兵庫県立美術館で開催中のプラド美術館展に行ってきました。
一番の目的は安藤忠雄設計の美術館そのものだったのですが、
スペイン・バロックの代表画家ベラスケスの作品が一度に7点も来日することは
そうそうない、ということと世界最大級の美術館のひとつであるプラド美術館の
コレクションは一度は見ておきたい、ということで見ることにしたのですが...
観覧料が高い!
当日券1600円という価格はまあなくはないものですが、
普通企画展のチケットを買えば常設展も併せて見ることができるものなのですが、
今回は常設展も特別展並みに豪華なためか、別料金になっており、
本展+常設展で1900円!
駐車場+図録代でトータル5千円もの出費となってしまいました;;
[訪問日:2017年11月11日、11月25日]
愛媛県美術館で開催中のダ・ヴィンチの展示に行ってきました。
...半年前のことだけど。
ダ・ヴィンチの展示は今回で3回目です。
最初は2005年にビル・ゲイツ所有のレスター手稿が六本木に来日したとき、
2回目は2007年に上野に「受胎告知」が来日したとき。
そして3回目となる本展ですが、
今回の目玉である「アンギアーリの戦い」はレオナルドが描いた実物は登場しません。
[テオドール・ジェリコ『襲撃する近衛騎士官』1812](出典:Wikipedia)
それまでの装飾的・官能的なバロック、ロココの流行に対する反発として、
18世紀中頃から19世紀初頭にかけてに台頭した新古典主義。
しかしそれもやはり一通り落ち着いてしまうと、時代はさらに次の様式へと移行する。
それがロマン主義。
保守的・安定的だった新古典主義に対して、再び革新的でダイナミズムな作風へ。
...歴史は繰り返す。
本記事は社会人学生時代の自分の西洋美術史のテスト答案を元に再構成したものです。
テストは授業内容(ルネサンス以降の美術史)の中から2つ、
自分にとって「最も大きな発見」をピックアップして自分の意見も含めて説明しろ、というもの。
自分は「バロック様式」と「ロマン主義」をピックアップ。
採点は見事100点をいただきましたが、
だからといって本記事が客観的に絶対正しい、ということを保証するものではありません。
あくまで一学生の主観に基づくレポートであることをご理解ください。
[ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ『マグダラのマリアの改悛』(1590年代半ば)]
(出典:Wikipedia)
秩序の支配を受けることとなったルネサンスへの反動から、
マニエリスムを経て時代はバロックへ。
不安定なときは安定を求めて人は動くが、
一度安定してしまうと、今度は退屈という感情が襲ってきて、
今の安定を捨て、新たな別の安定に向けてあえて不安定を選択する。
歴史はその繰り返しだ。
本記事は社会人学生時代の自分の西洋美術史のテスト答案を元に再構成したものです。
テストは授業内容(ルネサンス以降の美術史)の中から2つ、
自分にとって「最も大きな発見」をピックアップして自分の意見も含めて説明しろ、というもの。
自分は「バロック様式」と「ロマン主義」をピックアップ。
特にバロック様式は西洋美術史の中でも一番好きなジャンルでもある。
採点は見事100点をいただきましたが、
だからといって本記事が客観的に絶対正しい、ということを保証するものではありません。
あくまで一学生の主観に基づくレポートであることをご理解ください。
ライト・オブ・ダービー(ジョセフ・ライト)「酋長の未亡人(インディアンの寡婦)」
(1783年/1784年)
大塚国際美術館での展示作品。
会場内は撮影可能ということで、気の向くままにお気に入りの作品を撮影しました。
本記事ではロココ、新古典主義、ロマン主義、バルビゾン派、写実主義をピックアップ。
ルネサンスの反動で広がった不安定さ、無秩序さ、ダイナミズムは
マニエリスム、バロックを経てロココまで広がったところで、
再び安定・秩序へと向かう新古典主義の時代を迎えるが、
その後は再び不安定・無秩序のロマン主義が展開してゆく。
多少の時代背景の差異はあれど、様式というものはこうした安定と不安定の間を
波のように行ったり来たり繰り返すものなのだろう。
一方でこうした波の影響をものともせず、
写実主義やバルビゾン派など、独自の様式を展開することもある。
...あくまで素人の自分なりの独自の解釈です。
知識不足、勘違い、根拠に欠ける部分も多々あることをご了承ください。
照明がやや暗めで暖色系のため、作品画像はピンぼけ気味でやや赤っぽくなっています。
また、陶板特有の光沢もあります。
さらに傾き補正やレンズ補正をかけているため、
必ずしも作品(本物)の内容や構成を忠実・正確に表すものではないことをあらかじめご了承ください。
「だいたいこんな感じのもの」という感じで見ていただけたらと思います。
[モナ・リザ(レオナルド・ダ・ヴィンチ、1503年−1505年/1507年)]
大塚国際美術館での展示作品。
会場内は撮影可能ということで、気の向くままにお気に入りの作品を撮影しました。
本記事ではルネサンスからバロックまでをピックアップ。
近世の幕開けとなったルネサンス期は、もともと古代への復帰・再生を目指す運動であったが、
結果としてその後の近世期の芸術を大きく転換、発展させていくものとなった。
それゆえルネサンスの時代区分を近世に組み込んだのでしょうか。
古代における秩序や安定を規範としたルネサンスはやがてその反動として、
ねじれや不安定、ダイナミズムを求めるマニエリスムやバロックへと展開してゆく。
...あくまで素人の自分なりの独自の解釈です。
知識不足、勘違い、根拠に欠ける部分も多々あることをご了承ください。
照明がやや暗めで暖色系のため、作品画像はピンぼけ気味でやや赤っぽくなっています。
また、陶板特有の光沢もあります。
さらに傾き補正やレンズ補正をかけているため、
必ずしも本物作品の内容や構成を忠実・正確に表すものではないことをあらかじめご了承ください。
「だいたいこんな感じのもの」という感じで見ていただけたらと思います。
徳島県鳴門市の大塚国際美術館に行ってきました。
愛媛の山奥から片道9時間(下道)かかりました。;;
この美術館は世界の名画を陶板で再現した世界初の「陶板名画美術館」だそうです。
また「行ってよかった日本の美術館&博物館」で1位に選ばれたこともあるそうです。
古代から現代までその数千点以上。
高い保存技術でその品質は二千年以上経っても色褪せないそうです。
陶板はいわば高画質プリントである。
そしてそれは、絵画がただの二次元でないことを教えてくれる。
平面のキャンパスに描かれる絵画にも「厚み」があることを教えてくれる。
絵画は「グラフィック」ではなく、「プロダクト」なのだ、と。
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〜フィレンツェ・花のドームはいかにして建設されたか〜
初期ルネサンスの代表的な建築といえば、
フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。
といっても建物全部がルネサンス様式なのではなく、
ファサードや内部空間はむしろゴシック様式となっている。
この建築のルネサンスたらしめているのはドォーモ。
一千年以上もの長き間にわたって世界最大の石造ドームであり続けた
古代ローマのパンテオンを凌ぎ、その後もこのドームを越える
石造ドームは現れていないという。
このドォーモを設計し、実現した男が本書の主人公、
フィリッポ・ブルネレスキである。
彼は芸術家ではなく、職人であった。
ルネサンスは芸術ではなく、技術からはじまったのである。
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丸善の「建築家の講義」シリーズ。
今回はルイス・カーン。
数ある建築家の中でも、もっと詩的で哲学的な言葉を発する一人。
大好きな建築家の一人です。
本書は1968年にライス大学建築学科での講義とそれに続く質疑応答を記録したもの。
およそ40年以上もの時の流れなど、微塵も感じさせず、
今読んでもその内容は心に深く突き刺さる。
それはとりもなおさず、彼が本質を語っているから。
本当の魅力とは、本質に結びつくものでなければならない。
流行はあくまで本質へとドライブするためのトリガーであり、エネルギーである。
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夏休みの間に借りてた本、なんとか返却期限ぎりぎりで読み終えることができました。
最後の一冊はS.ギーディオンの「建築、その変遷」。
建築史家、ギーディオンの遺著で、日本語版は1978年出版。
すでにAmazonでは新書では買えなくなってます。
実はギーディオンの本、その主著「空間、時間、建築」に一度チャレンジして挫折。
今回も450ページにわたる分厚さで、読み切れるかどうか心配だったのだけど、
意外にも建築関係の本にしてはめずらしく読みやすく、
通勤の電車の中ですらすらと読み進めることができました。
...内容をちゃんと理解しているかどうかは疑問だけど。
そのタイトルの通り、建築の歴史を淡々と語ったものかと思いきや、
最初にギリシャを少し語った後、古代ローマの建築について延々と語る。
そして中世をすっ飛ばし、ルネサンス、バロックをかすめて一気に現代へ。
ル・コルビジェを語って終わる。
ぶっちゃけ変遷、というより古代ローマ建築と現代建築の「関係」を語ったもの、
と言った方が正確かもしれない。
かつての古代ローマ時代。
そこには現代にも勝るとも劣らない高度な文明が栄えていた。
建築も然り。
それが古代ローマの滅亡と共に文明は原始的なものに戻り、
以降再びその高度文明の域に戻るまでおよそ1800年もの時を要した。
しかしその悠久的な時の流れこそ、
本来の人間的スケールでの進化だと、僕には思えるのだが。