「ゴーギャン」と一致するもの

フィリップス・コレクション展【三菱一号館美術館】

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久々の東京出張。
帰りの飛行機までの時間を利用して、久々のお江戸での美術鑑賞。


東京都美術館でのムンク展に続いて、
三菱一号館美術館で開催中のフィリップス・コレクション展へ。


フィリップス・コレクションは裕福な実業家の家に生まれた
ダンカン・フィリップスが蒐集した美術作品群です。
1918年に法人化し、1921年にこれらのコレクションを展示する場として、
ワシントンDCにフィリップス・メモリアル・アート・ギャラリーを開館しました。
これはMoMAの開館よりも8年も早く、アメリカで最初に開館した近代美術館とされています。

ダンカン・フィリップスは1966年に亡くなりましたが、
その精神はフィリップス・コレクションに受け継がれ、
現在、同コレクション所蔵品数は4,000点以上にもなります。

本展はこの世界有数の近代美術コレクションの中から、
アングル、コロー、ドラクロワ等19世紀の巨匠から、
クールベ、近代絵画の父マネ、印象派のドガ、モネ、印象派以降の絵画を牽引した
セザンヌ、ゴーガン、クレー、ピカソ、ブラックらの秀作75点を展覧するものです。


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広島滞在最終日。
小雨の降りしきるなか、ひろしま美術館に行ってきました。
初訪問。

平和記念公園の北側と広島城の南側に挟まれたひろしま美術館は、
広島銀行が創業100周年を記念して1978年11月3日に開館しました。
設計は与謝野久/日建設計。

訪れた日は開館40周年を記念して、
本館が所蔵するる全館コレクション展示の初日でした。

開館時間に合わせて美術館に向かったのですが、
3,4台しか置けない美術館駐車場はすでに満杯、
やむなく隣の市民病院の有料駐車場に停めて、いざ中へ。

順路に従って作品鑑賞をしていたら、
中央ホールに人がわさわさ集まりはじめていたので、
何事だろうと見ていたら、
気品あるご婦人が話し始め、よくよく聞いていたら、
芸術作家・原田マハさんでした。
その日の夕方から講演会があったみたいですが、
事前申込制だったらしく、聞きに行けず。


それにしても一介の地方銀行にしては豪華すぎる所蔵品の数々にびっくり。
しかも全作品撮影OKだなんて。

見直したぞ、広島銀行。


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夏休み二日目は滋賀。

MIHO MUSEUMに続いては琵琶湖湖畔に建つ佐川美術館へ。
2009年の初訪から9年ぶり二度目の訪問。

本美術館は画家・平山郁夫と彫刻家・佐藤忠良と陶芸家・樂吉左衞門の作品を展示するものですが、
今回は開館20週年記念の特別企画展として、田中一村展が開催されていました。



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神戸で兵庫県立美術館メリケンパークを訪れた後、一路大阪へ。

お目当ては国立国際美術館で開催中のプーシキン美術館展。
プーシキン美術館はロシアの首都モスクワにあるヨーロッパ最大の美術館であり、
収蔵品数は約10万点でエルミタージュ美術館に次いで世界二位。
本展はその膨大なコレクションの中から、フランス風景画に焦点をあてたものになります。

金曜・土曜の午後5時〜9時のナイトタイムで会場内での写真撮影が可能、
ということで夕方5時に現地に到着して夜の美術館を堪能してきました。


ルドンー秘密の花園【三菱一号館美術館】

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訪問日:2018年4月17日


おおよそ2ヶ月前の話。

東京ステーションギャラリーでの隈研吾展をあとにして、
三菱一号館美術館で開催中のルドン展へ。

ルドンの絵は過去2回のオルセー展(1回目2回目)などで、
何度か目にする機会がありましたが、単独での大々的な展覧会は今回がはじめて。

時代的には印象派の時代に生きた画家であり、第8回の印象派展にも出品しているものの、
印象派とは一線を画し、独自の路線を歩んだ。

風景画の巨匠に教えを受けるも、
彼が描く絵は風景と人間の内面とが混ざりあった独特の世界だった。

周囲に流されず、自分のアイデンティティを築き上げたという点で
どこか自分の心を刺激する画家の一人。


夢の美術館ーめぐりあう名画たちー【島根県立美術館】

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島根県立美術館に行ってきました。

北九州市立美術館と福岡市美術館の所蔵品を展示する「夢の美術館」展が開催中でしたが、
一番の目的は菊竹清訓さんが晩年に設計した空間を見ることでした。

宍道湖畔に建つその建物は湖畔側、道路側ともに緩やかな弧を描いており、
水面と大地をつなぐ「なぎさ」をイメージしたものだそうです。
一歩その建物の中に入ると、天井にそのなぎさ仰ぎ見ることで、
あたかも水の中を優雅に闊歩しているような錯覚に見舞われる。


島根県立美術館は島根県立博物館の財産を継承する形で1999年に開館しました。
島根県立博物館(現・島根県公文書センター)も1959年にやはり菊竹さんが手がけました。
ほかにも島根県立図書館、島根県立武道館、田部美術館など、
松江には菊竹さん設計の建物がけっこうあるようです。

島根県立美術館では水を主題とした作品の収集に力を入れており、
開館20年に満たない若い美術館ながら日本近世絵画から19世紀フランス絵画や現代彫刻まで
4400点を越える規模にまでに成長しています。

福岡の2つの美術館所蔵品を展示する今回の企画展は予想以上に豪華な顔ぶれでしたが、
島根県立美術館のコレクションもこれに負けない豪華な顔ぶれでした。
しかもコレクション展に関しては撮影OKというオープンスタンスも嬉しい。

菊竹さんの作った素晴らしい空間にふさわしい展示内容で、
企画展と所蔵品展とを合わせてまさに「夢の美術館」でした。


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[図録 2300円]


愛媛県美術館で開催中の「ターナーからモネへ」展へ行ってきました。

本展は1907年設立の英国ウェールズ国立美術館が誇るコレクションより、
19世紀から20世紀初頭にかけてイギリスやフランスで活躍した画家たちの作品70点あまりを展示したもの。
規模的には先月観に行った新居浜市美術館での東京富士美術館コレクション展とほぼ同じなんだけど、
こちらのほうがボリュームが大きく感じたのはそれだけ良作が多かったからでしょうか。
(いや、東京富士美のコレクションも良かったのだけれど^^;)

また、「ターナーからモネへ」というタイトル通り、
ロマン主義から印象派、ポスト印象派までを年代順に章立てし、
イギリス、フランスと地域を限定することで分かりやすい内容になっているのも良かったです。


地域別に見るロマン主義の多様性

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[テオドール・ジェリコ『襲撃する近衛騎士官』1812](出典:Wikipedia)

それまでの装飾的・官能的なバロック、ロココの流行に対する反発として、
18世紀中頃から19世紀初頭にかけてに台頭した新古典主義。
しかしそれもやはり一通り落ち着いてしまうと、時代はさらに次の様式へと移行する。

それがロマン主義。
保守的・安定的だった新古典主義に対して、再び革新的でダイナミズムな作風へ。

...歴史は繰り返す。


本記事は社会人学生時代の自分の西洋美術史のテスト答案を元に再構成したものです。
テストは授業内容(ルネサンス以降の美術史)の中から2つ、
自分にとって「最も大きな発見」をピックアップして自分の意見も含めて説明しろ、というもの。

自分は「バロック様式」と「ロマン主義」をピックアップ。

採点は見事100点をいただきましたが、
だからといって本記事が客観的に絶対正しい、ということを保証するものではありません。
あくまで一学生の主観に基づくレポートであることをご理解ください。


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[ルーアン大聖堂(クロード・モネ、1893年)]


大塚国際美術館での展示作品。
会場内は撮影可能ということで、気の向くままにお気に入りの作品を撮影しました。

本記事では印象派をピックアップ。
一番好きなジャンルなのだが、大塚国際美術館で見ると一番がっかりするジャンルでもある。
それはそれまでの絵画が極力「タッチ(筆致)」を消すものであったのに対し、
印象派ではタッチを画家の個性、表現として重要視するから。
陶板画はいわば二次元プリントであり、筆致までをも再現することはできず、
平滑なキャンバスになってしまう。
それでは本当の印象派を理解することはできない。


...あくまで素人の自分なりの独自の解釈です。
知識不足、勘違い、根拠に欠ける部分も多々あることをご了承ください。


照明がやや暗めで暖色系のため、作品画像はピンぼけ気味でやや赤っぽくなっています。
また、陶板特有の光沢もあります。
さらに傾き補正やレンズ補正をかけているため、
必ずしも作品(本物)の内容や構成を忠実・正確に表すものではないことをあらかじめご了承ください。

「だいたいこんな感じのもの」という感じで見ていただけたらと思います。


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徳島県鳴門市の大塚国際美術館に行ってきました。
愛媛の山奥から片道9時間(下道)かかりました。;;


この美術館は世界の名画を陶板で再現した世界初の「陶板名画美術館」だそうです。
また「行ってよかった日本の美術館&博物館」で1位に選ばれたこともあるそうです。
古代から現代までその数千点以上。
高い保存技術でその品質は二千年以上経っても色褪せないそうです。


陶板はいわば高画質プリントである。
そしてそれは、絵画がただの二次元でないことを教えてくれる。
平面のキャンパスに描かれる絵画にも「厚み」があることを教えてくれる。


絵画は「グラフィック」ではなく、「プロダクト」なのだ、と。