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2013年2月18日

地域マネジメントスキル修得講座【第11回】

地域おこし活動

yusumoku_shippou.jpg
【ユスモクのコラボに、ともらった七宝焼きのサンプル。さて、なにができるか。】


愛媛大学地域マネジメントスキル修得講座第11回。

全12回のこの講座、最終回は各自のプロジェクト研究論文の発表なので、
講義としては今回が実質最終回。

今回は1日講義、1日プロジェクト研究の検討でした。
ここまで皆勤だったのだけど、最後の最後で息切れしてしまい、
最後のプロジェクト研究はお休みしました。
まあ、研究としてやれるだけのことはやり、
ある程度成果があったと自分では思っているので、
あとは論文にまとめるだけ。

講義は愛媛大学社会連携推進機構教授の村田武先生の、
午前は「食料主権のグランドデザイン」、
午後は「再生可能エネルギーによる農業・農村活性化」。

いろいろ堅苦しい単語が出てきたけれど、
要は午前はGATT、TPPなどの食料貿易論、
午後は脱原発のための再生可能エネルギー移行のお話でした。
話は回りくどいけど、目指す方向がしっかり見えて、
なおかつその方向性にとても共感できるものだったので、
最終講義としてはとても良いものでした。


今はネットワークの時代だと人々は言う。
しかし何でもかんでもムダにエネルギーを費やしてまでつながるべきなのか。
かつて人々は、自分が生まれた場所から歩いていける範囲で幸せに暮らしていた。
それが科学技術の発展にともない、
膨大なエネルギーを費やして地球規模で移動をするようになり、
世界を股にかけて行動することがハイソサエティなことだとされるようになった。

地球資源は限りあるもので無限のものではない。
そしてその資源は人間だけのものではない。
どんなに人間が優秀だとしても、その資源を勝手に使い切る権利などどこにもない。
他の生きものたちがそうしているように、
人間も最低限のリソースで生きるべきなのである。

他の生きものにはない(かもしれない)、豊かな感情が豊かな生活を求めたとしても、
そのために費やされるエネルギーができるだけ少なくてすむように、
最大限の努力をすべきであり、人間の叡智はそのために使われるべきである。


 "Less is More."


かの偉大な建築家の言葉を、今こそ真剣に考える時期が来ているのではないだろうか。




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僕は食に無頓着です。
そして計算が苦手なので、経済や貿易にも関心が向きませんでした。
ただ、今こうして地域づくりの仕事をしていて思うのは、
食が生活の根幹を成すものであること、
経済が人間社会の根幹を成すものである、ということ。

貿易については海外にまで意識が向いていなかったので
深く考えたことはなかったのですが、
今回の講義で思ったことは、


  「貿易って必要なの?」


という単純な疑問でした。

大昔はそれぞれの国が自国で賄えるように生きていたはず。
それが大航海時代を経て、国と国が繋がるようになって、
互いが足らないものを取引するようになって、
互いの文化を交換するようになって、
必要なものがどんどん増えていった。
自由を求めてはじまった貿易が、今、世界を不自由にしている。
...僕にはそんなふうに思えてならない。

しかし人間は一度蜜の味を知ってしまったら元には戻れない。
そこがジレンマでもある。

そして食を作り出す人々、つまり農業者はもっと自分たちが
「人間生活の根幹を担っている」という誇りを持つべきだと思う。
食を生み出し、流通し、消費者の元に届くまでの流れにおいて、
生産者は消費者から一番遠い距離にいる。
マーケットの拡大において、その距離は広がるばかりだ。
そこが生産者が軽視される一因になっている。
結局「流通」が生産者と消費者との「壁」となり、お互いを見えなくしている。

しかし、これは別段流通業者が「悪」と指摘するものではありません。
生産者が消費者の顔が見える最適な距離を意識していなかったことが
まずかったように思います。

目の前の利益に囚われて、徒に規模を拡大しすぎた結果、
価格のコントロールを流通業者とバイヤーに乗っ取られてしまった。

規模をある程度抑えた上で、
生産者と消費者がお互い顔を合わせられる距離(スケール)でビジネスをする。
そのために生産者が加工・販売までを一手に担うこと。
それが産業の六次化ということではないでしょうか。


続いて「再生可能エネルギーによる農業・農村活性化」。

日本でエネルギー問題というと、
どうしても庶民の現実とは縁遠い、というイメージがあります。
しかし、3.11が国民の意識を変えた。
原発はあってはならないものであり、
原発に変わる再生可能エネルギーへの転換を求めはじめている。

講義では環境先進国であるドイツの事例、
日本では遊子川のお隣りの環境先進町村・梼原町の事例が紹介されました。
ドイツでは消費者が使用する電力会社・発電形式を選択できるんですね。

エネルギー事業とて、経済社会の基本ルールに則るべきである。
生産者は消費者にとって本当に良い商品を提供し、
消費者は良い商品を提供する生産者を選択する。
そして投資家は良い生産者に投資する。

国家や政治は経済に対して提案や監視はしても、コントロールはすべきではない。
それがたとえインフラ事業であっても。

田舎では水道の管理は自分たちで行います。
最初これは都会に対して遅れているように感じましたが、
今思うと、自分の生活インフラを自ら管理している、ということは
ある意味先進的でもあると思うのです。
電気もそうあってしかるべきではないでしょうか。

エネルギー事業、インフラ事業は地域問題である。
地域がこれらの事業を自分たちで管理していこうという意識は
先進的な地域づくり感覚ではないでしょうか。


誰かに大切なものを委ねる時代は終わりつつある。
国家は絶対的な存在でなくなりつつある。
自立性を確保できるスケールでできることはできるだけ自分たちでやる。
その上でできないことを周囲に助けてもらう。
ネットワーク社会とはそういうことではないでしょうか。

さあ、講義は終わった。
論文を完成させなくちゃ。

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ブログを書いている人

檜垣忠雄(ひがきただお)
aikiboy
広島県出身、呉工業高等専門学校電気工学科卒、ソニー株式会社でエンジニアとして14年間勤務、 その後多摩美術大学造形表現学部(上野毛キャンパス)デザイン学科に入学。 空間デザインを中心に学び、自然の一員としての人間の感覚や「ものをつくる」という人間の豊かさに気づく。 卒業後、愛媛県西予市地域おこし協力隊に着任。城川町遊子川地区の地域活性化活動に携わっています。 将来はデザインを活用した木工作家を目指します!

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