「卒業制作」と一致するもの

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アートが好きだ。
デザインも好きだ。

でも、「アートやデザインで飯を食う」という表現がまだイマイチピンとこない。

上手く言えないけど、「呼吸をする」ことで飯を食う、と言ってるような感覚。
頭のいい人間なら、それで飯を食うこともできるんだろうけど、
少なくとも僕のような凡人には雲をつかむような感覚だ。

アートもデザインもあらゆる人間に欠かせないものだと思う。
意識して有効に活用すべきなんだろうけど、それだけでは個性にはならない。
これらはいわば「機能」であって、機能を行なうだけでは個性の表現にはならない。
その機能をいかに使って創造を行い、それをいかに表現するか。
「アーティスト」「デザイナー」と呼ばれるだけではもはや個性とはならない時代。

人間はいかにしてアート、デザインを扱うべきなんだろうか。


高松に行ってきました。

人生二度目。
遊子川に来てからははじめて。

遊子川からは内子まで出て、高速で3時間ほど。
東京から長野にスキーへ行く、と思えばそれほどの距離ではないけれど、
日帰りとなるとやはり結構な距離。


今回はとある地域のイベント取材がメインの目的。
それはまた別途報告しますが、
せっかくここまで来たので、前から行きたいと思ってた場所へ行くことに。


それがここ、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館。


卒業生にインタビュー

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写真: 多摩美術大学造形表現学部デザイン学科サイトより


少し時は遡って。

卒業制作の展示が終わってほっとしているところへ、
学校のHPに掲載するインタビューを受けました。

今年卒業するデザイン学科の4年生で、各コースから一人ずつ。

テーマは、学生生活を振り返り、
後輩や将来入学を検討している人たちへのアドバスを、といった感じのもの。


ふと、学校のHPを見てみると、
そのときのインタビュー記事が掲載されてました。


  多摩美術大学 造形表現学部 デザイン学科 | STUDENT REPORTS
  第12回 | 卒業生にインタビュー


入学を検討されている方へ、一助になれば幸いです。


こういうブログをやっていると、よく入学の相談を受ける。

自分は入学する前にオープンキャンパスに一度きて失望し、
在校生にヒアリングすることもまったくしなかったものの、、
最終的には「第六感」で入学を決めた。


まあ、それでも僕はこの4年間を後悔などしていないし、
逆にとても充実したものにすることができた。


結局他人の言葉は自分の背中を押してくれるだけでしかなく、
実際に一歩踏み出すのは「自分」なのだ。

そのことをしっかり自覚しなければ、
どんなに事前に念入りにチェックを入れたとしても、
大学生活を全うすることは難しいのではないだろうか。


これからの道

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年度末。

明日から新しい年度。

自分なりの「けじめ」を報告できることに感謝。
みんなに感謝。


大学を卒業し、本来であれば、明日から新しい年度がはじまり、
入社式を迎え、新社会人としてのスタートを迎えるわけだけど。

人よりワンテンポ遅い僕は、
少し遅れて4月下旬から新しいスタートを迎える予定です。


新しい世界への挑戦はいつだって希望半分、不安半分に満ちている。
自分で考え、動いた結果に、社会が応えてくれて、万々歳のはずなのに。

心が現実に追いついてなかった。
なかなか準備に取り掛かれずにいた。
どこかで、「これで本当にいいのか」とささやく声がして。


しかし心を現実に置いている限り、心は現実に向かう。
たとえ、ゆっくりでも。

今回の決断は、決して妥協ではない。
これから自分が目指す目的地への布石である。
緩やかな歩みの第一歩である。


卒業認定通知と成績表【4年】

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   ♪ 瞳を閉じればあなたが
   まぶたのうらにいることで
   どれほど強くなれたでしょう
   あなたにとって私もそうでありたい ♪

   (レミオロメン『3月9日』)


卒業認定通知と最後の成績表が届きました。


無事卒業できます。

まあ、卒業そのものはまったく心配してなくて。
今一番の懸案は、卒業後のことについて。
現在必死に就活中。

資金が底をついた今、さらに学ぶ、という選択は
否応なく棚上げ。

カリキュラムに不満を感じ、失望した部分も少なくないけれど、
それでも今の気持ちとしては、「大学に行って良かった」と
心から、素直にそう思える。


この4年間で学んだことは、
高専時代の5年間で学んだことはもちろん、
会社員時代の14年間で学んだことさえも比べものにならないくらい、
かけがえのないものとなった。


ありがとう、みんな。


建築という枠組み

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友達に誘われて、「3331 Arts Chiyoda」という
学校を改装したギャラリーに講演を聞きに行ってきました。

京都精華大学の卒業制作展示の一環で行われる連続講演、
「デザイン教育の現場から」の初日に行われたもの。
テーマは「建築という枠組み」、
講師は同大学で教鞭をふるう二人の建築家、永山祐子氏+片木孝治氏。


永山祐子さんは今をときめく新進気鋭の若手建築家、
一方、片木孝治さんは建築設計の次のステップとして、
農山村地域をアートで活性化するプロジェクトをメインに活動されています。
これも一種の「都市計画」なのだろうか。


建築と社会。
今、まさに僕が必死に考えている方向性につながるタイムリーな講演会。
でも、「若手」を簡単に信用せず、ソフト優先指向を嫌う自分の性格では、
たぶん一人で行くことは決してなかっただろう。


誘ってくれた友達に感謝。


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いよいよ開幕。

疲れているはずなのに、興奮なのか、緊張なのか、
夜中に目が覚めてしまった。
折しも外はあいにくの雨。

でも、でも、多くの人に見てもらいたいです!
ぜひ、見に来てください!


  第19回多摩美術大学上野毛デザイン展

  2月18日│金│〜2月20日│日│
  10:00〜21:00(最終日17:30まで)
  多摩美術大学上野毛キャンパス
  東京都世田谷区上野毛3-15-34
  交通│東急大井町線上野毛駅より徒歩3分


基本的に全日程会場内にいるつもりですが、
休憩していたり、ほかの作品を見て歩いていたりと、
作品のそばにいない場合もあります。

もちろん僕がいなくても存分に作品を鑑賞してもらってかまわないのですが、
事前に来場時刻など連絡くれれば確実にアテンドできると思います。
僕を知っている人はもちろん、知らない方も、
ぜひぜひたくさんの人とお話したいです。

携帯か、twitter(@tadaoh73)へダイレクトメッセージ、
(普通のつぶやきや返信では見逃す可能性あり)
mixiのメッセージなどで連絡ください。
...確実に対応できる保証はないですが、できるだけフォローします。


ちなみに会場は正門入ってすぐの本館および1号館がメイン会場ですが、
僕の作品はそこからさらに奥の3号館映像スタジオで展示してます。
場所的に見逃されがちなのが心配なので、念押し。

映像スタジオは比較的スケールの大きな6人の学生作品が展示されており、
結構良い感じに仕上がっています!


第19回多摩美術大学上野毛デザイン展

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展示に向けて黙々と作業する日々。

展示のオフィシャルサイトができあがったようなので告知します。


  第19回多摩美術大学上野毛デザイン展

  2月18日│金│〜2月20日│日│
  10:00〜21:00(最終日17:30まで)
  多摩美術大学上野毛キャンパス
  東京都世田谷区上野毛3-15-34
  交通│東急大井町線上野毛駅より徒歩3分


昨年までは「学内展」と呼んでましたが、
今年から呼称が変わったようです。
デザイン学科の場合、
4年生の卒業制作と3年生の課題作品が合同で展示されます。

今年からは学外展示をしないから、というのがその理由らしいけど、
その割にはこそこそとこういう展示が企画されたり。

まあ自分としては、
このキャンパスで学んだ集大成を、このキャンパスで見せたい。
...という気持ちが強いので、今回の展示一本に集中します。
これだけのスケールの作品を無料で展示させてくれる機会なんて、
そうそうないわけだし。


ぜひ、たくさんの人に見てもらいたいです。


作家宣言

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言葉では言い表せない驚異と神秘の構図に、医師は息を呑んだ。理解できず、分析もできない感情が体中に満ちてきた。畏れと喜びー天地創造の場に立ち会った者の畏れと喜びか。官能的で、情熱的で、途方もない・・・だが、同時に、身の毛のよだつ何か、人を恐怖のどん底に叩き込む何かがある。これを描いたのは誰だ。自然がひた隠しに隠していた深みにまで潜り込み、そこに守られていた美しくも残忍な秘密を掘り出してきた男が描いた。人に知られること自体が不浄である秘密ーそれを知った男が描いた。ここには原始の気配、畏れ入るべき何かがある。(モーム『月と六ペンス』P380)


何か新しいものに出会うとき、
希望と喜びを持って無条件に全面的に受け入れることができれば、
これほど人間として幸運なことはない。
人生とは、新しいものとの出会いの連続なのだから。


しかし、それは時として「ヒト」として生きていくには致命的な欠陥となる。
外に出れば七人の敵がいる。
エゴの外にあっては、同じ種同士でさえ、敵になることがある。
「警戒心」は自分の身を守るための本能である。
人間は文明人である前に、「ヒト」であることを忘れてはならない。

信心が善であり、疑心が悪である、とは限らない。
疑心が科学を育み、信心が宗教を育んだ。
いわばこれら二つは人類の父と母である。


人間がするべき唯一の「闘い」とは、
本能からくる疑心と、理性による信心との闘いだけだと思う。
どちらをないがしろにしても、真に人間らしく生きることはできない。


創造とは、自分の内にあるものと、外にあるものとの闘いである。
疑心なくして安易に逃げ込む信心は弱い。
果てしのない疑心の果てに芽生える信心こそ、真の信心である。

そのような真の信心が強い人間を育てる。


ことよろ

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[アルブレヒト・デューラー「野兎」(1502年)]


年が明けました。

昨年暮れに祖父が他界したため、新年の祝辞は控えさせていただきます。

毎年恒例の年賀イラストも控え、
今年の干支であるウサギの名画と代えさせていただきます。
およそ500年以上も前の絵とは思えない緻密さ。
良いものは時を越えて残るものなんですね。


それにしてもひどい年末年始となった。

30日。兆候が現れ始める。
ノドが痛くなってきて、そのうち頭痛が。
鼻が詰まってまともに鼻呼吸ができなくなって、
一晩寝て起きてみると口の中がカラカラに乾ききる。
そして襲ってくる酷い寒気。

大晦日はほとんど寝たきり。
翌元旦も初日の出を拝むこともできず。

昼過ぎて、ようやく症状も和らいできて、快方へと向かって...いるはず。


どうやら今年は本厄の前厄らしい。

波乱に富んだ一年になりそうな予感。


ユルバニスム【ル・コルビュジエ】

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今年最後の読書レビュー。

ル・コルビュジエの「ユルバニスム」。

毎回難解な文章に苦しめられながらも、何度も手を伸ばしてしまう。
それだけコルビュジエの建築が魅力的だということなのだけど、
日本にはコルビュジエの建築は国立西洋美術館しかなく、
イメージと言葉からしか彼の建築を知る手だてがない。

そしてやっぱり言葉からではコルビュジエの建築哲学はピンと来ない。


「ユルバニスム」とはいわゆる「都市計画」ということなのだけど、
僕はいまだに都市計画そのものがピンと来ない。
建築家としてのコルビュジエには大いにインスパイアされるのだけど、
都市計画家としてはよく分からない。

唯一実現した、チャンディガールにしても、
建物個々は魅力的ではあるけれど、
都市としてははたしてどうだったのか。


そもそも、成功した都市計画などあるのだろうか。
パリ、ロンドン、ベルリン、ニューヨーク、そして東京...
それぞれの都市には個性があり、それなりの魅力があって、
それなりの光と闇を抱えている。


自然が人智の及ばない神の操作があるように、
都市にもそういう部分があるのではないだろうか。

完全な都市などない。
人智による完全な操作が可能な都市が実現したとして、
はたしてそういう都市に魅力はあるのだろうか。