建築への道

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夏休み明けに心待ちしていたものとして、
専攻の決定の他に転学部の募集案内がありました。


実は夏休みに入る前から漠然と転学のことを考えていました。
やはり建築を勉強したい、と。
建築は最も規模の大きなデザインであり、唯一量産しなくてもよいデザインであり、
空間を内包するプロダクトデザインである。

グラフィックデザインから、プロダクトデザイン、そして建築へ。
バウハウスでデザインの究極の目標を建築に置いているように
自分のデザインの究極の目標も建築にあるような気がする。


上野毛にはスペースデザインというコースがありますが、
厳密には建築を学ぶところではなさそう。
卒業しても二級建築士の受験資格も得られない。
(八王子のほうは得られます)


懸案事項は山積みだけれど、やっぱり僕は建築を学びたい。
それが今の自分の正直な気持ちかな。

小さな頃から勉強は好きだった。

勉強は実家の自営業の手伝いから逃れる口実ではあったけど、
学ぶことは嫌いじゃなかった。
そして学んだ成果もそれなりに現れた。
これでも小中学生の頃は優等生だったのです。


ただ、学んだことを実践に生かせない人間だった。
それは高専に入った途端、如実に現れた。
なんのために学んでいるか分からず、苦手な理数系の授業ばかりで成績は停滞した。
そして勉強の楽しさを忘れていった。
授業中はよく居眠りをし、レポートやテストは優秀な同級生のノートで対策した。


養育義務のない祖父母に世話になっている、という負い目もあって早く自立したかった。
二十歳で高専卒業後は就職して地元を離れ、東京の会社に就職した。


それから15年。
めぐりめぐって僕は今、大学にいる。
まだまだ学ぶべきことがあることに今更ながら気付いた今日この頃。


転学にはいろいろな壁がある。
まず学費がアップする。そして貯金は底をつきかけている...
家もまたまた引っ越さねばならない。
そして八王子は昼間部だから当然ながら昼間は働けない。
夜働くことになるけど、課題が多くてバイトなどしてる暇などない、という噂も。

さらに八王子はいわゆる「普通の大学」なので、
基本的に社会経験のない若者ばかりで平均年齢がぐっと若くなる。
上野毛でさえ時々アウェイにいる気分になるのに、
八王子ではさらに...と思うのは無理もない話ではなかろうか。

学ぶ意味が分からないときは勉強に身が入らないもの。
自分が若い頃がそうだっただけにそういう若い学生を責める気はないけど、
はたしてそういう学生に囲まれてモチベーションが得られるのか。


...といった心配事項があるわけで。


大学の研究室の助手さんに相談してみたところ、
早稲田大学の中にある、建築を学べる専門学校を教えてくれました。
そこは多摩美と同じように夜間の大学でダブルスクールで来る人も多く、
モチベーション的にはこちらのほうが上がりそうな気もします。
そして卒業すれば多摩美の八王子と同じく二級建築士の受験資格も得られる。
それえいて学費は多摩美の半分!...これは魅力的。

しかしこちらにも懸案事項はある。
こちらに行く場合は当然今の大学は退学しなければならない。
中退していく場合は当然学士の称号はもらえないから
大学院へは進むことができない。

今の大学を卒業してから行く、という選択もあるけれど、
経済的、時間的な状況を考えるとあまり現実的ではない。

せっかくここまで来たのに中退なんて中途半端なことはしたくない。


...となるとやっぱり八王子への転学かなあ。
...と思うわけで。


僕はなんのために学んでいるのか。
学んだことを社会にどう生かすのか。


...それがはっきり分からないうちはやはり学び続けるしかない。