「アール・デコ」と一致するもの

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アール・ヌーヴォーの展示に続いてアール・デコの館へ。

3年ぶりの東京。
ミュシャ展終了後、同じく国立新美術館で開催中の草間彌生展を
限られた時間の中で少しでも多く懐かしい場所を回りたい、ということで
断腸の思いであきらめて、目黒の東京都庭園美術館へ。
並河靖之の超絶技巧の七宝の数々を見てきました。

自分は格別焼き物に詳しいわけではないし、
並河靖之という七宝家もこの度はじめて知りました。

それでもこの展示を見る気になったのは、
やっぱり東京都庭園美術館という懐かしい場所を訪れたかったから。
在京時代は、お気に入りの空間としてよく訪れました。
愛媛に移住後に新館ができたと聞き、また行きたいなあと思いつつ月日は流れ、
今回の展示が終わった直後から11月までのおよそ半年間、
本館のバリアフリー対応工事でまた全面休館するとのことで、
ミュシャ展と合わせて見ておきたいなあ、と。


「庭園美術館」というくらいなので、庭園が売りの空間なのですが、
一番のおすすめは旧朝香宮邸として建てられた本館。
現在は美術館となっていますが、当時のアール・デコ様式を色濃く残しており、
建物自体が大きな美術作品となっています。


近代建築とデザイン【川添登/高見堅志郎】

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同級生がくれた本。

出版・社会思想社、初版1965年。
もらった本は1998年の第19刷版。

かなりのロングセラーだったようですが、現在はほぼ絶版状態。


古い本だけど、かなり濃い。

1年生のときにデザイン史の授業を受けたけれど、
この本はそれを補って余りある。


自分がクラシカルに固執するのは単に懐古主義だからではない。
別に過去を知らずとも、新しいものは作れるのかもしれない。
新しい、ということはただそれだけで価値がある。
しかし、ややもすればその価値だけに依存しがちでもある。
そして、新しさを失ったとき、その価値も消えてしまうのである。

新しいものが新しいものでなくなったとき、
それが生き残ってゆくには、新しいだけでない、ずっと残っていく価値、
「本質」が芽生えていなければならないのである。

今を生きる自分が過去のものと出会うとき、
その過去は本質を備えているが故に生き残った良質なものたちである。
だから人はクラシカルを学ぶべきである。


故きを温めて新しきを知れ。

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外を散策後。

東京都庭園美術館の内部公開。
写真撮り放題。
休日。

...ということもあって、いつにもまして館内は人で溢れていました。

正直こういう場所は雑踏は似合わない。
静けさの中にあってこそ、時代が重ねてきた格調というものを堪能できる。

空間を堪能するのはあきらめ、
「プロダクト」を堪能してきました。

それでもやはり時代を超えて残る美しいものを眺めるのは気分が良い。


人はなぜ、「美」を求めるのだろう。


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内観編


中目黒の目黒川の桜はまだ八分咲きでした。
満開になると枝が川面に向かって垂れ、それはとても美しいのだけど。
ちょっとまだ時期早々。

その足で目黒川を南下して目黒は東京都庭園美術館へ。

ここの桜も同じくまだ八分咲きでしたが、
現在、庭園美術館の内部公開展示「アール・デコの館」が開催中ということもあって、
たくさんの人が訪れていました。
過去2回(1回目/2回目)訪れましたが、
チケット売り場に行列ができているのを今回はじめて見た。

通常は美術館内部は撮影禁止であるのが、
この展示期間中はほぼ全面的に撮影可となることもあって、テンションアップ。


しかしまずは美術館周辺の庭園と美術館外観を鑑賞することにしよう。


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(出典:Wikipedia)


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磯崎新の建築談議シリーズ。
今回は最終巻、第12巻のクライスラー・ビル。
20世紀を代表する建物としてこのビルを取り上げてます。

20世紀といえば3巨匠(ライト、ミース、コルビュジエ)をはじめとして、
アアルト、ニーマイヤー、丹下健三、安藤忠雄など
モダニズムやポストモダンの巨匠などが候補として考えられると思うのですが、
建物がNYを象徴するものとはいえ、なぜウィリアム・ヴァン・アレンという
クライスラー・ビル以外これといった作品のない建築家の作品が
ピックアップされたのか?

しかも様式はモダニズムでもポストモダンでもなく、アール・デコ。

まあ磯崎氏独特のアイロニーも込められているのでしょうが、
20世紀の建築の1つの転換点としてピックアップし、
20世紀の建築全体の方向性を俯瞰しようとするものでもあるみたいです。


建築の持つ機能とは、含有する内部空間においてのみ存在するのか?
あるいは他に機能が存在するとすれば、
それらの機能よりも内部空間の機能が最優先されるべき機能なのか?


20世紀の建築は外部と内部のせめぎ合い。
...そんなところでしょうか。


椅子のデザイン小史【大広 保行】

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今回の腰掛け作りで参考にした本。
実際インスピレーションを得るのに役立ったかどうかは微妙ですが、
デザイン様式の歴史の勉強にはなりました。

以下簡単に古い順に主な様式をピックアップしていきます。


【中世】

フランスのゴシック様式にはじまり、
イタリアのフィレンツェではじまったルネサンス様式、
やがてルネサンスはフランス(ルイ13世様式)へ、
そしてイギリスへ(エリザベス様式)。

そしてルネサンスからジャコビアン様式(イギリス)を経てバロック様式へ。
バロック様式は後期ルネサンスとも言うそうです。
やはりイタリアにはじまり、フランスへ(ルイ14世様式)、
そしてイギリス、アメリカへ(ウィリアム&メリー様式)。

そしてロココ。
これはフランスにはじまりやがてイギリスへ(クィーンアン様式)。


【近代】

まずアーツ&クラフツ運動。
いわずとしれたウィリアム・モリスによるものですね。

そしてアール・ヌーヴォー。
ベルギーにはじまった「新芸術」運動。
ヴァンデ・ヴェルデ、ヘクトル・ギマール、C.R.マッキントッシュなどが有名。

そしてバウハウス。
ドイツのワルター・グロピウスが設立したデザインの学校。
最後の校長はミース・ファン・デル・ローエ。
ほかモヒリ・ナギ、マルセル・ブロイヤーなどが有名。

セセッション(ウィーン分離派)。
1892年、オーストリアではじまった芸術運動。
ウィーン工房を創設したヨーゼフ・ホフマンが有名。

そしてアール・デコ。
1910年から1930年にかけてフランス、アメリカを中心に広まる。
より直線的に、よりシンプルになりましたね。
クライスラービルなどNYの摩天楼群が有名。

ドイツ工作連盟(DWB)
1907年ヘルマン・ムテジウス、ペーター・ベーレンスらにより創設。

デ・スティル
1917年オランダで結成された造形運動グループ。
キュビスムに影響を受けてるそうです。
リートフェルトが有名ですね。

エスプリ・ヌーヴォー(新精神)
ル・コルビュジエと画家オアザンファンらにより創設。
コルビュジエはキュビスムを批判し、ピュリスムを唱える。
ミースもここに分類されてました。

そして時代はモダンデザイン、ニューインターナショナル・デザインへと。


アール・デコ【ペヴィス・ヒリアー】

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アール・ヌーヴォーと並び、
デザインを学ぶ上で避けては通れない様式であるアール・デコ。

19世紀末から20世紀初頭に現れたアール・ヌーヴォーに続き、
1920年代から1930年代に登場したデザイン様式。

アール・ヌーヴォーが植物的・有機的・曲線的であるのに対し、
アール・デコは、無機的・直線的。

...とまあ大学の授業で学んだところではこんなところですが、
まあもうちょっと詳細を知りたい、ということで図書館で借りてきたのですが。


意外にも日本で唯一のアール・デコの入門書らしいのですが、
...難しかった~

アール・デコ様式をいいところはもちろん、悪いところも含めて
その全貌を説明する、という趣旨の元に突出した著名人だけでなく、
無名のデザイナーの作品なども紹介されているところが内容を難しくしている
一因かもしれません。


アントニ・ガウディとはだれか【磯崎新】

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ガウディといえばサクラダ・ファミリア。
...というか僕はそれしか知らなかった。

空へ伸びる有機的な尖塔の数々。
没後80年が過ぎてなお、建設され続けるこの建物を設計したガウディとはいかなる人物だったのか?

...というわけで読んだのですが。

...余計分からなくなったような^^;
この本は建築のことを知らない人には難しすぎる。


東京都庭園美術館【東京都港区】

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大学の先生の勧めで目黒にある東京都庭園美術館に行ってきました。

デザイン史でアール・デコについて学んでいたのですが、
この庭園美術館がアール・デコ調をよく残しているものとして紹介されました。
あともう一つ、品川にある原美術館もアール・デコみたいです。

元々は皇族のための邸宅を美術館として開放されたもの。
"庭園美術館"、とあるだけに美術館だけでなく、
その庭園もなかなか趣のある、いい感じのスポットとなっています。


建設年:1933年
基本設計:宮内省内匠寮・権藤要吉
内装デザイン:アンリ・ラパン