「紫舟」作品展【愛媛県美術館】

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9月の終わりからえひめ国体がはじまりました。
愛媛での開催はじつに64年ぶり、愛媛単独では初の開催だとか。

国体は「国民体育大会」の略ですが、開催されるのはスポーツだけじゃないんですよね。
「文化プログラム事業」なるものがあって、文化イベントも開催されているのです。

愛媛県美術館で開催されている「紫舟」作品展もその一つ。
国体の開会式前日の9月29日には天皇陛下と皇后陛下が本展を鑑賞され、
紫舟さん自らが案内されていました。

「天皇陛下が、作品価値の定まっていない現存作家の作品展を御覧になることは極めて稀で、
 まして、作家本人が自身の作品をご案内ご説明できることは非常に貴重な機会」

...なのだそうです。(オフィシャルサイトより)

このニュースがテレビで流れているのを見て本展を知りました。
NHK大河ドラマ「龍馬伝」のタイトルを手掛けた書家・アーティストなんですね。

通常紙の上に書かれる二次元の書が、厚みを持った三次元作品となっている。
これは新しい書の形だ。書の進化だ。

これはもう見に行くっきゃない、ということでさっそく出かけてきました。


愛媛県美術館では本展の他にも、
愛媛出身の哲学者、教育者で学習院中興の祖と称された安倍能成の展示や、
武士の姿を美しく描いた絵画・彫刻を展示した「侍の美」展など、
文化プログラムによる展示が開催されており、いずれも無料で観覧できます。
さらに本展だけは撮影OKでした。
一番「華」のある展示が撮影可でじつにウレシイ。

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「喰うカラス、喰われるカラス」

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「三千世界の やみよのなか

  啼けぬ カラスの聲

   鎮魂の響き 暁を導く」


書のキュビズム、四角い柱。

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「終初天地の環(おわりはじめてんちのわ)」
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「諦めと不倔」
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「森羅万象の一(はじめ)」
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書のキュビズム、丸い柱。

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「風薫る想(おもい)」
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「藤舞蝶道(はなまいちょうわたる)」
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書の彫刻。

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「ごめんなさい」「ありがとう」「おはよう」「さようなら」


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書画。

「火の鳥」
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「風神雷神鶏図・風神」
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「風神雷神鶏図・雷神」
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書。

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上段:「不負(まけざらん)」「一の努力で一を得る」「サイの角のように唯独り歩め」
下段:「辛いとき、幸せなときのことば」「僕ハきっと出来ル。」「君ハ花咲ク」

一番のお気に入りは「一の努力で一を得る」。

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一つの努力で十や百の結果を得ようとするな。
欲を捨て、得ではなく、徳をとれ。
そうすれば必ず努力は報われる。


「書は紙の上に書くもの」という常識に囚われていては新しい書の形は見えてこない。
「書は紙の上に書くもの」という常識を忘れても新しい書の魅力は見えてこない。

「故きを温め、新しきを知る(温故知新)」とはこういうことなんでしょうね。
なかなか感慨深い展示でした。