安藤忠雄建築展【ギャラリー「間」】

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乃木坂のTOTOのギャラリー「間」と北参道のGA Galleryと
2つの建築系ギャラリーをはしごしてきました。

まずはギャラリー『間』。
こちらは安藤忠雄の展示

ここは無料でしかも基本的に会場内の撮影OK、なので
デジタル一眼をもって喜び勇んで出かけていったのですが...

...この展示に限って撮影はNG。
がーん。


まあそれでも展示は面白かった。

あまりにもメジャーになりすぎて、
逆に氏の建築哲学が分かりにくくなっていた気がするのですが、
この展示で少し理解することができた気がします。


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[乃木坂 TOTOギャラリー『間』]


狭い会場内にパネルはもちろん、大きめの模型もたくさん展示されていて、
とても楽しめました。

中でも氏の原点とでもいうべき建築「住吉の長屋」が
原寸大で会場内に復元されているのは圧巻。
実際にその空間を体験できる貴重な機会といえます。
しかも無料で。これは絶対お得です。

1976年に建てられたものですが、今見ても斬新。
このときにしてすでに便利さの追求よりも都会でも空を仰ごう、という
人間が本質的に要求する「楽しさ」を追求しようとする姿勢がそこにはあった。
それがこの作品が氏の原点と呼ばれる所以なのでしょうか。
(実際はもっと前にも作品はあったみたいです)

光の教会もすごかった。
単純な線と面で囲まれているだけなのに、
そこに教会としての神聖性、荘厳性が見事に表現されている。

コンクリートの存在感を上手に引き出せる。
安藤忠雄という建築家はそこが魅力的なのだと思います。

これだけメジャーな建築家ともなると、
良い評価はもちろん、悪い評価も耳に入ってきます。

まだままだ建築の世界を知らない自分にしてみれば、
その真偽はよく分からないけれど、
氏の生み出すコンクリートの造形は間違いなく美しい。
僕は好きです。


建築模型というとスチレンボードで作るのが普通かな、と思っていたのですが、
会場内の模型の多くはダンボールや木などで作られていて、
こちらのほうがなかなか良い質感が出てていいなあと感じました。
さらに光の教会と住吉の長屋は1/10の大きさでコンクリートで作られていて、
さらにリアリティが出ていてすごかった。
模型でもリアリティを出そうと思えば出せるんですね。


建築として一番好きなのはやはりアブダビ海洋博物館
直方体の底部をアーチとして切り出して浮き上がらせたようなその外観は
何度見ても美しく、見飽きない。

単一の曲面だけなのに一見してどんな形状をしているかよく分からない。
どうなっているんだろうと、ずっと見てしまう面白さがあります。


会場内の写真は残念ながら撮れなかったのですが、
帰りに氏の設計したメトロ副都心線の渋谷駅を通ったので少し写真を撮りました。


ホームに駅の模型が置いてあります。
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地中にでっかい卵か繭が埋め込まれているようなイメージ。


ホームからの吹き抜け。
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卵の端っこにあるエスカレータ。
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ホームの真ん中にはなぜか使われていない2本の線路が。
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今後の拡張に備えてのものなのかな。


副都心線の各駅はけっこうアーティスティックなのでしょうか。

こちらは明治神宮前駅にあった武田双雲の壁習字。
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大学の最寄り駅である大井町線上野毛駅も氏の設計により
リニューアル工事中ですがこちらはまだ形が現れず。
こちらも楽しみです。


本展は12月20日まで開催されています。
建築に少しでも興味のある方はぜひ。
オススメです。


...続いてGA Galleryへ。