梼原に新しくできた図書館を見に行ってきました。
愛媛県との県境近くにある高知の山奥の町・梼原町には隈建築が6つもあります。
6,7年前の地域おこし協力隊時代に何度か訪れましたが、
その頃は隈建築は町役場、まちの駅、雲の上レストラン(ホテル)、雲の上ギャラリーの4つでしたが、
2018年に新しく図書館と福祉施設ができ、かねてより見に行きたいと思っていました。
とくに図書館は、太宰府天満宮参道のスターバックスや、サニーヒルズなどのように、
木材を斜めに組み合わせて配し、あたかも大きな樹の下で本を読んでいるような、
有機的な空間を実現しています。
瀬戸芸夏会期2日目は朝から大島へ。
今回初上陸の大島は会場となる全12島のなかでも異色の存在です。
1909年に国の施策により、
四国・中国地方のハンセン病患者を収容するための施設が大島につくられました。
以降国がその施策の変更が転換するまでの約100年間、
島内では2000人以上の人々が亡くなりました。
今でこそ、ハンセン病はそれほど伝染性のあるものではなく、
早い段階で処置を行えば完治する病気として認識されていますが、
当時は「得体の知れない難病」として患者は社会から隔離されて遠ざけられました。
島内の患者は自由を奪われただけでなく、偏見と差別にさらされたのです。
その負の記憶をアートで伝えるべく、2010年から大島は瀬戸芸の会場となっています。
そういういわくつきの会場だったこともあり、
なかなか足が向かず、今回ようやく意を決して今回訪れたわけですが...
やっぱり行ってよかった。
瀬戸内国際芸術祭2019夏会期。
1日目午前中は、クーラーの効いた美術館で作品鑑賞するも、
やはり瀬戸芸は船に乗らねば!...と、
2013年以来訪れていない男木島を訪ねることに。
14:00高松発のフェリーに乗って、14:40に男木島に到着。
17:00男木島発高松行最終便までの2時間あれば、
全作品見れるだろう...と思っていたのだけど甘かった。
瀬戸内国際芸術祭2019夏会期がはじまりました。
...と思ってたら、その夏会期もあと一週間で閉幕です。
相変わらずの遅筆ですが、夏会期のレポートを随時していきたいと思います。
2013年・2016年と過去2度、芸術祭には行ってますが、
夏会期に行くのは今回がはじめてでした。
今回も早朝出発して下道でのんびり高松港に向かったのですが、
のんびりしすぎて船の時間が中途半端になってしまい、
やむなく高松市街エリアを回ることにしました。
まずは夏会期オープンの北浜エリアを経由して、
高松市美術館で開催されている宮永愛子展へ。
いやあ、暑い。
暑いときはクーラーの効いた館内でアート鑑賞するに限る。
愛媛県美術館で開催されていたエッシャー展に行ってきました。
(訪問日:2019年5月25日AM)
※本展はすでに終了しています。
いつもながら遅いレビューですが。
2007年に東京渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されたスーパーエッシャー展以来、
12年ぶりにエッシャーの絵を見ました。
今回は世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館から、
選りすぐりの152点が日本初公開とのことですが、全部が初見ではなく、
中には前回見たものもいくつかありましたが、
やはりエッシャーの絵は何回見ても心湧き踊るものがあります。
エッシャーといえば、正則分割による錯視、いわゆる「だまし絵」の作家として有名です。
その綿密に計算しつくされた精緻さ、構成に心奪われるものですが、
今回の展示ではエッシャーの作品は単なる技巧だけでなく、
情緒豊かな感性により人の心を捉えるのだとあらためて思いました。
技術だけが人の心を魅了するのではない。
良い感性が、良いデザインが、技術を生かすのだ。
技術と芸術の両立されてこそ、良いものができあがる。
瀬戸内国際芸術祭2019春会期。
1日目はあえて島を渡らず坂出・高松エリアを回りましたが。
それはそれでけっこう面白いですが、
...やっぱり瀬戸芸は島を巡らなきゃ。
というわけで2日目は島を巡るつもりで、
まずはまだ行ったことのない大島に行くつもりだったのですが、
インフォーメションで聞いたらたまたまその日は停電で作品が見れない、と。
そこで急遽行き先をを変えて小豆島へ。
小豆島は瀬戸芸の会場となる島々の中で最大の島です。
メインの会場である直島や豊島は確かにアート性の高いスポットではあるけれど、
ハイソすぎてせっかくの周辺環境と隔絶してしまっている気がします。
一方、小豆島には過疎化により使われなくなった施設や住居を活用した、
地域密着型の作品が多数展開しており、
広い島を決して十分ではない交通網を駆使してオリエンテーリング的に巡る面白さがあります。
その極致が中山地区にあるワン・ウェンチーの作品だと思います。
作家のアイデアを地元の人たちと一緒に大きなかたちにしていく。
会期が終わると毎回解体し、次の会期にまた新しく組み上げる。
アートによる地域振興の理想形がここにはある。
瀬戸内国際芸術祭2019春会期。
瀬戸芸といえば船に乗っての島巡りが醍醐味だったりするわけですが、
その拠点となるのが高松港。
とかく島巡りに舟に乗るためだけに寄るだけだったのですが、
高松もこの港を中心に瀬戸芸の作品がたくさんあるのです。
というわけで今回はまずはあえて船に乗らずに巡るコース。
春会期限定の沙弥島からスタートして、
四国村→屋島山上→あじ竜王山公園→高松港→玉藻公園→高松駅→高松空港
...の順に巡ってきました。
瀬戸内国際芸術祭2019がはじまりました。
...といってもこの記事を書いてる時点で春会期が終わろうとしてますが^^;
昨年暮れに仕事を辞め、職業訓練に通いながら仕事を探している状況から、
今年は行くかどうか迷っていたのですが、
漠然とはいえ、一応人生の目標でもあるのでやはり行くことにして、
春会期がはじまる前に通年パスポートを購入。
会期前だと1,000円引きの3,800円で買えるし、複数スポット見るなら
これが一番安上がりだしね。
回を重ねるごとに規模が拡大し、今年は国内外からさらに多数の来場者が来ることが見込まれる上に、
今年は平日は職業訓練で休めないため週末にしか行くことができず。
さらに前回まではパスポート割引があった地中美術館や豊島美術館も今年はなし。
というわけで今回は混雑が予想されるメインの直島・豊島は避け、
今まで行ったことのないマイナースポットにターゲットを絞ることに。
まずは瀬戸大橋四国川の袂にある沙弥島会場へ。
かつては周囲を海に囲まれた島も1967年に埋め立てられて地続きに。
沙弥島会場は毎回春会期のみの開催で、これまで春会期に訪れたことがなく、
今回ようやく訪れることができました。
坂の上の雲ミュージアム。
安藤忠雄設計により2007年に開館。
「坂の上の雲」は司馬遼太郎の歴史小説。
1968年から1972年にかけて産経新聞夕刊紙に連載されました。
2009〜2011年にかけてNHKでドラマ化もされました。
三人の主人公秋山好古、真之兄弟と正岡子規の故郷、ということで、
本作の史料を展示するミュージアムが松山市のど真ん中、松山城の麓にあります。
愛媛に来て8年、ようやく来ることができました。
来媛直後から気にはなっていたのですが、なにぶん街なかにあって駐車場がなく、
田舎暮らしで公共交通機関がほとんど利用できない状況だったので、
なかなか訪れることができませんでした。
GWの中日、久しぶりに松山駅前の喜助の湯に入りに行くことにしました。
ここは4時間まで駐車場が無料になるので、その時間を利用して、
藤が見頃の庚申庵を見た後、市電で坂の上の雲ミュージアムへ行くことに。
外観は何度となく見ていたのですが、中に入ってはじめて、
あらためてこの空間の素晴らしさを実感しました。
小ぢんまりながら想像以上に素晴らしい空間でした。
松山出身の俳人といえば、幕末から明治に生きた正岡子規が有名ですが、
その前に江戸時代に活躍した俳人として栗田樗堂がいます。
酒蔵の三男として生まれ、17歳のときに同業の栗田家の養子に入り、その蔵を継ぐ。
養父及び妻が俳人であったことから自然と俳諧に慣れ親しむ。
松山藩の大年寄になるなど精力的に活躍していたが、五十を超える頃、
浮世を捨てて俳諧に専念するために草庵・庚申庵を建てました。
樗堂はここでの隠遁生活を望むも、その有能さゆえか周囲はそれを許さず、
庚申案での生活はわずかな期間だったと言います。
その後、樗堂は俗世から逃れるために御手洗島(現在の広島県・大崎下島)に移住し、
そこで66年の生涯を終えます。
俳人としての腕前は相当なものだったようで、
当時発行された俳人番付で、あの小林一茶が末席だったのに対し、
樗堂はかなりの上位に列せられていました。
実際、一茶はかなり樗堂をリスペクトしていたようで、二度ほど樗堂の元を訪れています。
とくに誹諧に興味があったわけではなく、
テレビでふじまつりの様子を見て、行きたくなりました。
少々満開の時期を過ぎていましたが、なかなか見事な藤棚でした。