「ギャラリー「間」」と一致するもの

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訪問日:2018年4月17日(火)


おおよそ2ヶ月前の話。

出張で久々に上京しました。
最終日は移動のみで飛行機の時間が夕方だったので、
その待ち時間を利用して、久々のアート巡り。
...といっても2スポットのみだけど。

まずは東京ステーションギャラリーで開催中だった建築家・隈研吾の展示。
9年前に開催されたTOTOギャラリー「間」での展示以来二度目。
9年前でもすでにかなり有名だったとは思うのだけれど、
個展の範疇を超えない小規模だったのに対し、
今回は一流のアーティストとして見応えあるボリュームで楽しむことができました。


安藤忠雄展 挑戦【国立新美術館】

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建築に何が出来るのか、そもそも建築とは何なのかー私は建築の本質とは、人工と自然、個人と社会、現在と過去といった、人間社会にまつわる多様な事象のあいだの関係づくりと考えています。その意味で、人々共に木を植えて街に緑を取り戻す活動もまた、私にとっては建築です。既にある風景、社会制度の中に入り込んでいって、予定調和から外れた試みをしようとすれば、当然、摩擦や衝突が起こります。建築の原点たる住まいの問題、空間の光と影といった美学状の問題、あるいは都市空間、場所の風土の問題。つくる度にさまざまなテーマに直面し、それらに建築で応えるべく、悪戦苦闘してきました。その全てが挑戦でした。


半年ぶりの東京2日目。
朝一で六本木の国立新美術館へ。

建築家・安藤忠雄の半世紀に渡る建築活動を紹介する展覧会。
ギャラリー「間」21_21、ANDO MUSEUMなど、
過去何度か安藤さんの展示は見に行ってますが、
これほど大規模なのははじめて。

270点もの資料や模型で89のプロジェクトを紹介する過去最大規模のもの。
この展示を見るだけでもよくまあ、これだけやってきたもんだと感服するのですが、
一方で安藤さんの「連戦連敗」という本では、
実現しなかったプロジェクトも山ほどあったというのだから、
展示ボリュームをはるかに超えるエネルギーを安藤さんは建築に注ぎ込んできた。
そう考えると、さらにその感服度合いが大きくなります。

それでも東京という日本でもっとも大きな街で、
日本で最も有名な建築家は自分の回顧展を自分の設計した美術館で開催できなかった。
そこに日本の建築界の窮屈さを垣間見たような気がします。
その意味においても、晩年に差し掛かって身体がボロボロになってなお、
夢を抱き続ける安藤さんの挑戦はまだまだ続くのでしょう。


「目標があるうちは青春だ」


自分もそういう人生をおくりたいと思う。


建築MAP東京

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GWの疲れがまだ残っていたのか、
天気の良い週末ながらどこにも出かける気も起きず。
久々になにもせず、自宅でゆっくり過ごす休日。

まあ、こういう週末も悪くない。


およそ3年以上もプータロー学生を経験した身分としては、
「なにもしない」ということがいかに価値あることかが分かる。
もちろん、なにもしない毎日は良くないけれど。
日々の生活にリズムを刻み、勢いをつけるためには
たまの「なにもしない日」というのはとても重要なのである。

それに「なにもしない」といっても、
家から一歩も出ずにどこにも行かなくても、
厳密に「なにもしない」ということはなく、なにかしらしている。

息もするし、食事もするし、何かしら考えている。


...前置きが長くなったけど。


大学からの帰り途、
とくに用がないときは自由が丘のブックオフや古本屋に足を運び、
掘り出しものがないか物色するのが週課となってます。

懐が厳しい時期だけによっぽどの程度の良い掘り出しもので、
なおかつリーズナブルでない限りは買わないことにしているのだけど。


今回は2冊も見つけちゃいました。

さんざん迷った挙げ句、買っちゃいました。

負ける建築【隈研吾】

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隈研吾氏の「負ける建築」を"やっと"読んだ。


まだ建築に興味を持つ前の頃から、
安藤忠雄と隈研吾の名前は知っていた。
それほどこの二人の建築家の名前は社会の中でブランド化していた。

しかし今の自分は「ブランド」に対しては懐疑的。
この本の存在はけっこう前から知ってたけれど、なかなか手を出さずにいた。
「負ける建築」というネガティブなタイトルも好きになれなかった。


前回の個人美術館の課題で等々力の村井正誠紀念美術館を見学して、
隈氏の建築に触れる機会を得た。
そしてその空間の素晴らしさに魅了された。

そして現在乃木坂のギャラリー「間」で開催されている隈氏の個展
「有機的」を意識した氏の建築にさらに惹かれていった。
氏の建築思想をもっと知りたいと思った。


タイトルからエゴ丸出しの主観的な本かな、と思ったら、
全くの逆で、主観を殺し、あくまで客観的な語り口調。
自分の建築作品についてはほとんど語られていない。
その客観性が逆に自分の言説が絶対正義だという傲慢に写らなくもない。

そして建築家特有の文章の難解さ。
東大院卒のインテリだけに知性溢れる文章なんだけど、
決して読者には優しくない。
そしてこの本はすべての建築を志す者に夢を与える本ではない。
建築の現実の厳しさを説き、それでも君は建築を志すか?と読者に問う。
まさに子供を谷底に蹴落とす獅子のようなスタンス。


この本には賛同できる点が多い反面、疑問に思う点も多々。

いずれにせよ、この本は多くのことを考えさせられる。
その意味においてこの本は間違いなく良書といえる。

建築を志す人にぜひとも読んでもらいたい。
そして読んでどう思うか。
その声を聞いてみたい。


六本木心中

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 ...この街は広すぎる
 BIG CITY IS A LONELY PLACE
 独りぼっちじゃ
 街の明かりが
 人の気を狂わせる...
 (アン・ルイス『六本木心中』)


課題が一段落して、芸祭期間で大学が1週間の休み。
かねてから見に行きたかった展示を見に行ってきました。


  ・山種美術館 速水御舟展
  ・ギャラリー「間」 隈研吾展 Studies in Organic
  ・21_21 Design Sight THE OUTLINE 見えてない輪郭
 

天気も良かったので、散策がてら恵比寿~乃木坂~六本木を歩きました。


THE OUTLINE 見えてない輪郭【21_21】

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山種美術館ギャラリー「間」を経て、21_21へ。

恵比寿から六本木って歩ける距離なんだな。


深澤直人氏の展示、というわけで無条件に出かけたのですが...
結果的には今日見た3つの展示の中では、一番失望させられた。

誤解してほしくないのだけど、
深澤氏のデザインは本当に素晴らしいと思うし、好きだ。
ただ、OUTLINE(輪郭)というこの展示のテーマは見えてこなかった気がする。


デザインされるものはただそれだけで成り立っているのではない。
それを取りまく周囲との調和により成り立っているのだ。
デザインされるものとその周囲の関係-境界線。

それがデザインの「OUTLINE-輪郭」というものなんだろうけど。


隈研吾展 Studies in Organic【ギャラリー「間」】

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山種美術館での速水御舟展を見たあと、
TOTOのギャラリー「間」で開催されている隈研吾展へ。

天気もいいことだし、散歩がてら歩いてゆくことに、
六本木を経由して乃木坂へ。
TDW期間中、ということもあって人も多く、しかも外国人が多かった。


今日見に行った3つの展示のうち、
正直一番期待してなかった展示だけど、
結果的には一番良かった。

今、建築に一番興味が向いている、というのもあるし、
氏の建築が(僕の)想像以上にオーガニックを意識したものであるからだろう。


個人美術館の課題で等々力の村井正誠美術館を訪れてから、
隈さんに興味を持つようになった。
そして著書「負ける建築」を読みはじめました。


20世紀の建築は大地から「切断」されたものだった。
21世紀の建築は大地と「融合」したものでなければならない。

そのための膨大なエスキース。

答えはその中にしかない。


「骨」展【21_21】

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MOMATでゴーギャン展を見たその足で。

21_21の「骨」展を見にいってきました。
LEDの山中俊治ディレクション。

この展示を見る前に乃木坂のギャラリー「間」で
カンポ・バエザの展示を観にいったのだけど、
クライン・ダイサム展に続いてイマイチで消化不良だったので、
ミッドタウンまで足を伸ばして見てきました。

外は真夏日でうだるような厚さ。

21_21前の人工水路では足湯ならぬ「足水」で涼をとるイベントが開催されてました。

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思わずそこで涼をとりたくなりましたが、我慢して21_21へ。


構造に興味ある身としては、
「骨」というキーワードは多いにそそられるものがあったわけですが。

...正直期待以上の面白さだった。


Oscar Niemeyer Form & Space【GA Gallery】

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ギャラリー「間」での安藤忠雄展に引き続いてGA Galleryへ行ってきました。
こちらは現在活躍している世界最高齢の著名建築家、
オスカー・ニーマイヤーの展示です。


前は代々木駅から10分くらい歩いていたのですが、
メトロ副都心線が開通してからは北参道駅1番出口より徒歩2分。
だいぶアクセスが良くなった。


...しかし展示内容は微妙。
こちらは入場料が500円かかりますが、その料金が高い、と感じてしまった。
内容的には安藤忠雄展のほうが全然充実してる。
そっちに500円払いたいくらい。


しかしそれでも地球の裏側で活動する建築家の活動内容を知るための
数少ない機会の1つでもあるわけで。


安藤忠雄建築展【ギャラリー「間」】

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乃木坂のTOTOのギャラリー「間」と北参道のGA Galleryと
2つの建築系ギャラリーをはしごしてきました。

まずはギャラリー『間』。
こちらは安藤忠雄の展示

ここは無料でしかも基本的に会場内の撮影OK、なので
デジタル一眼をもって喜び勇んで出かけていったのですが...

...この展示に限って撮影はNG。
がーん。


まあそれでも展示は面白かった。

あまりにもメジャーになりすぎて、
逆に氏の建築哲学が分かりにくくなっていた気がするのですが、
この展示で少し理解することができた気がします。