
訪問日:2018年5月26日(土)
猪熊弦一郎現代美術館で開催されていた公募展が縁で知り合った作家さんから
個展のDMをもらったので善通寺市の灸まん美術館へ見に行ってきました。
久々の香川ということで、せっかくなのでいくつか回りたいなあ、と
高松の香川県立ミュージアムで開催中のイサム・ノグチ展と、
丸亀の2つの美術館(丸亀平井美術館/丸亀美術館)もあわせて回ることに。
正直なところ、現在絶賛スランプ中。
何かを作ろうという意欲がまったく湧いてこない。
このスランプを抜けるためにも、刺激を与え続けねば。


2016年の瀬戸内国際芸術祭最終日、
粟島での消化不良感を解消すべく丸亀のMIMOCAを訪れた。
そこの企画展も好みに合うものではなく、更に消化不良感が増しそうだったのだが、
2階の造形スタジオで開催されていた公募展「みんなで選ぶミモカアート賞」。
これに救われた。
応募対象を丸亀市在住・在勤在学者に限っていながら、
とても魅力的な作品が並んでいた。
自分が好きな作品3点を選んで投票するのだけど、
平面作品が多い中、数少ない立体作品の中に一際輝くガラスのヒマワリに惹きつけられた。
それが東條裕志さんの作品で、彼の作品が見事1位に輝き、
凱旋展示を同じ造形スタジオで開催してる、ということで見に行ってきました。
しかし丸亀日帰りは遠かった〜
帰りはトラブル発生するし。
まあ、それを差し引いても実りある1日でした。


せっかく東京にきた、ということで。
東京でやっている最先端のデザイン・アート関連の展示を見に行くことに。
まずは東京都現代美術館で開催中の吉岡徳仁の『クリスタライズ』。
実は彼の展示を見るのはこれで四度目。
2006年にAXISギャラリーで開催された『スーパーファイバーレボリューション』、
2008年に21_21DesignSightで開催された『Second Nature』、
単独展ではないけれど、
2010年に森美術館で開催された『ネイチャー・センス』、
そして、本展。
デザインとアートの中間。吉岡の立ち位置はそこにある。デザインは設計できるが、アートは設計できない。デザインは心理学的だが、アートは精神分析的である。デザインの前提は「複製」だ。いっぽうアートの前提は常に「複製への抵抗」である。(本展図録P170、斎藤環「デザインの意志」)
この記述に概ね反論はないけれど、
僕が彼の好きな部分はアーティストとしての側面である。
とくに素材の特性を生かした空間づくり。
そこに感動させられるし、自分もそのような空間づくりをしてみたいと思う。
本展のタイトルのとおり、本展で使われているマテリアルは
ガラスやアクリル、クリスタル、プラスチックといった透明感のあるもの。
自分が現在使おうとしている木とはまったく性質の異なるものではあるけれど、
素材の特性の引き出し方、空間表現への使い方を学ぶ、という点においては、
使われるマテリアルの種類はあまり重要じゃない。
そして、本展のサブタイトルは「人の記憶に眠る自然の姿結実させる」。
ここに、マテリアルの魅力を引き出す秘訣があるのだろうか。


≪遊園地を、単純な、不思議な感情を喚起する、形態と機能の入門書として、したがって教育的なものと考えたい。子供の世界は新鮮で明るく澄んだ、はじまりの世界であろう≫(ドウス昌代「イサム・ノグチ 宿命の越境者(下)」より)
※ガラスのピラミッド外観はこちら。
冬のモエレ沼公園で唯一内部空間を堪能できる場所。
それがガラスのピラミッド。
マスタープランを設計したイサム自身は完成を見ることなく他界。
今、目の前にある公園の姿はイサムがイメージしたとおりなのだろうか。
実設計、設計管理は川村純一氏をはじめとするアーキテクトファイブ。
アーキテクトファイブ自身についてはほとんど知りませんが、
川村氏は妻の川村京子とともにドウス昌代著のイサム評伝にも登場。
モエレ沼についてはあまり予備知識なしで行ったのですが、
今、記事を書くにあたってWikipediaなどを見て、「ふ~ん」などと思っていたりします。
まずこの公園はモエレ沼という沼に囲まれた公園だということ。
外周の先に見える水路は川ではなく、沼だった。
そしてここは札幌市街美化のためにごみを埋め立てられて作った公園だということ。
これにはちょっとがっかりかなあ。
人間のエゴを美化しているような気がして。
ここにきて、最初に見かけた山も、モエレ山、という人口の山なのだとか。
広島の平和記念公園同様、建築的魅力、というよりは、
ランドスケープ的魅力が目立つ空間のように感じました。
こうしてみると、建築ってやはり独特の表現手段のように感じる。


松島の藤田喬平ガラス美術館へ行ってきました。
「美の巨人」で藤田喬平氏とその作品が紹介されているのを見て、
実物が見たくなりました。
もっとこじんまりとした美術館かと思いきや、
松島の美景にマッチした美しい庭園に囲まれた立派な美術館でした。
ガラスの透明性を全面的に出すのではなく、
あえて曇らせ、色をつけ、模様をつけて光を柔らかく透過させることで
ガラスに彩られた色彩を美しく映えさせる。
淋派の芸術をガラス工芸に持ち込み、
生涯をかけて独自の美の表現を追求した。
...そこに惹かれた。

毎週水曜の「3Dレンダリング」の授業が終わりました。
3Dレンダリングソフト、Rhinocerosを使って造形した後、
Framingo(ライノのプラグインとして使用)、CINEMA 4Dで質感をつけて仕上げます。
ガラスの質感はフラミンゴのほうがキレイに出るので、
レンダーにはFramingoを使いました。
モデルは前のセッションで作成した香水瓶のモックアップを使います。
5カットのレンダリングデータ+この3Dデータを使った広告を課題として提出。
自分的には満足いく出来だったと思います。
シンプルな造形だったので他の同級生よりも早めに完成したけれど
そのぶんクオリティを上げることに集中できたかな、と。

毎週水曜日は3Dレンダリングの授業。
3Dソフト、Rhinocerosの学習です。
課題としては前のセッションで作成した香水瓶のモックを製図します。
前にインテリアデザインの授業でShadeを使い始めたのですが、
4画面構成は同じなのですが少々使い勝手が違っていて、
慣れるまでが大変です。
Shadeはどちらかというとお絵描きソフト、
Rhinoは造形用CADという性格のもののようです。
ただ現時点では基礎的な操作を覚えるのが精一杯で、
CADとして使いこなすまでには至ってませんが。
アートよりの話題ばかりだったのでたまにはデザインの話題を。
大学の助手さんから古い雑誌をもらいました。
2005年12月の『Pen』。
そこに倉俣史朗さんの「硝子の椅子」が載ってました。
1970年、僕の生まれる前に発表された椅子ながら、
座面が宙に浮いているようなそのデザインは今見てもなお斬新。
しかし、見たところガラスパネルを接着剤で貼り合わせて
作られているように見えるのですが強度的に大丈夫なのかな...