地域マネジメントスキル修得講座【最終回】

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愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座最終回。

今回は各自のプロジェクト研究テーマの成果発表。
事前に自由形式の論文を作成し提出、
その内容を15分程度で発表します。


僕のテーマは受講当初より決めていた「地域木材有効活用事業」。
このテーマの研究に一貫して取り組んできました。
山間部の地域資源である木材。
林業の低迷によりその価値が見失われがちである現状を打破するために、
地域内の放置間伐材を収集、製材し、魅力あるカタチに加工し、
経済活動へとつなげていくことで木の価値を再興、再認識する。
それが山間部に暮らす人達の地域を誇る心を取り戻し、
地域を再び活性化させる原動力となる。

...と理想は立派なゴタクを並べているけれど、
実際の活動は限界集落の一校区での本当に小さなもの。
でも、今の僕にはその「小さなスケール」が大事だと思っています。

貪欲な追求心によって大きくなりすぎた人間社会のスケール。
できることのレベルが大きくなる一方で、
見失ったものや崩壊してしまったものも無視できないほどに大きくなってしまった。
大都市の大会社で長年暮らしてきた自分にはそう見えます。


「明日世界が終わるとしても、僕は今日リンゴの木を植える」


この一年、この講座を受講し、自分なりに研究を進めてきて、
この言葉のほんとうの意味が、実感がなんとなく分かってきた気がします。


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論文は表紙扉を入れて60ページほどになりました。
形式的な退屈な文章の寄せ集めではなく、
できるだけ多くの人に読んでもらえるようなものにしたかったので、
大きめの写真、イラストを多用して読みやすく面白いものになるように
努めたけれど、やはり思い入れが強いぶん、言葉が溢れでてしまう。

発表用には別途概要的にまとめたものを用意しようと思ったのだけれど、
論文を創りあげた時点で燃え尽きてしまい、結局論文データで発表したのだけど、
まあ、これが失敗でした。

論文の半分もいかないうちにあっという間に15分は経過し、
あたふたしながら一番大事な部分がある後半を伝えなくてはならないハメに。
当然伝えたいことが十分に伝えられず、悔いの残るものになりました。

ただ、嬉しいことに本事業で製本の予算がとれることになり、
数十部ほどこの論文が製本できる運びとなりました。
発表はさんざんだったけれど、論文そのもので活動のアピールをしていけたらと思います。
また、Web上での公開もあわせて検討していきたいと思います。


今回の発表では、2年がかりで本講座を卒業される方がいたのですが、
なんとその方のテーマが、僕が任期終了後に行こうと思っている学校での取り組みでした。

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本人曰く、一番の落ちこぼれで散々苦労されたとのことですが、
そんな人でもこのレベル。
任期終了後の進路についてはある程度考えるところがあったのですが、
その決意をますます強めてくれました。
やっぱりこれも縁なんですね。


最後の最後で卒業証書の授与。

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意外にもきちんとしたものでびっくり。

同時に「愛媛大学地域再生マネージャー」の称号を無事いただきました。
別にこの称号を得たからといって、何かが大きく変わるわけではありません。
この称号は武道で言うならば「黒帯」のようなものです。
黒帯を持っているからといってそれが強さのバロメーターになるわけではない。
ただ、それは自分が学んだ証となる。

この先も待ち受けている壁にぶつかったとき、
それは自分を支える礎となってくれることでしょう。

来月には早くも僕達の後輩である第五期の講座がはじまります。
知った顔もちらほらあって、さらなる地縁づくりを助けてくれることでしょう。

最後にこの1年間の講座のレビューへのリンクです。
何かの参考になれば幸いです。


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