≪遊園地を、単純な、不思議な感情を喚起する、形態と機能の入門書として、したがって教育的なものと考えたい。子供の世界は新鮮で明るく澄んだ、はじまりの世界であろう≫(ドウス昌代「イサム・ノグチ 宿命の越境者(下)」より)
※ガラスのピラミッド外観はこちら。
冬のモエレ沼公園で唯一内部空間を堪能できる場所。
それがガラスのピラミッド。
マスタープランを設計したイサム自身は完成を見ることなく他界。
今、目の前にある公園の姿はイサムがイメージしたとおりなのだろうか。
実設計、設計管理は川村純一氏をはじめとするアーキテクトファイブ。
アーキテクトファイブ自身についてはほとんど知りませんが、
川村氏は妻の川村京子とともにドウス昌代著のイサム評伝にも登場。
モエレ沼についてはあまり予備知識なしで行ったのですが、
今、記事を書くにあたってWikipediaなどを見て、「ふ~ん」などと思っていたりします。
まずこの公園はモエレ沼という沼に囲まれた公園だということ。
外周の先に見える水路は川ではなく、沼だった。
そしてここは札幌市街美化のためにごみを埋め立てられて作った公園だということ。
これにはちょっとがっかりかなあ。
人間のエゴを美化しているような気がして。
ここにきて、最初に見かけた山も、モエレ山、という人口の山なのだとか。
広島の平和記念公園同様、建築的魅力、というよりは、
ランドスケープ的魅力が目立つ空間のように感じました。
こうしてみると、建築ってやはり独特の表現手段のように感じる。
館内は「スナップショット以外は許可が必要」とのことで、一瞬迷ったけど、
係員が厳密に監視している様子もなく、
ほかの来場者も普通に撮影していたので、
大丈夫だろうと判断して写真を撮りまくる。
いま広辞苑で調べてみると、
スナップショットとは「即興的に撮影する」という意味らしい。
要は三脚を立てて本格的に撮るには許可が必要、ということらしい。
ピラミッド前の駐車場。
ピラミッドと対比するごとく、立方体の形状に円形の天井穴。
駐車場からエントランスへの誘導路。
中へ入って...
上を見上げる。
1階。
ガラスに対比して石の壁。
イサム設計のテーブル。
これでイサムのソファがあれば完璧なんだけど...
2階。
くぼんだ底の正方形グリッドは実はガラスプレートで1階へ光を通すようになってます。
1回の天井はこんな風になっていて...
イサムのアカリシリーズが展示されてます。
3階。
イサム作品のギャラリーがありますが内部は撮影禁止。
エレベーター。
3階の上が最上階(R)で、貫入部分の屋上に出られるらしいけど、
冬季は屋上は閉鎖されていて行けず。
建築的魅力は、内外空間の関係性の表現にあると思う。
一方ランドスケープ的魅力は、レイアウトにあると思う。
建築には主観と客観が混在するけれど、
ランドスケープには客観性しかない。
僕はやはり建築が好きなようだ。
【information】オフィシャルサイト
アクセス:札幌市内から地下鉄+バス