札幌にきたときに見ておきたかった建築が、
イサム・ノグチのモエレ沼公園のほかにもう一つ。
それがアントニン・レーモンドの札幌聖ミカエル教会。
1960年に完成、北海道に現存する唯一のレーモンド建築。
東京の聖オルバン教会を気に入った教会がレーモンドに依頼、
レーモンドは無償でこの教会を設計したという。
竹中工務店のギャラリー「A4」での展示でこの教会の見事な模型を見て以来、
いつかは訪れたいと思っていたのだけど、こんなにも早く訪れる機会がくるなんて。
...神に感謝。
モエレ沼から車のナビの誘導だったので、
正直地理はよく把握していないけれど。
聖オルバン教会のX字の斜め梁、
聖アンセルモ教会の祭壇に集光する折板状の壁。
ミカエル教会はこの二つの見事な教会の良いところが融合した、
とても素晴らしい建物だった。
高崎に来たもう一つの目的。
それはアントニン・レーモンドが設計した群馬音楽センターの見学。
「アントニン・レーモンドの建築」を読んで是が非でも見たくなった。
東京では聖アンセルモ教会と聖オルバン教会の、
2つのレーモンド建築を訪れていたけど教会以外の建築を訪れるのははじめて。
事前に見学可能か問い合わせてみると、
午前中は全館停電で、15時〜17時で見学可能、とのことなので、
午前中は群馬の森の群馬県美で白井晟一展を観て、
気分的に盛り上がったところでいざ見学。
...とそのまえに建物に入る前に建物全体を俯瞰するために
音楽センターの前にある高崎市役所へ。
ここの21階に展望階になっていて、絶好の俯瞰ポイントなのだ。
群馬音楽センターはレーモンド建築にしてはとても奇抜な外観をしている。
たとえて言うなら、尾のないサソリもしくはザリガニのような形。
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「私と日本建築」に引き続いてレーモンド関連の本を読みました。
「私と日本建築」がレーモンド自身の言葉であるのに対し、
本書はレーモンドの弟子による記述。
前者が主観的記述であるのに対し。後者は客観的記述。
主観と客観を知ることで、対象をより深く理解できるようになる。
ライトやコルビュジエ、ミースほど知名度は及ばずとも、
間違いなく彼は近代建築の担い手であった。
それでいて、常に近代建築の悪しき風習から抜け出そうとしていた。
目先の効率に囚われ、生産性や経済性の機能を最優先とし、
人類幸福という至上命題を忘れがちになる、
インターナショナル・スタイルの欠点に早くから気づいていた。
ライトやミースが晩年になってようやく気づいたことを、
彼は早い時期から知っていた。
それを彼は日本の建築から学んだという。
日本の理想の建築を考えるにはまたとない逸材ではないだろうか。
GW最終日。
卒制に取り組まねば、と思いつつ手は動かず。
外は晴れ。
少し前までの寒さが嘘みたいな真夏日。
これはもう出かけるっきゃない。
目黒に素敵な教会があるということで行ってきました。
カトリック目黒教会(聖アンセルモ教会)。
アントニン・レーモンドの設計で1956年献堂。
丹下健三の東京カテドラル聖マリア大聖堂に負けるとも劣らない、
とても素晴らしい空間でした。
私と日本建築 (SD選書 17)
A4ギャラリーでのアントニン・レーモンド展を見て、
この本を読むことにしました。
40年以上も日本に住みながら、日本語が書けなかったため、
原文は英語でそれを他人が訳した文章ですが、
建築家が書く文章にしては比較的分かりやすい文章でした。
本書は本としての執筆ではなく、
雑誌への論文や講演内容などをとりまとめたもの。
ここ3年、建築家の文章を読むようになって自分なりに思うことは、
訳の分からぬ文章を書く人ほど、スケールのでかい建築を創る、ということ。
はたしてレーモンドはどうだったのか。
A4ギャラリーでアントニン・レーモンド展を見て、
バイト先のすぐそばに彼の設計した教会があることを知り、
昼休みに訪れてみました。
灯台下暗し。
外見に騙されるな。
外観ではお隣の聖アンデレ教会にすっかり心を奪われていました。
木造モダニズム万歳。
ここのところ平日は悪天、週末は好天の日々。
それはそれで都合がいいのだけど、
たまの週末は疲れた身体を家でゆっくり休めたい...
と思いつつ、
先週のル・コルビジェ展に引き続き、
アントニン・レーモンド展へ行ってきました。
今回は江東区東陽町にある、竹中工務店のギャラリー、「A4」。
A4は「エー・クワッド」と読むらしい。
竹中工務店の社屋自体がグッドデザインを受賞するほどオシャレです。
このビルについてはまた別途。
アントニン・レーモンドについては、名前は知っているのだけど、
実際どんな人間で、どんな建築をしたのかはまだよく知らない。
アントニン・レーモンドという人と建築を知るまたとない機会なのですが、
大成建設のタイセイ・ギャルリーと同じく、日曜休館、ということで
土曜日の授業前に、急ぎ行ってきました。
「木造モダニズム」
...どうやらそれを日本にもたらしたお人らしい。