2017年11月19日

八木一夫と清水九兵衛 陶芸と彫刻のあいだで【菊池寛実記念 智美術館】

アート

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半年ぶりの東京2日目。

六本木の国立新美術館で安藤忠雄展を見た後、
日本橋の三井記念美術館で開催中の超絶技巧展を見に行こうと地下鉄での移動中、
人身事故かなんだかで、電車がまさかのストップ。
当面動きそうもなく、このままだと飛行機の時間に間に合わなくなる。

そこでプランB。
上京前に日曜美術館を見て少し気になっていたものの、
時間の都合上あきらめていた菊池寛実記念智美術館へ行くことに。
折しも電車が止まったのが最寄り駅の神谷町。

これはもうこちらの美術館に行きなさい、という神のお導き。
神谷町駅からゆるやかな坂道を上がった先のホテルオークラの向かいに建つ一風変わった建物。
西久保ビルというそうですが、中世に西久保城というお城があったことに由来するそうです。
美術館はこの建物の地下にあるわけですが、
地上に奇抜なビル、地下に美術館というスタイルは山種美術館に似てますね。


しかしこの美術館はスバラシイ。
近年まれに見る大当たりの美術館でした。


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2017年11月18日

安藤忠雄展 挑戦【国立新美術館】

建築デザイン / アート / 展示・イベント

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建築に何が出来るのか、そもそも建築とは何なのかー私は建築の本質とは、人工と自然、個人と社会、現在と過去といった、人間社会にまつわる多様な事象のあいだの関係づくりと考えています。その意味で、人々共に木を植えて街に緑を取り戻す活動もまた、私にとっては建築です。既にある風景、社会制度の中に入り込んでいって、予定調和から外れた試みをしようとすれば、当然、摩擦や衝突が起こります。建築の原点たる住まいの問題、空間の光と影といった美学状の問題、あるいは都市空間、場所の風土の問題。つくる度にさまざまなテーマに直面し、それらに建築で応えるべく、悪戦苦闘してきました。その全てが挑戦でした。


半年ぶりの東京2日目。
朝一で六本木の国立新美術館へ。

建築家・安藤忠雄の半世紀に渡る建築活動を紹介する展覧会。
ギャラリー「間」21_21、ANDO MUSEUMなど、
過去何度か安藤さんの展示は見に行ってますが、
これほど大規模なのははじめて。

270点もの資料や模型で89のプロジェクトを紹介する過去最大規模のもの。
この展示を見るだけでもよくまあ、これだけやってきたもんだと感服するのですが、
一方で安藤さんの「連戦連敗」という本では、
実現しなかったプロジェクトも山ほどあったというのだから、
展示ボリュームをはるかに超えるエネルギーを安藤さんは建築に注ぎ込んできた。
そう考えると、さらにその感服度合いが大きくなります。

それでも東京という日本でもっとも大きな街で、
日本で最も有名な建築家は自分の回顧展を自分の設計した美術館で開催できなかった。
そこに日本の建築界の窮屈さを垣間見たような気がします。
その意味においても、晩年に差し掛かって身体がボロボロになってなお、
夢を抱き続ける安藤さんの挑戦はまだまだ続くのでしょう。


「目標があるうちは青春だ」


自分もそういう人生をおくりたいと思う。


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2017年11月14日

シャガール 三次元の世界【東京ステーションギャラリー】

アート

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[図録]


半年ぶりの東京。

竹橋の国立近代美術館に続いて東京駅構内にある東京ステーションギャラリーへ。

正直企画展よりは、新しくできた美術館そのものが目的でした。
東京駅の復元工事に伴って新しくできた美術館かと思いきや、
開館は1988年、なんと自分が上京する前からあったんですね。
東京駅は毎日通勤で通過していたのに全く知りませんでした。
近くにあるものを意外と知らない。
ものごとってえてしてこんなものですよね。


というわけでシャガールが格別好きだから、というわけではなかったのですが、
美術館の空間はもちろん、展示そのものも期待以上にすごく良かった。

画家として有名なシャガールですが、
重力という常識から開放されたようなその作風からして、
二次元の枠におさまらない雰囲気は十二分にありましたが、
実際こんなにもたくさんの三次元作品を手がけていたことに驚きでした。


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2017年11月12日

MOMATコレクション【東京国立近代美術館】

アート / 展示・イベント

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半年ぶりの東京。
今回も一泊二日の弾丸ツアー。


まずは竹橋の東京国立近代美術館へ。
地下鉄の地上出口を出ると外はあいにくの雨。

一番の目的は企画展「日本の家」展。
平日だし、天気も悪いし、テーマ的にもそんなに人はいないだろう...

と思ったのがあまかった。
中は予想以上の混雑。
しかし内容は期待に反して建築の美的感覚の追求というよりは、機能的理論の考察といった感じで、
どちらかと言えば建築関係者などの玄人向けのように見えました。
しかも図録が三千円以上と高い(結局買わず)。

清家清の「斎藤助教授の家」の原寸大模型は良かったけれど、
全体的には期待はずれ感が否めず。

一発目からハズレか?

...と思いつつ続いてコレクション展へ。

...これがめっちゃ良かった。


企画展での物足りなさを補って余りある一発逆転なのでした。

※本展はすでに終了しています。


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2017年11月 9日

聖徳太子創建、足利尊氏も祈願した必勝祈願のお寺・浄土寺【広島県尾道市】

空間デザイン

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10年ぶりの尾道。

千光寺公園の駐車場に車を停め、千光寺から天寧寺と下りてきて、
国道沿いに東へどうすること10分。
最後の目的地、浄土寺に到着。


推古天皇24年(616年)聖徳太子開基と伝えられる。
鎌倉時代の終わり頃には荒れ果てていたが、定証上人により復興。
その20年後に焼失するも尾道の邑老道蓮・道性夫妻により堂宇再興の大願を発して再建、
現在に至る。

室町時代には武家・公家双方から手厚い外護を受ける。
特に足利氏による庇護は厚く、足利尊氏が九州に落ち延びる際には、
浄土寺にて戦勝挽回を祈願したところ、その後の戦いで見事に勝利し、
室町幕府の初代征夷大将軍となった。

南北朝時代の戦乱の世へとの移行に伴い再び荒廃するも、
江戸時代では地元豪商の庇護を受けることで支配階級からの保護から一転、
庶民信仰中心の寺院へと変貌した。


約700年も前の建造当初の様子をよく残しているとのことから、
境内の土地と建物(本堂・多宝塔)の両方で国宝の指定を受けています。
これはこの浄土寺と京都の清水寺のみです。


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2017年11月 5日

南北朝創建古刹1367年 曹洞宗・天寧寺【広島県尾道市】

空間デザイン

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尾道散策。
山上の千光寺から麓の国道に降りてくる途中に見える見事な三重塔。

三重塔以外の本堂や山門はどこだろうと思いつつ、
見つけられぬまま通り過ぎること数回。
今回ようやくお寺の全貌を目にすることができました。

三重塔以外にも五百羅漢や直原玉青の襖絵など、見どころ満載のお寺でした。


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現代アート、はじめます。草間彌生からさわひらきまで【尾道市立美術館】

アート

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草間彌生『ハーイ、コンニチワ!ヤヨイちゃん』『ハーイ、コンニチワ!ポチ』(2004)

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広島県尾道市の千光寺公園の中にある尾道市立美術館へ行ってきました。

国内の現代アートコレクターを代表する高橋龍太郎氏、田口弘氏、桶田夫妻の
膨大なコレクションから第一線で活躍する現代アーティストの作品約40点を展示する
企画展が開催中でしたが、自分のもっぱらの関心は、
安藤忠雄設計によりリニューアルされた美術館そのものでした。
開館当初の美術館の様子を知らないので、新旧の変化を探ることはできないのですが、
古い伝統的な寺社建築の前に安藤さん独特のコンクリートボックスが配置されるという
割りと分かりやすい構造なので安藤さんの行った改修ポイントがそれなりに見えた気がします。

外見的には比較的新旧の建物の区別がはっきりしているのですが、
内部はシームレスにつながっており、単に古い建物の前に新しい建物を加えただけでなく、
一つの美術空間としてトータル的に見直されたことが分かります。


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2017年11月 4日

音に名高い千光寺の鐘は一里聞こえて二里ひびく【千光寺|広島県尾道市】

空間デザイン

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尾道の千光寺に行ってきました。

大同元年(806年)、弘法大師開基の真言宗系のお寺。
大宝山(千光寺山)の中腹140メートルの斜面上に建っています。
本尊は聖徳太子作と伝えられる千手観音菩薩。
三十三年に一度にご開帳となる秘仏で、
「火伏せの観音」と称されとくに火難除けに霊験あらたかなのだそうです。

明治になって、尾道に遊園地がないことを憂えた千光寺のご住職が、
寺領の一部を提供して公園整備を行い、千光寺公園ができました。
10年以上前に訪れたときは小さいながら観覧車もあって、
遊園地的な雰囲気も多少あったのですが、
その観覧車も今はなく、普通の公園になってますが、
この公園があったからこそ、
巨岩だらけの斜面にへばりつくように建つこのお寺に参拝客を呼び込むことができたのです。

今ではロープウェーも通ってアクセスも良くなり、
尾道といえば千光寺、と平地の寺社群よりも有名な観光スポットになりました。

公園を作ろうと思ったご住職に先見の明があったからこそ、
現在の千光寺があるんですね。


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2017年10月29日

八百万の神が一年に一度集う社・出雲大社【島根県出雲市】

空間デザイン

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国宝建築行脚の旅。
島根県2つめの国宝は出雲大社。


あらゆるものが豊かに、力強くある国「豊葦原の瑞穂国」を築かれた大国主大神は、
この国を天照大御神にお譲りになり、そのことを喜ばれた天照大御神は、
高天原の諸神を集められて大国主大神の宮殿「天日隅宮(あめのひすみのみや)」を造営されました。
これが現在の出雲大社です。
なお、出雲大社は通常「いずもたいしゃ」と読みますが、
正確には「いづもおおやしろ」と読むそうです。

このようにして目に見える世界を天照大御神が治め、
大国主大神は目に見えない世界を司り、
そこにはたらく「むすび」の御霊力によって人々を幸せに導いてくださるのだそうです。

年に一度、全国の神々は出雲大社の大国主大神の元に集まって、
人々の"しあわせ"の御縁を結ぶ会議「神議(かみはかり)」がなされます。
これが10月のことであり、この月を「神無月」と呼ぶ由縁です。
(逆に出雲の地では「神在月」になります)
神々が集まってなされる神議の催しを「神在祭」と呼びます。


出雲大社へは子どもの時分に親に連れられてきたことがありますが、
大人になってきちんと訪れるのははじめて。


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2017年10月28日

夢の美術館ーめぐりあう名画たちー【島根県立美術館】

建築デザイン / アート

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島根県立美術館に行ってきました。

北九州市立美術館と福岡市美術館の所蔵品を展示する「夢の美術館」展が開催中でしたが、
一番の目的は菊竹清訓さんが設計した空間を見ることでした。

宍道湖畔に建つその建物は湖岸のカーブに沿って緩やかな弧を描いており、
水面と大地をつなぐ「なぎさ」をイメージしたものだそうです。
一歩その建物の中に入ると、天井にそのなぎさ仰ぎ見ることで、
あたかも水の中を優雅に闊歩しているような錯覚に見舞われる。


島根県立美術館は島根県立博物館の財産を継承する形で1999年に開館しました。
島根県立博物館(現・島根県公文書センター)も1959年にやはり菊竹さんが手がけました。
ほかにも島根県立図書館、島根県立武道館、田部美術館など、
松江には菊竹さん設計の建物がけっこうあるようです。

島根県立美術館では水を主題とした作品の収集に力を入れており、
開館20年に満たない若い美術館ながら日本近世絵画から19世紀フランス絵画や現代彫刻まで
4400点を越える規模にまでに成長しています。

福岡の2つの美術館所蔵品を展示する今回の企画展は予想以上に豪華な顔ぶれでしたが、
島根県立美術館のコレクションもこれに負けない豪華な顔ぶれでした。
しかもコレクション展に関しては撮影OKというオープンスタンスも嬉しい。

菊竹さんの作った素晴らしい空間にふさわしい展示内容で、
企画展と所蔵品展とを合わせてまさに「夢の美術館」でした。


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