「バウハウス」と一致するもの

Casa BRUTUS特別編集 死ぬまでに見ておくべき100の建築

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カーサ・ブルータスが選ぶ「いつかは行きたい!世界の名建築100選」。

...建築好きならば間違いなく興味が喚起されるテーマですよね。
数多ある建築群から限られた状況でどれだけ多くの名建築に巡り会えるか。
それは事前に知識として名建築を知っておくことにほかならない。

東京の会社を辞めて美大に行くことを決めたときから、
多くの情報をリサーチし、実際に訪れてもいるけれど、
次から次へと名建築は現れる。
まあ、それは幸せなことなんだろうけども。

自分の場合はどれだけ多くの名建築を訪れることができるか、ではなく、
死ぬまでに自分で思う究極の建築を一つ作るのが最終的なゴールではあるけども、
そのためにはやはりリサーチし続けなければならない。


近代建築とデザイン【川添登/高見堅志郎】

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同級生がくれた本。

出版・社会思想社、初版1965年。
もらった本は1998年の第19刷版。

かなりのロングセラーだったようですが、現在はほぼ絶版状態。


古い本だけど、かなり濃い。

1年生のときにデザイン史の授業を受けたけれど、
この本はそれを補って余りある。


自分がクラシカルに固執するのは単に懐古主義だからではない。
別に過去を知らずとも、新しいものは作れるのかもしれない。
新しい、ということはただそれだけで価値がある。
しかし、ややもすればその価値だけに依存しがちでもある。
そして、新しさを失ったとき、その価値も消えてしまうのである。

新しいものが新しいものでなくなったとき、
それが生き残ってゆくには、新しいだけでない、ずっと残っていく価値、
「本質」が芽生えていなければならないのである。

今を生きる自分が過去のものと出会うとき、
その過去は本質を備えているが故に生き残った良質なものたちである。
だから人はクラシカルを学ぶべきである。


故きを温めて新しきを知れ。

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過去にミースに関する本を2冊読みました。


  ・評伝ミース・ファン・デル・ローエ
  ・ミース・ファン・デル・ローエ 真理を求めて


再びミースについて考える、という意味で本書は最適かな、と思って読んだのですが。

いまだに1つもミース建築を実際に訪れたことがないからか、
...さっぱり分からない。

ニューヨークに旅行したとき、シーグラムビルを見逃したことが返す返すも悔やまれる。


それにしても。

"Less is More"をテーマに極限までムダを削ぎ落としたシンプルな立方体の空間に、
どうして周囲はこうも複雑な解釈をしようとするのか、不思議でならないのだけど、
ある意味そういう状況が本当の意味での"Less is More"なのかな。

写真を見るだけでもその美しさは半端ではない。
実物を見たときの感動はいかばかりか。
(...あるいはグラフィックの魔術で、実際はそれほどでもないかもしれないけど)


しかし彼の模倣品である20世紀都市はなんと醜いことか。

そして思うのである。


  「立方体は人間にとって最適な空間を与える本質的なフレームではない」


ミースだからこそ、立方体の空間を美の極みへ高められたのだ、と。



[ナウム・ガボ『線的構成No.1(ヴァリエーション)』]


桜の頃に川村記念美術館へ訪れたとき、釘付けになった作品。


モホリ・ナギ、カンディンスキーと同じコーナーに展示してたので、
てっきりバウハウスの人かなあ、と思いきや、
Wikipediaによれば、ロシア・アヴァンギャルドの彫刻家だったんですね。
ロシア構成主義の命名者の一人でもあったとか。

...といってもアヴァンギャルドも構成主義もよく知らないのだけど。


基本構成要素は線形的、幾何学的。
しかしそれで形成される形を全体的に眺めると有機的。

...まさに自然美。

美とは、独創的であるかどうか、ではなく、本質的であるかどうか。

...これに尽きるのではないだろうか。


建築MAP東京

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GWの疲れがまだ残っていたのか、
天気の良い週末ながらどこにも出かける気も起きず。
久々になにもせず、自宅でゆっくり過ごす休日。

まあ、こういう週末も悪くない。


およそ3年以上もプータロー学生を経験した身分としては、
「なにもしない」ということがいかに価値あることかが分かる。
もちろん、なにもしない毎日は良くないけれど。
日々の生活にリズムを刻み、勢いをつけるためには
たまの「なにもしない日」というのはとても重要なのである。

それに「なにもしない」といっても、
家から一歩も出ずにどこにも行かなくても、
厳密に「なにもしない」ということはなく、なにかしらしている。

息もするし、食事もするし、何かしら考えている。


...前置きが長くなったけど。


大学からの帰り途、
とくに用がないときは自由が丘のブックオフや古本屋に足を運び、
掘り出しものがないか物色するのが週課となってます。

懐が厳しい時期だけによっぽどの程度の良い掘り出しもので、
なおかつリーズナブルでない限りは買わないことにしているのだけど。


今回は2冊も見つけちゃいました。

さんざん迷った挙げ句、買っちゃいました。

DIC川村記念美術館【千葉県佐倉市】

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千葉県佐倉市の川村記念美術館に行ってきました。

新しいバイトをはじめて1ヶ月が無事過ぎ、いよいよ初給料日間近。
そして来週には大学4年生のスタート。
毎回休みには貧乏旅行をしていたわけですが、
いよいよそんな悠長なこともしていられない状況になってしまい、
バイト三昧の春休みだったけど。

日帰りでも、近場でもどこか行っておきたい。
ちょうど桜も見頃だし。

候補として、水戸芸術館か川村紀念美術館が頭に浮かぶ。
水戸芸術館は過去に何度か行ったこともあって、磯崎新のタワーが大好き。
また、水戸の偕楽園へも一度は行ってみたいなあ、と。
対する川村記念美術館は千葉は佐倉にある庭園美術館。
前から一度行きたいと思いつつ、未だ行けてなかった。

で、交通費を調べたら...
なんと水戸は佐倉の倍はかかることが発覚。
一も二もなく佐倉に決定。
...水戸って遠いんだな。

かつての会社員時代に通い慣れた総武線で2時間ほどかけて佐倉へ。
佐倉駅からは無料シャトルバスで20分ほど。


佐倉で桜を満喫。


Felix Candela―フェリックス・キャンデラの世界

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フェリックス・キャンデラ。

1910年スペイン生まれの構造家。
スペインで建築の基礎を学んだ後、ドイツ留学を目の前にしてスペイン内戦勃発。
フランコの敵対政権についたため、敗戦後メキシコへ亡命。
そしてこの亡命先で花開くわけです。


世界の現代建築の潮流を大雑把に分けると、
バウハウスに端を発するゲルマン系と、ガウディに端を発するラテン系に
大きく分けられると思うのです。
ちゃんとした根拠ではなく、あくまで僕の主観的な感じ方ですけど。

ゲルマン系はドイツの国民性に代表されるかのごとく、
スマートな直線で構成された白系統の建築で、
モダニズムの主流をいくもの。
中央ヨーロッパ、北欧、アメリカ、日本など「北方」がメイン。

一方ラテン系は、
ユニークな曲線でカラフルな建築で独創的。
スペイン、メキシコ、南米など「南方」がメイン。

北のスマートな建築も大好きだけど、
自分が本質的に好きなのは南の建築だと思う。

ガウディ、カラトラバ、ニーマイヤー、バラガン...
南の建築を代表する建築家はどれもどこかプリミティブなところがある気がするから。
しかし彼らは天才肌でもあるからなかなか真似しようとしても真似できないのだけど。

キャンデラも例に漏れず偉大な天才だったようです。

スペインで建築を学んでいた当時、すでに同じ国内で活躍していた
エドゥアルド・トロハに惹かれるも冷たくあしらわれ、
ドイツ留学が決まっていながらも内戦勃発でおじゃんになるという
不遇に遭いながらもそれを好機とするポジティブさ。
たぶんトロハに師事し、ドイツに留学していたら
その後の彼の名声はなかったのかもしれない。

彼自身新しい技術や素材を開発したわけではないけれど、
すでにあるものを活用して独創的でありながら汎用性のある建築を生み出した。
また当時発展途上だったメキシコでは設計だけの仕事はなく、
設計から施工までこなせなくてはならなかった状況が
彼をトータル的なオールラウンダーにした。

HPシェルにこだわり、
極限までその厚さを薄くしながらも強度を保ち、
全体の意匠としては曲線なのに基本要素は直線で構成できるので
独創的な形を生みながらも経済的である。
複雑な計算のみに頼らず、シンプルな数式から答えを見出そうとする一方で、
エンジニアにありがちな論理的思考最優先という考えではなく、
自身の「感覚」を大切にしようとするそのスタイル。


...まさにHPシェルの大家という称号がふさわしい。


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3年次への進級が決まり、2年次の成績も確定した、ということで。

2年次で提出したレポートなどを紹介していきます。

あくまで自分の考察を第三者に問いたい、という欲求によるものであり、
レポートはこう書けばよい、という手本ではありません。
念のため。

万が一この記事を読むのが大学の先生ならば、
レポート課題は面倒でも毎年毎回テーマを変えることをお願いしたいです。
学生のモチベーションを上げるのも講師としての度量のうちではないでしょうか。
毎年同じ課題でコピペですむような課題は
学生にとっても講師にとって無意味ですし。


まずは『写真表現史』。
写真大好きな先生で、写真について語るときの表情は本当に幸せそうです。
こんな風に語れるものを自分も持ちたいと思いました。


建築への道

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夏休み明けに心待ちしていたものとして、
専攻の決定の他に転学部の募集案内がありました。


実は夏休みに入る前から漠然と転学のことを考えていました。
やはり建築を勉強したい、と。
建築は最も規模の大きなデザインであり、唯一量産しなくてもよいデザインであり、
空間を内包するプロダクトデザインである。

グラフィックデザインから、プロダクトデザイン、そして建築へ。
バウハウスでデザインの究極の目標を建築に置いているように
自分のデザインの究極の目標も建築にあるような気がする。


上野毛にはスペースデザインというコースがありますが、
厳密には建築を学ぶところではなさそう。
卒業しても二級建築士の受験資格も得られない。
(八王子のほうは得られます)


懸案事項は山積みだけれど、やっぱり僕は建築を学びたい。
それが今の自分の正直な気持ちかな。

バウハウス・デッサウ展【東京藝術大学大学美術館】

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会期終了を間際にしてようやく行ってきました、バウハウス展。

前売りチケットはかなり前に買っていたのですが、
なかなか重い腰が上がらず、もっと早い時期に行ってれば
涼しくて楽だったんだろうけど、猛暑の中汗かきかき上野まで。

実は藝大美術館の中に入るのは今回がはじめて。
さらに自分が通う多摩美にも美術館はあるのですが、これもまだ行ったことなし。
だって遠いし、面白い展覧会やらないんだもんなあ。


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[チケット]

1919年ヴァイマールに開校し、デッサウ、ベルリンと場所を移し、
校長もグロピウスからハンネス・マイヤー、ミースへと変わり、
ナチスの台頭と共に1933年にその幕を閉じる。

14年という短いながらもその活動は今なおデザイン界に及ぼす影響は大きい...

...そうですが実際どうなんだ?
...ということで見てきました。