「ゴッホ」と一致するもの

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今年最初の美術鑑賞。

愛媛県美術館で開催中のバレル・コレクション展へ行ってきました。


英国スコットランドの海運王ウィリアム・バレルが蒐集した美術コレクション、
「バレル・コレクション」。
バレルはその膨大なコレクションを地元グラスゴー市に寄贈、
閑静な土地にコレクションを展示する美術館が建設され、1983年に開館しました。


コレクションは基本的に門外不出でしたが、
美術館のリニューアル工事に伴い初来日することになり、
本展はそのコレクションの中から73点と同市のケルヴィングローヴ美術館から7点、
計80点を展示するもので、福岡→愛媛→東京→静岡→広島の順で巡回します。

巡回展はなにかと都会の美術館が優先され、
遅れて田舎の美術館へ巡回してくるのが常だから、
めずらしく東京よりも先に愛媛で開催されるのも嬉しい。


フィリップス・コレクション展【三菱一号館美術館】

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久々の東京出張。
帰りの飛行機までの時間を利用して、久々のお江戸での美術鑑賞。


東京都美術館でのムンク展に続いて、
三菱一号館美術館で開催中のフィリップス・コレクション展へ。


フィリップス・コレクションは裕福な実業家の家に生まれた
ダンカン・フィリップスが蒐集した美術作品群です。
1918年に法人化し、1921年にこれらのコレクションを展示する場として、
ワシントンDCにフィリップス・メモリアル・アート・ギャラリーを開館しました。
これはMoMAの開館よりも8年も早く、アメリカで最初に開館した近代美術館とされています。

ダンカン・フィリップスは1966年に亡くなりましたが、
その精神はフィリップス・コレクションに受け継がれ、
現在、同コレクション所蔵品数は4,000点以上にもなります。

本展はこの世界有数の近代美術コレクションの中から、
アングル、コロー、ドラクロワ等19世紀の巨匠から、
クールベ、近代絵画の父マネ、印象派のドガ、モネ、印象派以降の絵画を牽引した
セザンヌ、ゴーガン、クレー、ピカソ、ブラックらの秀作75点を展覧するものです。


ムンク展ー共鳴する魂の叫び【東京都美術館】

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久々の東京出張。
帰りの飛行機までの時間を利用して、久々のお江戸での美術鑑賞。


...というわけで東京都美術館で開催中のムンク展に行ってきました。

特にムンクが好き、というわけでもなくて、
上ので開催中のフェルメール展、ルーベンス展、六本木で開催中のボナール展など、
場所の成約と好みをいろいろ検討した結果、消去法で残ったのがムンク展と、
三菱一号館美術館のフィリップス・コレクション展でした。
結果的にはこれが大当たり。


「叫び」は世界で最も有名な絵画の一つであり、
故国ノルウェーでは国民的画家として讃えられているエドヴァルド・ムンク。
40代にはすでにその画業は社会的に認められるようになっており、
画家としては成功した部類に入るでしょう。

しかしなぜ、彼の絵はこんなにも悲しみに満ちているのでしょうか。


ノルウェーのクリスチャニア(現オスロ)の北に位置するローテン村で、
軍医だった父クリスチャン・ムンクと母ラウラの間に生まれたムンクは、
結核により母と姉を幼くして失う。
女運も悪く、恋人とのいざこざの末に左手の指の一部を失ってしまう。
幼少時に大切な家族を失うという経験と、恋人との破局により
アルコールに依存するようになり、ついには精神的にも異常をきたすようになる。
この危機を画業の成功でなんとか乗り切るが、
ナチス・ドイツが台頭してくると、頽廃芸術として作品押収され、
戦争を避けるようにひっそりと作品を描き続けるが、
ナチスの爆撃で家の窓が吹き飛ばされ、その寒さにより気管支炎を患い、
生涯独身を貫いた画家は自宅で一人息を引き取った...


画家としては成功したが、彼の人生は決して恵まれたものではなかった。

彼の人生ははたして幸福なものだったのだろうか。
彼自身、自分の人生に悔いは残らなかったのだろうか。


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広島滞在最終日。
小雨の降りしきるなか、ひろしま美術館に行ってきました。
初訪問。

平和記念公園の北側と広島城の南側に挟まれたひろしま美術館は、
広島銀行が創業100周年を記念して1978年11月3日に開館しました。
設計は与謝野久/日建設計。

訪れた日は開館40周年を記念して、
本館が所蔵するる全館コレクション展示の初日でした。

開館時間に合わせて美術館に向かったのですが、
3,4台しか置けない美術館駐車場はすでに満杯、
やむなく隣の市民病院の有料駐車場に停めて、いざ中へ。

順路に従って作品鑑賞をしていたら、
中央ホールに人がわさわさ集まりはじめていたので、
何事だろうと見ていたら、
気品あるご婦人が話し始め、よくよく聞いていたら、
芸術作家・原田マハさんでした。
その日の夕方から講演会があったみたいですが、
事前申込制だったらしく、聞きに行けず。


それにしても一介の地方銀行にしては豪華すぎる所蔵品の数々にびっくり。
しかも全作品撮影OKだなんて。

見直したぞ、広島銀行。


MOMATコレクション【東京国立近代美術館】

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半年ぶりの東京。

一番の目的は東京国立近代美術館での企画展「日本の家」展だったのですが、
雨天の割には混雑しているものの、自分的にはいささか期待はずれでがっかり。


一発目からハズレか?...と思いつつ続いてコレクション展へ。

...これがめっちゃ良かった。


企画展での物足りなさを補って余りある一発逆転なのでした。

※本展はすでに終了しています。


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[図録 2300円]


愛媛県美術館で開催中の「ターナーからモネへ」展へ行ってきました。

本展は1907年設立の英国ウェールズ国立美術館が誇るコレクションより、
19世紀から20世紀初頭にかけてイギリスやフランスで活躍した画家たちの作品70点あまりを展示したもの。
規模的には先月観に行った新居浜市美術館での東京富士美術館コレクション展とほぼ同じなんだけど、
こちらのほうがボリュームが大きく感じたのはそれだけ良作が多かったからでしょうか。
(いや、東京富士美のコレクションも良かったのだけれど^^;)

また、「ターナーからモネへ」というタイトル通り、
ロマン主義から印象派、ポスト印象派までを年代順に章立てし、
イギリス、フランスと地域を限定することで分かりやすい内容になっているのも良かったです。


Loving Vincent

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  Loving Vincent


もしもゴッホの絵が動いたら...

そんなコンセプトで作られている映画があります。
2016年中には公開予定だったみたいですが、
なにせ1秒の動画に12枚の油絵が必要で、80分の作品に仕上げるという
途方もなく労力のかかる作業のため、どうも完成が遅れているようです。


地域別に見るロマン主義の多様性

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[テオドール・ジェリコ『襲撃する近衛騎士官』1812](出典:Wikipedia)

それまでの装飾的・官能的なバロック、ロココの流行に対する反発として、
18世紀中頃から19世紀初頭にかけてに台頭した新古典主義。
しかしそれもやはり一通り落ち着いてしまうと、時代はさらに次の様式へと移行する。

それがロマン主義。
保守的・安定的だった新古典主義に対して、再び革新的でダイナミズムな作風へ。

...歴史は繰り返す。


本記事は社会人学生時代の自分の西洋美術史のテスト答案を元に再構成したものです。
テストは授業内容(ルネサンス以降の美術史)の中から2つ、
自分にとって「最も大きな発見」をピックアップして自分の意見も含めて説明しろ、というもの。

自分は「バロック様式」と「ロマン主義」をピックアップ。

採点は見事100点をいただきましたが、
だからといって本記事が客観的に絶対正しい、ということを保証するものではありません。
あくまで一学生の主観に基づくレポートであることをご理解ください。


伊予のいーとこどり。

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谷上山より伊予市を眺む。#伊予市

Tadao Higakiさん(@tadaoh73)が投稿した写真 -


伊予市(いよし)は、愛媛県の中予地方に位置する市。中予地方の最西に位置し、以西は南予地方となる。

複数の削り節工場が立地し、国内に出荷される6割のシェアを占めている。また、五色浜をはじめとした海水浴場や、JR予讃線(愛ある伊予灘線)や夕やけこやけラインから見える景色等、美しい瀬戸内海(伊予灘)が本市の観光資源となっている。(Wikipedia)


早いもので伊予市に引っ越して一年が過ぎました。


海あり、山あり、街ありとバランス良く、松山へのアクセスも良く、
なかなか過ごしやすいです。


最近インスタの画像をブログに貼り付けられる、ということを知ったので、
伊予のいーとこ風景を集めてみました。
(一部インスタ画像じゃないものも混ざってます^^;)


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[ギュスターヴ=アドルフ・モッサ「彼女」(1905年)]


大塚国際美術館での展示作品。
会場内は撮影可能ということで、気の向くままにお気に入りの作品を撮影しました。

本記事では象徴主義、ナビ派、ウィーン分離派、フォービスム、表現主義、エコール・ド・パリ、
キュビスム、ダダイスム、シュルレアリスムをピックアップ。

絵画の様式は、秩序と無秩序、安定と不安定、静的と動的を繰り返すものだけど、
決して同じことの繰り返しではなく、時代背景や情勢によって、
常に新しい要素を内包させてゆく。
それは樹木が根本から無数に枝分かれしてゆくかが如く。
枝別れたものが行き着く先はどんなものなのか。
それはすべてが混ざり合うカオスなのだろうか。

すでに現代アートというジャンルが一つの様式として括れないところに来ているのか。
はたまた、単に今を生きる自分たちには現代アートを客観的に眺めることができず、
数世紀、数十世紀先の人たちが今のアートやエンタメを眺めて様式化するのだろうか。


...あくまで素人の自分なりの独自の解釈です。
知識不足、勘違い、根拠に欠ける部分も多々あることをご了承ください。


照明がやや暗めで暖色系のため、作品画像はピンぼけ気味でやや赤っぽくなっています。
また、陶板特有の光沢もあります。
さらに傾き補正やレンズ補正をかけているため、
必ずしも作品(本物)の内容や構成を忠実・正確に表すものではないことをあらかじめご了承ください。

「だいたいこんな感じのもの」という感じで見ていただけたらと思います。