「フランク・ロイド・ライト」と一致するもの

Casa BRUTUS特別編集 死ぬまでに見ておくべき100の建築

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カーサ・ブルータスが選ぶ「いつかは行きたい!世界の名建築100選」。

...建築好きならば間違いなく興味が喚起されるテーマですよね。
数多ある建築群から限られた状況でどれだけ多くの名建築に巡り会えるか。
それは事前に知識として名建築を知っておくことにほかならない。

東京の会社を辞めて美大に行くことを決めたときから、
多くの情報をリサーチし、実際に訪れてもいるけれど、
次から次へと名建築は現れる。
まあ、それは幸せなことなんだろうけども。

自分の場合はどれだけ多くの名建築を訪れることができるか、ではなく、
死ぬまでに自分で思う究極の建築を一つ作るのが最終的なゴールではあるけども、
そのためにはやはりリサーチし続けなければならない。


フィリップ・ジョンソン著作集

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バイト仲間が貸してくれた雑誌で知ったフィリップ・ジョンソン著作集。

さっそく図書館で探して読んでみました。


コルビュジエやライトに比べれば若干読みやすいです。
そして掲載されている写真もモノクロだけど、とても美しい。
しかしやや厚めで大きいこの本を満員電車の中で読むのは骨が折れた...


著作集、とありますが、
実際はデイヴィッド・ホイットニーによりジョンソンの数々の
雑誌のレビューや講演記録などをオムニバス形式で編纂されたもの。
日本版の本のデザインは田中一光。
1975年の初版はグレーのブック・カバー、
1994年の再版版は白のブック・カバーとなっているようです。


1932年、当時のMoMAの館長アルフリッド・バーにより
1922年以後に急速に広まった新しい建築様式は
「インターナショナル・スタイル」と命名され、
ラッセル・ヒッチコックとフィリップ・ジョンソンにより
「インターナショナル・スタイル:1922年以後の建築」
というタイトルで近代建築国際展が開催された。


しかしその半世紀後。
自ら提唱したその様式に反旗を翻し、ポストモダンへの展開を見せる。


彼が建築に馳せる想いは何だったのか。

そのヒントがこの本にはあると思います。


近代建築とデザイン【川添登/高見堅志郎】

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同級生がくれた本。

出版・社会思想社、初版1965年。
もらった本は1998年の第19刷版。

かなりのロングセラーだったようですが、現在はほぼ絶版状態。


古い本だけど、かなり濃い。

1年生のときにデザイン史の授業を受けたけれど、
この本はそれを補って余りある。


自分がクラシカルに固執するのは単に懐古主義だからではない。
別に過去を知らずとも、新しいものは作れるのかもしれない。
新しい、ということはただそれだけで価値がある。
しかし、ややもすればその価値だけに依存しがちでもある。
そして、新しさを失ったとき、その価値も消えてしまうのである。

新しいものが新しいものでなくなったとき、
それが生き残ってゆくには、新しいだけでない、ずっと残っていく価値、
「本質」が芽生えていなければならないのである。

今を生きる自分が過去のものと出会うとき、
その過去は本質を備えているが故に生き残った良質なものたちである。
だから人はクラシカルを学ぶべきである。


故きを温めて新しきを知れ。

空間へ―根源へと遡行する思考【磯崎新】

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建築家、芸術家の書く本は難しい。


  ・ギーディオン「空間・時間・建築」
  ・エドワルド・トロハ「現代の構造設計」
  ・フランク・ロイド・ライト「建築について」


...かつて読みはじめたものの途中で挫折した本たち。


この本も危うく上記リストに並ぶところだった。
大学の図書館は通常2週間の借用期間の後、
1回だけさらに2週間の延長、都合4週間借りられるのだけど、
4週間経過した時点で総504ページ中、半分ほどしか読み進まず。

例によってちんぷんかんぷんで、ほとんど内容が理解できないので、
返却してしまおうか、と思ったのだけど、
なんか勢いがついちゃって、結局もう一週間かけて読み切った。

半分は意地だね。
分厚い本を満員電車に揺られながら、絶対最後まで読んでやる、ってな感じで。

建築家として手腕が優れていればいるほど、
その文章力は反比例していくような気がする。


「空間」
この大学で1年間、空間について学んだけど、結局明確な答えは得られなかった。
もやもやとした霧や雲のような存在で、つかもうとしてもその感触が得られない、
つかみどころのない存在。

時にそのことにイライラしたり、失望したけれど、
それでも「空間」に惹かれる自分を感じる。
ただ、「空間」という言葉に惹かれているのか、その本質に惹かれているのか、
それさえも今は分からない。

ただ。


  「空間へ」


今の自分の状態を一言で言い表すならば、間違いなくこの言葉に要約される。
だから、この分厚い本を手に取ったのかもしれない。


...しかし磯崎さんの文章は相変わらずさっぱり。


帝国ホテル【高橋貞太郎|東京都千代田区】

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国立近代美術館からの帰り途、大手町から日比谷まで、皇居東側を散策。

新しくできた三菱一号館美術館の建物を見に行くつもりだったのだけど、
前川圀男の東京海上日動ビル本館、
村野藤吾の日生劇場、フランク・ロイド・ライトの帝国ホテル...
と思わぬ名建築のオンパレード。


日比谷の一等地に建つ帝国ホテル。
自分がこのホテルに興味を持つのは、ホテル御三家としての格ではなく、
かつて建築設計をフランク・ロイド・ライトが手がけたことだけど、
その建物は今はない。


以下Wikipedia情報を要約。

ライトが手がけた帝国ホテル・ライト館は1919年に着工したものの、
ライトの細部へのこだわりで大幅な予算オーバーとなり、
完成を前にして離日するはめになってしまう。
弟子の遠藤新が指揮を引き継ぎ、1923年に完成。
その完成した年に関東大震災に見舞われるが、ほとんど無傷だったという。
その後の東京大空襲で大きな被害を受けるも修復され、持ちこたえたが、
老朽化と増加するホテルニーズに対応するために1967年に解体されて、
現在の建物(新本館)が高橋貞太郎設計により1970年に建てられた。

ライトの代表作品ということもあって日米双方より保存を求める声が上がり、
1985年に玄関部分のみではあるが、愛知県の明治村に移築、再建された。
2004年には「明治村帝国ホテル中央玄関」として、登録有形文化財に登録された。


...というわけで日比谷の現在の帝国ホテルに訪れても、
ライト建築にはお目にかかれないわけですが、そこは偉大な建築家、
ライトの面影を少なからず見かけることができました。

ホテルも高橋氏もライトをオマージュしてたんですね。


「札幌聖ミカエル教会」とアントニン・レーモンド展

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ここのところ平日は悪天、週末は好天の日々。
それはそれで都合がいいのだけど、
たまの週末は疲れた身体を家でゆっくり休めたい...

と思いつつ、
先週のル・コルビジェ展に引き続き、
アントニン・レーモンド展へ行ってきました。

今回は江東区東陽町にある、竹中工務店のギャラリー、「A4」。
A4は「エー・クワッド」と読むらしい。
竹中工務店の社屋自体がグッドデザインを受賞するほどオシャレです。
このビルについてはまた別途。


アントニン・レーモンドについては、名前は知っているのだけど、
実際どんな人間で、どんな建築をしたのかはまだよく知らない。

アントニン・レーモンドという人と建築を知るまたとない機会なのですが、
大成建設のタイセイ・ギャルリーと同じく、日曜休館、ということで
土曜日の授業前に、急ぎ行ってきました。


「木造モダニズム」
...どうやらそれを日本にもたらしたお人らしい。


イサム・ノグチ ~宿命の越境者~【ドウス昌代】

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「地球を彫刻した男」イサム・ノグチの評伝。

作者のドウス昌代さんは名前からしてイサムと同じハーフなのかな、
と思いきや旦那さんが外国人というだけでどうやら生粋の日本人のようです。
余談ですが、ドウス昌代さんの出身である北海道岩見沢市の
岩見沢複合駅舎が2009年グッドデザイン大賞を受賞しました。
この本を読んだタイミングにおいて、なにかしら奇縁を感じます。

イサム自身も「ある彫刻家の世界」というタイトルで生前に自伝を出しているものの、
その大半は自分の作品の写真で占められ、出自に関する文章は30ページほど。
彼の本質を理解するには十分なものではなかった。

彼は自分の人生の足跡を記録として残すことにこだわる人だった。
多くのアーティストと同じく文章を書くことはそれほど得意ではなかったが、
家族や友人とよく手紙のやりとりを行い、その手紙を大事に保管していた。
晩年は自分の人生を自らの肉声で録音するということまでした。
彼は非常にエゴの強い人間だった。

その記録と共に彼が残した足跡を筆者が根気よくたどることにより、
この物語は実現している。
記録によるイサム本人の声と、筆者の取材という主観と客観の双方からの
アプローチによりイサムの実像がよりくっきり見えてくる。

この本はただイサムを賛美するだけでなく、
厳しい批評も賛美と同じくらい含んでいる。
その点でこの本は正直な評伝だと思った。


ナショナリティのギャップがまだ現在ほど寛容に受け容れられない時代。
日本とアメリカの「アイノコ」はどちらの社会からも受け容れられなかった。
その耐え難い傷がイサム・ノグチの出発点となっている。
ナショナリティを超え、ボーダーレスのアートという領域に
自分が属することができる場所を見出そうとした。
しかし皮肉にもその特異な出自はアート界をも戸惑わせた。
「巨匠」と呼ばれながらも、奇妙なほど捉えづらい存在とした。
それがイサムらしさ、ということなのかもしれないし、
イサムの巨匠たらんところでもあるのだと思う。


ブランクーシはその「純粋性」において惹かれる。
一方イサムはその「渾沌性」において惹かれる。


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関東で唯一のライトの建築作品、自由学園明日館に行ってきました。

実は1年前の同じ頃にも訪れているのですが、
閉館間際で中には入れず。

今回1年がかりでようやく願いが叶ったり、というわけです。

時期も同じ春、ということで桜がキレイでした。


自由学園の創設者、羽仁吉一・もと子夫妻が建築家遠藤新を介して
帝国ホテル設計のために来日していたライトに設計依頼して
1921年から1927年の実に6年がかりで建てられたもの。

低い屋根、水平方向への強い線、地面と同じ高さの低い床。
プレーリーハウス(草原住宅)と呼ばれるライトの建築様式を
観察することができます。


JR池袋駅メトロポリタン口より徒歩5分。
見学料400円で中を見学することができます。
写真撮影もOK。


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大学の図書館で借りた本。

以前ゲーリーの映画を見て、ビルバオのグッゲンハイムにすごく惹かれました。


本書はこの10年間の主な作品24点をゲーリー自身の言葉で紹介するもので、
ゲーリーの建築哲学を垣間見ることのできます。

建物は直方体、という常識を覆し、曲面を多用し、
時にそれらが風にはためいているかのごとく建築に「動き」を与える。
(カラトラバのように実際に動かすわけではないのですが)


どの作品も一見してゲーリーの作品だと言うことが分かる。
どの作品にも「ゲーリーらしさ」が現れている。
それでいて、彼はクライアントの意向をとても大切にしている。

デザイナーにエゴはいらない、自己表現はいらない。
このような言葉をよく耳にします。
自分はそのことについてとても懐疑的です。
デザイナーは造形マシン、アイデアマシンじゃない。

エゴとエゴとの折り合い。
それがデザインであり、コミュニケーションである。


ゲーリーやリベスキンド、カラトラバのような建築家はそれを教えてくれる。


リトアニア・グッゲンハイム

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  THE ARCHITECTS' JOURNAL: Victory in Vilnius for Hadid
  (残念ながら現在はリンク切れ)

どうやらアブダビに続いてリトアニアにもグッゲンハイム美術館ができるみたいですね。


そのコンペにザハ・ハディドが優勝したとか。

世界各地に分館があるグッゲンハイム美術館
フランク・ロイド・ライト設計のNY
フランク・ゲーリー設計のビルバオ、アブダビとなど
美術館自体がアートであることで有名です。

このほかにもベネチアやラスベガス、ベルリンにもあるみたいですが、
こちらはどうやらオーソドックスなものらしい。


いつか全部の分館を制覇したいものです。