地域マネジメントスキル修得講座【第6回-2】

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【坂村真民記念館】


愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第6回1日目。
いつもの農学部キャンパス。


午前中は森賀先生の「地域マーケティング論」、
午後はプロジェクト研究の検討でした。


計算が苦手。
計画をたてるのが苦手。
計略を練るのが苦手。
およそ経営者たる資質は持ち合わせていない自信はあります^^;

しかし。
僕は、組織の中で生きる道を捨てた。
誰かから分け与えられる作業をして生きて行く道を捨てた。
苦手だからやらない、なんて甘いことは言ってられない。

マーケティングとはなんぞや。
まだよく分からないけれど、これからの自分の道を追求する過程において、
おさえておかねばならないポイントであることは確かなようです。


マーケティングとは。

「マーケティングの狙いは、顧客というものをよく知って理解し、製品が顧客にぴったり合って、ひとりでに売れてしまうようにすること。」(ドラッカー『マネジメント』)


ここで顧客は常に正しいものを要求するとは限らない、と考えてしまう時点で、
僕は経営者としての資質を欠いているのかもしれない。

「顧客にぴったり合う」製品なんて、顧客にだって正確に分かりはしない。
分かっていたとしても、それを正確に第三者に伝えることができるとは限らないし、
マーケティングする側がそれを把握するのはもっと困難だと考えられます。


「マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争通じて行う市場創造のための総合的活動である。」(日本マーケティング協会のマーケティング定義−1990年)

この定義だと、顧客との相互理解を得ながら行うことだけが、
はたして理想のマーケティングなのか、という疑問が出てきます。
製品提供側は、顧客が気づかない潜在欲求を見出して、顧客に提供する、という
先手先手のマーケティングが求められているのが現状ではないでしょうか。
潜在欲求に気づかないユーザーの理解を待っていては、
魅力ある商品の開発は間に合わない。


マスプロ時代は当然、マスマーケティングが主流だった。
可能なかぎりの多くのユーザの中から最大公約数を見つけるのがマーケティングだった。
しかし多様化の時代は市場の細分化を余儀なくされているという。
セグメントマーケティング、ニッチマーケティング、個別マーケティングなど。


かつては顧客が製品に合わせていたけれど、今はその逆。
顧客が何を求めているか、知ることはたしかに大切なことだと思う。
しかしそれ以上に大切なのは、どんな商品を顧客に提供するべきか、
ということではないでしょうか。
顧客が何を求めているか、というのはその条件を充たすための要件の一つに過ぎない。

製品を提供する側は製品を売って利益を得る以上に、
製品を提供することで社会を裕福にする義務があると思います。
しかし売れなければ事業は継続できない。
そこに理想と現実のギャップがもたらすジレンマがある。


利益と社会貢献の繊細なバランシング。
商品マーケティングにしろ、地域マーケティングにしろマーケティングの基本は変わらない。
地域の何を売って、それを売ることで地域はどのように裕福になるのか。
そこを考えることが重要ではないのか。

...と計算が苦手、計画をたてるのが苦手、計略を考えるのも苦手な、
マーケティングの素人は考えるわけですw


午後からのプロジェクト研究の検討。
講座も前半が終了、ということで、プロジェクト研究構成案を作成しました。


タイトル: 地域木材有効活用


【研究の目的(研究に至った動機や経緯、明らかにしたいこと、など)】

総務省の地域おこし協力隊として、山間部の過疎地域の地域活性化に取り組んでいます。
山間部の地域資源といえば森林ですが、長引く林業の低迷により、山には放置間伐材や
放置竹林が目立ち、森林が荒れはじめているのが現状です。

このような状況では、住民は自分たちが暮らす地域を誇ることができなくなっています。
これらの役に立たないと思われている間伐材を魅力ある「カタチ」に加工し、
地域に設置することで地域自身を独創的な空間にすると同時に、
制作した作品を商品化して販売することで、経済活性化を目指します。
これらの活動の実践により、地域が元気になることを実証することで、
自分の取り組みが山間部の地域活性化に有効な手段となることを
明らかにしたいと考えています。


【研究の方法(実験や調査などの手法)】

地域内には住民全員で構成される地域づくり組織があり、
この地域づくり組織の事業として地域木材有効活用に取り組んでいきます。
まず、県の補助を受けて地域内に使われなくなった保育所を改装して、
活動の拠点となる木工所を整備します。
材料となる木材は山林所有者の許可を得て、
地域内の放置間伐材を木工所に収集して確保します。
地域内に本事業をアピールして、趣旨に賛同してもらえるメンバーを
募集し、一緒に制作活動を行います。
制作した作品を、地域内の主要スポットに設置し、
地域の美観づくりを目指すと同時に活動のアピールを行います。
老人クラブや小学校などの団体に対して木工教室やコンテストなどの
イベントを実施することでノウハウやアイデアを吸収するのと同時に、
活動に対するさらなるアピールを行っていきます。
最終的にはクチコミやインターネットなどのネットワークを使って、
制作物をアピールし、販路を開拓していく予定です。


【想定される結果】

価値はないと思っていた放置間伐材が、価値ある製品として売れることで、
住民は自分たちが暮らす山に対して誇りを取り戻し、
自分たちが住む地域をもっと良くしていこう、という気持ちが生まれます。
経済的に活性化することで雇用が生まれ、
地域に失望して出て行った地域出身者も戻ってきます。


【その他(プロジェクト研究を進めるにあたって課題となることなど)】

過疎地においては何事においてもリソース不足が心配されます。
資金力不足、人手不足、技術力不足...等々。


さてさて、本講座も前半が終わりました。
即効性があるわけではないけれど、
自分の中に大切なモノが積み上げられている気がするのは確か。

ちなみに冒頭の画像は坂村真民記念館。
いつもは大学で何かしら写真を撮るのだけど、この日は撮り忘れ、
帰る途中に何度か看板を見かけるものの場所がよく分からずじまいで、
やっと見つけたこの建物の写真を載っけました。
ただ、閉館間際で天気も悪かったので、この日は中には入らず。


念ずれば花開く。

後半も頑張りたいと思います。