「花」と一致するもの

ルドンー秘密の花園【三菱一号館美術館】

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訪問日:2018年4月17日


おおよそ2ヶ月前の話。

東京ステーションギャラリーでの隈研吾展をあとにして、
三菱一号館美術館で開催中のルドン展へ。

ルドンの絵は過去2回のオルセー展(1回目2回目)などで、
何度か目にする機会がありましたが、単独での大々的な展覧会は今回がはじめて。

時代的には印象派の時代に生きた画家であり、第8回の印象派展にも出品しているものの、
印象派とは一線を画し、独自の路線を歩んだ。

風景画の巨匠に教えを受けるも、
彼が描く絵は風景と人間の内面とが混ざりあった独特の世界だった。

周囲に流されず、自分のアイデンティティを築き上げたという点で
どこか自分の心を刺激する画家の一人。


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訪問日:2017年11月19日(日)


これももう半年ほどの前の話なのだけど。
テレビのCMで流れているのを見て知った展覧会。

本展は一般財団法人地域創造の助成による平成29年度公立美術感共同巡回展として、
岡山県の新見美術館→佐賀県の唐津市近代図書館美術ホール→広島県の蘭島閣美術館に続いて
愛媛では八幡浜の市民ギャラリーで開催されたものです。


美術館のない八幡浜にこんな良い絵が集まるなんて..ということで急遽行ってきました。


特別名勝・岡山後楽園【岡山県岡山市】

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久々のブログの更新です。

じつは昨年11月に転職しまして、冬が忙しい職種ということもあって、
昨年10月末に出かけた旅行記もまだ残っていたのですが、
休みなしでどこへも行けないどころか、ブログを更新する間もありませんでした。

まだまだ繁忙期は続きますが、だいぶ時間の余裕が出てきたので、
少しずつ再開していきたいと思います。


昨年10月末の旅行記、岡山県の閑谷学校に続いては、
岡山駅近く、旭川をはさんで岡山城の北に広がる岡山後楽園に行ってきました。
江戸時代を代表する大名庭園の一つであり、
水戸偕楽園金沢兼六園と並ぶ日本三名園の一つでもあります。

本園は1687年、岡山藩主・池田綱政公が家臣・津田永忠に命じて1687年に着工、
14年の歳月を経て1700年に完成しました。
その後も藩主の好みで手を加えられたものの、江戸時代の姿を大きく変えることなく
現在まで伝えられており、昭和27年に国の特別名勝に指定されました。

ちなみに池田綱政は名君として名高い池田光政の嫡男であり、
津田永忠はその光政によって見出された家臣であり、
光政の命により備前市の旧閑谷学校の建設にも携わっています。


作庭当初は城の後方にあることから「後園」と呼ばれていましたが、
明治になって、「先憂後楽」の精神に基づいて造られたと考えられることから
「後楽園」と改められました。

人より先に憂える場所が岡山城で、人より後れて楽しむ場所が後楽園といったところでしょうか。
時の名君が、天下の楽しみに遅れて楽しむために作った庭園とはいかなるものだったのか。

この目でしかと見届けたいと思います。


MOMATコレクション【東京国立近代美術館】

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半年ぶりの東京。

一番の目的は東京国立近代美術館での企画展「日本の家」展だったのですが、
雨天の割には混雑しているものの、自分的にはいささか期待はずれでがっかり。


一発目からハズレか?...と思いつつ続いてコレクション展へ。

...これがめっちゃ良かった。


企画展での物足りなさを補って余りある一発逆転なのでした。

※本展はすでに終了しています。


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尾道散策。
山上の千光寺から麓の国道に降りてくる途中に見える見事な三重塔。

三重塔以外の本堂や山門はどこだろうと思いつつ、
見つけられぬまま通り過ぎること数回。
今回ようやくお寺の全貌を目にすることができました。

三重塔以外にも五百羅漢や直原玉青の襖絵など、見どころ満載のお寺でした。


夢の美術館ーめぐりあう名画たちー【島根県立美術館】

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島根県立美術館に行ってきました。

北九州市立美術館と福岡市美術館の所蔵品を展示する「夢の美術館」展が開催中でしたが、
一番の目的は菊竹清訓さんが晩年に設計した空間を見ることでした。

宍道湖畔に建つその建物は湖畔側、道路側ともに緩やかな弧を描いており、
水面と大地をつなぐ「なぎさ」をイメージしたものだそうです。
一歩その建物の中に入ると、天井にそのなぎさ仰ぎ見ることで、
あたかも水の中を優雅に闊歩しているような錯覚に見舞われる。


島根県立美術館は島根県立博物館の財産を継承する形で1999年に開館しました。
島根県立博物館(現・島根県公文書センター)も1959年にやはり菊竹さんが手がけました。
ほかにも島根県立図書館、島根県立武道館、田部美術館など、
松江には菊竹さん設計の建物がけっこうあるようです。

島根県立美術館では水を主題とした作品の収集に力を入れており、
開館20年に満たない若い美術館ながら日本近世絵画から19世紀フランス絵画や現代彫刻まで
4400点を越える規模にまでに成長しています。

福岡の2つの美術館所蔵品を展示する今回の企画展は予想以上に豪華な顔ぶれでしたが、
島根県立美術館のコレクションもこれに負けない豪華な顔ぶれでした。
しかもコレクション展に関しては撮影OKというオープンスタンスも嬉しい。

菊竹さんの作った素晴らしい空間にふさわしい展示内容で、
企画展と所蔵品展とを合わせてまさに「夢の美術館」でした。


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念願の三佛寺を参拝してきました。
本寺は鳥取県のほぼ中央、三朝温泉奥の三徳山(標高900m)に境内を持つ天台宗の山岳寺院です。

中国観音霊場 第三十一番札所
伯耆観音霊場 第二十九番札所
百八観音霊場 第三十六番札所
国指定名勝・史蹟
国立公園 三徳山
日本遺産認定第1号


開山は慶雲3年(706年)、役行者(えんのぎょうじゃ)が修験道の行場として開いたとされる。
役行者が蓮花の花びら三弁を散らしたところ、
一つは四国の石鎚山、一つは吉野、そしてもう一つが三徳山に落ちた。
そこで役行者は三徳山に堂宇を建て、法力をもって投げ入れたのが奥の院の投入堂...
という伝説がありますが、実際のところ投入堂が実際どうやって建てられたのかは今なお謎のままだとか。

その後、嘉祥二年(849年)、慈覚大師(じかくたいし)によって伽藍(がらん)が建立され、
阿弥陀・釈迦・大日の三尊を安置したので三佛寺といわれるようになったそうな。


かねてより行きたかった場所だけにけっこうなボリュームになりました。
そこで本堂までの参道部分と、本堂裏から奥の院の投入堂までの登山道部分の2パートに分ます。

前記事では本堂までの参道を紹介してきましたが、
本記事ではいよいよ奥の院の投入堂をめざします。


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念願の三佛寺を参拝してきました。
本寺は鳥取県のほぼ中央、三朝温泉奥の三徳山(標高900m)に境内を持つ天台宗の山岳寺院です。

中国観音霊場 第三十一番札所
伯耆観音霊場 第二十九番札所
百八観音霊場 第三十六番札所
国指定名勝・史蹟
国立公園 三徳山
日本遺産認定第1号


開山は慶雲3年(706年)、役行者(えんのぎょうじゃ)が修験道の行場として開いたとされる。
役行者が蓮花の花びら三弁を散らしたところ、
一つは四国の石鎚山、一つは吉野、そしてもう一つが三徳山に落ちた。
そこで役行者は三徳山に堂宇を建て、法力をもって投げ入れたのが奥の院の投入堂...
という伝説がありますが、実際のところ投入堂が実際どうやって建てられたのかは今なお謎のままだとか。

その後、嘉祥二年(849年)、慈覚大師(じかくたいし)によって伽藍(がらん)が建立され、
阿弥陀・釈迦・大日の三尊を安置したので三佛寺といわれるようになったそうな。


かねてより行きたかった場所だけにけっこうなボリュームになりました。
そこで本堂までの参道部分と、本堂裏から奥の院の投入堂までの登山道部分の2パートに分ます。

まずは本堂までの参道部分をレポートします。


「紫舟」作品展【愛媛県美術館】

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9月の終わりからえひめ国体がはじまりました。
愛媛での開催はじつに64年ぶり、愛媛単独では初の開催だとか。

国体は「国民体育大会」の略ですが、開催されるのはスポーツだけじゃないんですよね。
「文化プログラム事業」なるものがあって、文化イベントも開催されているのです。

愛媛県美術館で開催されている「紫舟」作品展もその一つ。
国体の開会式前日の9月29日には天皇陛下と皇后陛下が本展を鑑賞され、
紫舟さん自らが案内されていました。

「天皇陛下が、作品価値の定まっていない現存作家の作品展を御覧になることは極めて稀で、
 まして、作家本人が自身の作品をご案内ご説明できることは非常に貴重な機会」

...なのだそうです。(オフィシャルサイトより)

このニュースがテレビで流れているのを見て本展を知りました。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」のタイトルを手掛けた書家・アーティストなんですね。

通常紙の上に書かれる二次元の書が、厚みを持った三次元作品となっている。
これは新しい書の形だ。書の進化だ。

これはもう見に行くっきゃない、ということでさっそく出かけてきました。


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愛媛県にある3つの国宝建造物はすべて松山市内にあります。
今回は松山総合公園の麓にある大宝寺に行ってきました。

残る二つの太山寺、石手寺のような四国八十八ヶ所霊場ではありませんが、
空海の興した真言宗系のお寺です。

古照山薬王院大宝寺。本尊は薬師如来。
飛鳥時代の大宝元年(701年)に小千(越智)伊予守玉興により創建。
現在残っている本堂が平安末期の阿弥陀堂形式を用いて鎌倉時代の建立で、
愛媛県最古の木造建造物であり、国宝建造物に指定されています。

松山市のほぼ中心部にありながら周囲は閑静な住宅街であり、
境内もそれほど大きくなく、併設されている住職の邸宅のほうが立派に見えるくらい、
簡素ですっきりした構成でした。
お遍路巡りの寺に指定されていないこともあってか、参拝者は自分以外に誰もなく、
ひっそりとした雰囲気でした。

まあ、自分はお寺のそういう雰囲気が好きなのだけど。