プラド美術館展ーベラスケスと絵画の栄光ー【兵庫県立美術館】

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兵庫県立美術館で開催中のプラド美術館展に行ってきました。


一番の目的は安藤忠雄設計の美術館そのものだったのですが、
スペイン・バロックの代表画家ベラスケスの作品が一度に7点も来日することは
そうそうない、ということと世界最大級の美術館のひとつであるプラド美術館の
コレクションは一度は見ておきたい、ということで見ることにしたのですが...

観覧料が高い!
当日券1600円という価格はまあなくはないものですが、
普通企画展のチケットを買えば常設展も併せて見ることができるものなのですが、
今回は常設展も特別展並みに豪華なためか、別料金になっており、
本展+常設展で1900円!
駐車場+図録代でトータル5千円もの出費となってしまいました;;


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さて、本展の目玉はなんといってもベラスケスの7点の作品。

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といっても7点並べて展示しているのではなく、
8章で構成される各パートに分散させてますが。
会場内は撮影禁止なので、画像はpinterestから引っ張ってきています。


[東方三博士の礼拝(1619年)]

誕生した救世主を祝福に来る聖書の一場面。



[メニッポス(1638年頃)]

古代ギリシャの哲学者の肖像。



[狩猟服姿のフェリペ4世(1632−1634年)]

ベラスケスの主人であり、プラド美術館の礎を築いたスペイン国王の肖像。



[王太子バルタサール・カルロス騎馬像(1635年頃)]

フェリペ4世の愛息の肖像画。



[バリェーカスの少年(1635−1645年)]

王宮に仕えていた矮人の肖像画。



[ファン・マルティネス・モンタニェースの肖像(1635年頃)]

彫刻家の肖像画。
画家が彫刻家の肖像を描いた珍しい一枚。



[マルス(1638年頃)]

軍神マルス。
神格化というよりはどこか生々しい、人間臭い軍神。

スペインの要人なだけに7枚もの作品が日本に来ること自体がすごいんだろうけど、
やっぱりベラスケスといえば「ラス・メニーナス」だよね。
まあ、これが日本に来ることはまずないんだろうけど。
やっぱりプラド美術館行きたい!...と思わせるのが本展の狙いなんだろうけど。


ベラスケス以外にもバロック・ルネサンスを代表する画家たちの名作がずらり。


[エル・グレコ「聖顔」(1586−1595年)]

キリストが十字架を背負ってゴルゴタの丘を登っている途中、
その姿を哀れんだヴェロニカという女性が自分のヴェールを差し出して、
キリストの顔の血と汗を拭ったところ、そのヴェールにキリストの顔が写し取られた。



[ティツィアーノ「音楽にくつろぐヴィーナス(1550年頃)]

「ウルビーノのヴィーナス」につながる構図が見て取れる。



[ペーテル・パウル・ルーベンス「アンドロメダを救うペルセウス」(1639−1641年)]


[ペーテル・パウル・ルーベンス「聖アンナのいる聖家族」(1630年頃)]

これらも神格化というよりはどこか生々しくて人間臭い雰囲気を感じる。



[フランシスコ・デ・スルバラン「祝福する救世主」(1638年)]

祝福とは裏腹に、どこかイッてしまっている危うさも感じてしまうのは自分だけだろうか。


[フランシスコ・デ・スルバラン「磔刑のキリストと画家」(1650年頃)]

老境にさしかかり、己の画業と信仰を顧みる画家。


図録。2700円なり。

表面はベラスケスの「王太子バルタサール・カルロス騎馬像」。

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裏面はムリーリョの「小鳥のいる聖家族」。

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けっこうな出費だったけど、概ね満足のゆく内容だったかな。


訪問日:2018年8月11日(土)午後