロセス」

  「互いに製品やその価値を交換することで、個人やグループのニーズとウオンツを
   満足させる社会的・管理的プロセス」


...とまあ、その定義はいろいろあるようですが、
マーケティングの定義を僕なりの解釈で簡潔に言うならば、


 「消費者を知ること」


でしょうか。
つまり、地域マーケティングとは「地域を知ること」。

彼を知り、己を知れば百戦危うからず。
「知ったつもり」が追求心を萎縮させ、ディスコミュニケーションを加速する。


地域マネジメントスキル修得講座【第9回】

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【交流会の豪華なディナー!】

愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第9回。

今回はこの講座の現在の受講生に過去の受講生を加えての合同発表・交流会。
現在の受講生が4期なので、1〜3期の先輩方が来て、
各期2名ずつ代表で事例発表を行います。
事例発表は各自発表資料を用意して一人あたり30分程度発表を行い、
あとは「放談会」とレジュメにはあったのですが、
フタを開けてみれば、発表者以外の口頭による自己紹介でした。
そして夜は宴席での交流会。

...という流れ。

いつものメンバーに過去の受講メンバーが加わると、
さらに大きなネットワークになります。
より多様性が増し、複雑性が増す。
このネットワークを上手く使いこなせれば、
より大きなことを成すことができるけれど、
使いこなせなければ烏合の衆になるのみならず、
単独でいる時よりも面倒なことになりかねない。

あらためてネットワークの威力と危険性を感じた一幕だったような気がします。


地域マネジメントスキル修得講座【第8回-2】

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【またまた講義には直接関係ないですが、いただき物の鹿の頭骨】


愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第8回2日目。

この日は一日、森賀先生の「地域マネジメント論」。


地域おこし協力隊としてこの一年半、地域づくりを学んできて思うことは、


  「地域づくりにノウハウはあるのだろうか?」


...という疑問。

それがこの講座を受講した動機の一つになっています。
僕が感じる限り、地域づくりに必要なものは「土着のリーダー」。
地域をこよなく愛し、地域の人を圧倒的に惹きつけるカリスマ性。
それが地域を引っ張っていってるように思えます。

しかしそのような人はそうそういない。
それならそういう人材を育成するしかない...的な発想になるわけですが。

この講座も半分を過ぎました。
おおいに学ぶところが多く、個人的には満足しているものの、
地域づくりにノウハウはあるのか、という根源的な問いに対する疑問は
いまだに残っています。

ノウハウを無理矢理定義付けることが一番なのではなく、
地域を元気にすることが一番なのだから、ノウハウにこだわる必要はない、
と言われるとそれはそうなのですが、
「より多くの人に地域づくりの大切さをアピールする」という点においては
やはり分かりやすいイメージ、ノウハウを示しておく、ことも必要と思えるわけで。


地域マネジメントスキル修得講座【第8回-1】

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【(講座とは直接関係ないけど)フラー・ドーム・ハウス】


愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第8回1日目。

午前中はプロジェクト研究。
研究内容ごとにグループ討議。
ユスモクでの制作物を持っていけるものは持って行って、
メンバー及び担当教官に意見を仰ぎました。

研究テーマ及び目指すところは自分としては明確なのだけど、
それを第三者にアピールするための資料(論文)についてはまだ未着手で、
そろそろ要項をまとめていかなきゃなあ、といったところ。


午後は講義。
テーマは「農産物流通と市場」。講師は中安章先生。

自分があまり農業に縁がない、ということもあって、
イマイチ実感がわかず。

ただ、流通に関しては最近感じることがあるので、
今回はそのことについて書いてみたいと思います。


地域マネジメントスキル修得講座【第7回】

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愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第7回。

本来この回は、笠松先生の「地元学」実践を西予市で行う予定でしたが、
先生の都合により中止、場所をいつもの愛大農学部キャンパスに変更して、
「地域マネジメントスキル修得講座の受講生による取り組みの可能性」について
ブレストとKJ法によるワークショップをすることになりました。

地元学の実践を楽しみにしていただけに、残念な気持ちと、
ブレストやKJ法についてはすでにその基本的な内容を知っていて、
さらにその効能について少し疑問を持ちはじめていたこと、
ユスモクが製作段階に入ったものの、
他業務に追われて時間的・肉体的余裕がなくなっていること、
さらにこの週、地元で伝統行事である秋祭りが開催されること、
...などの諸要因が重なって、今回は参加を見合わせようかな、と思ってました。


が。
ここまで皆勤賞。
講座自体は7割出席すればいいのですが、
講座の効能はどうあれ、参加できるのであれば参加しておきたい。
全講座受講後に見えてくるものもあるかもしれない。

...という想いから疲れた身体を引きずって参加してきました。


地域マネジメントスキル修得講座【第6回-2】

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【坂村真民記念館】


愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第6回1日目。
いつもの農学部キャンパス。


午前中は森賀先生の「地域マーケティング論」、
午後はプロジェクト研究の検討でした。


計算が苦手。
計画をたてるのが苦手。
計略を練るのが苦手。
およそ経営者たる資質は持ち合わせていない自信はあります^^;

しかし。
僕は、組織の中で生きる道を捨てた。
誰かから分け与えられる作業をして生きて行く道を捨てた。
苦手だからやらない、なんて甘いことは言ってられない。

マーケティングとはなんぞや。
まだよく分からないけれど、これからの自分の道を追求する過程において、
おさえておかねばならないポイントであることは確かなようです。


地域マネジメントスキル修得講座【第6回-1】

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[愛媛大学の植物工場]


愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第6回1日目。
いつもの農学部キャンパス。

午前中は胡柏先生の「有機農業の経営と環境マーケット」、
午後は仁科弘重先生の「新たな食料生産システムとしての植物工場」。

有機農業と植物工場。
どちらも現代農業の主流とは一線を画し、両極端に位置するスタイル。


田舎は農林漁業の第一次産業の舞台です。
僕自身は、第一次産業に従事したいから田舎に来たのではなく、
第二次産業である「ものづくり」をしたくて田舎に来たわけですが、
田舎で暮らすにあたり、主要産業である第一次産業を理解することは
とても重要なことだと思っています。

第一次産業は人類最初にはじまった産業であり、
今もなお、人間の生活基盤を支える重要な産業であるはず。
それがどうしてこんなに異質な構造で、
現代の経済システムにそぐわないものになってしまっているのか、
部外者としてはとても不思議に感じてしまいます。

今も昔も、食の摂取が生命維持の基本である以上、
第一次産業は時代遅れであってはならないはず。
20世紀の都市集中型社会が、田舎の末端社会を軽視したことは、
最大の過ちではなかったか。


科学的には、日本の農業は世界のトップクラスをいってると言われてるそうですが、
田舎の現実を見るにつけ、経済システムはその科学力にマッチングしていない。

第一次産業の最重要視化。
それが六次産業のめざすところではないでしょうか。