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華麗なる一族〈上〉
華麗なる一族〈中〉
華麗なる一族〈下〉
久々に山崎豊子作品を読みました。
「沈まぬ太陽」「大地の子」に続き三作目。
まあドラマがはじまったのがきっかけけですが。
上中下の三巻構成ですが、それぞれが600ページもの長さゆえ
最初は読み終える前にドラマが終わってしまうのでは、と
思っていたのですが、上巻こそペースがゆっくりだったものの、
中巻、下巻と読み進めるうちにどんどんペースが上がり、
あっという間に読み終えてしまいました。
銀行界、政界、鉄鋼業界と今回も相変わらず自分の現実とは
到底かけ離れた世界の、スケールのとてつもなくでかい話です。
一介の小説家がここまで産業界の深淵を描けることに驚異を感じます。
(まあ自分は汎用なる市民なのでその真偽は知る由もないのですが)
それでいてリアリストの自分を惹きつけるものがある。
他人事ではすまされない、どうしようもないやるせなさを感じさせる。
それが前二作品を含めて感じる山崎作品独特の魅力なのでしょうか...
物語は万俵コンツェルンの総帥で家長の万俵大介を中心とした
タイトルどおり「華麗なる一族」の野望と謀略の渦を描いた作品。
以下は例によってネタばれなところもあるのでドラマを観ていて
結末を知りたくない、という方は読まれないことをオススメします。
世の中は「正義が勝つ」のではなく、「強者が勝つ」。
この物語はあらためてこのことを教えてくれる。
山崎豊子原作、華麗なる一族はじまってますね。
原作も買って読み始めたのでドラマも観ようと思っていたのに。
...見逃した。
しかし。
なぜか明日21日14:00-15:30で早くも再放送。
やはり反響が多かったのでしょうか。
今度はしっかり録画予約。絶対観るぞ。
しかしこの物語、初の映像化ではないんですね...
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第1巻
第2巻
第3巻
第4巻
全4巻。
いわゆる中国残留孤児をテーマにしたフィクション。
開拓民として満州に渡るも終戦とともに両親と生き別れ、
親切な中国人に拾われ中国人として生きる主人公。
しかし日本人であるが故に待ち受ける数々の苦難の連続。
沈まぬ太陽を書いた山崎豊子の著作を続けて読んだわけですが
いやーこの方は壮絶な人生を描くのが好きなんでしょうかね。
沈まぬ太陽の主人公も壮絶な人生でしたがこちらもまたすごい。
何度も泣きそうになりました。
かくも戦争はここまで人間を悲劇に追い込むのか。
平和ボケしてるあなたに平和のありがたさを痛感させられる一冊です。
日本人であることを誇りに思うと同時に世界中の人たちが仲良く
なれるような世の中になることを願ってやみません。
機会があればドラマ版もぜひ見てみたいですね。
(2006/09/26 Tadaoh! Bookより移動)
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沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上)
沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下)
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上)
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)
アフリカ編上・下、御巣鷹山編、会長室編上・下の5冊構成。
日航機墜落事故をテーマにしたフィクション。フィクションなので
実在の人物名、会社名など微妙に変えてはいますが誰が読んでも
JALの腐敗体制を批判したものであることに疑いの余地はないでしょう。
読み終わっての感想は、まさに「壮絶」。
こんなにも壮絶な人生があるのか...
現在この会社がどういう実情にあるのか分かりませんがこの本を読むと
この会社の飛行機に乗りたくなくなること間違いなし。
かくも人間はここまで醜くなれるものか...
出世欲に燃えるビジネスマンの方に必読の一冊です。
自分が働く「意味」を考え直してはいかがでしょうか。
善良なる良心をもってこの会社が立ち直っていることを祈ります。
(2006/09/26 Tadaoh! Bookより移動)