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エマ (1)
エマ (2)
エマ (3)
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エマ (6)
エマ (7)
エマ (8)
平成17年度(第9回)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作品。
「エンターブレイン」という聞きなれない出版社の、
「コミックビーム」というこれまた聞きなれないマンガ雑誌で
4年半掲載された作品...らしい。全7巻。
...少年の頃、僕はアニオタ、...いわゆるアニメオタクでした。
フィギュアを集めたり、とまではいかなかったけどマンガの100冊200冊は
持っていて、読みながら自分なりのヒーローを妄想したりするのが好きだった。
社会人になってからはほとんど処分して、
マンガはコンビニで時々立ち読みする程度だったのですが...
この間新しくできた国立新美術館で開催されていた、
文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」で過去の受賞作品が
立ち読みできるコーナーがあって、そこでこの作品に出会いました。
物語は19世紀末の英国、産業革命でなにもかも新しくなりつつも
階級制度という昔ながらの風習も色濃く残る時代の
メイドと貴族という身分違いの恋物語、とありがちな設定なのですが。
...はまってしまった。
全7巻買い揃えて何度も何度も読み返しています。
僕は少年の頃は妄想壁のある少年だったけど、
成人してからはけっこうなリアリストになったと思ってた。
今の日本には程遠いイギリスの貴族制度や社交界には興味はないし、
メイド喫茶に興味があるわけでもない。
そりゃ多少メイド姿の婦女子をカワえーなー、と思うことはあるけれど
カワイイ娘はなに着てもカワイイし。
それでもこの物語にはまってしまうのはなぜだろう...
たぶん物語の要所要所であふれる繊細な「情感」に惹かれたのだと思う。
ただ絵の美味い漫画家ならたくさんいると思う。
マンガよりもアニメのほうが感情移入できるのは情感の情報量が多いから。
あくまで静止した絵に動きを見せるための擬音表現、ふきだしの言葉という
限られた状況でこれほどまでに登場人物の想いが強烈に読者に伝わってくる
作品はそうそうないと思う。
この作品はマンガの中でもとくに台詞の少ないほうだと思う。
それでも想いが溢れてる。その想いが伝わってくる気がする。
人が想いを伝えるためには言葉だけでは足らない。
愛していることを伝えるためにはそれを言葉にするだけでは伝わらない。
表情や仕草という情感が伴わないと。
そしてその情感を感じ取れないと。
言葉にしなくても伝わる愛はある。
覚悟さえあればおのずと行動に情感として表れるもの...なのかな。
そんな覚悟ができるようになりたい。
【追記】
物語自体は7巻で完結していますが、登場人物のサイド・ストーリー、
番外編として8巻が出てます。
通常版と特典DVDつき特別版の二種類でそれぞれ装丁が異なっています。
通常版 | 特別版 |
Amazonではすでに通常版しか買えなくなってます。
特別版はエンターブレインでは'07年4月末現在ではまだ買えるみたいです。
特別版が欲しい人は急ぎましょう!
さらにテレビアニメで第二幕がはじまってます。
ウィリアムの元を去り、メルダース家での新生活からはじまります。
原作より若干作画レベルが落ちていたり、
エレノアがすでにウィリアムに好きな人がいることを知っていたり、
と原作とは多少設定が異なってはいますが...やはり見ちゃいますね。
原作2巻までの物語が12話264分、6枚のDVDなんて
どれだけ話が膨らんでいるんでしょうね...
見てみたいけど廉価版とはいえ14,000円はちとキツイ...
tadaoh
テレビ放送第二幕が終わりましたね。
結局原作とは内容が大幅に変わっちゃってどうなることやらと思いましが、
ハッピーエンドで終わって良かった。
原作での息の詰まるようなお互いの想いをぶつけあったエマとウィリアムの手紙のやりとり、
その後のエマの誘拐事件、社交界の確執が割愛されていて、残念に思う反面、
原作では社交界デビューで終わったその後として、4人の子供と共に
幸せに暮らす二人の姿があって嬉しかった。
この物語との出会いはデザインを学び始めた自分にとって、まさにセレンディピティでした。
二人が初デートしたクリスタル・パレスはまさにデザイン史のはしりとでもいうべきもの。
僕のデザインとの生活もこの物語と共にはじまりました。
この物語同様ハッピーエンド目指して頑張ります!
ちなみに原作中の森さんの絵風の変化は、幾何学的なシンプルさであるアール・デコから、
装飾的、流線的なアール・ヌーヴォーに、という表現がしっくりくる気がするのは僕だけでしょうか...