「ルイス・カーン」と一致するもの

兵庫県立美術館【安藤忠雄|兵庫県神戸市】

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待ちに待った夏休み。

まず最初に向かったのは神戸市内にある兵庫県立美術館。
大震災からの復興プロジェクトとして計画され、安藤忠雄氏の設計で2002年に開館。
海沿いに建つ美術館の周囲には市立のなぎさ公園が整備され、
ひとつの巨大なランドスケープを形成しています。


愛媛からは松山自動車道、徳島自動車道を経て淡路島を横断して本土に入り、
垂水インターチェンジで阪神高速3号神戸線に入り、摩耶インターまで。
高速降りて5分ほどで美術館に到着。
盆休みということで渋滞を心配してましたが、
阪神高速に入るまではほぼ渋滞なし。
阪神高速は断続的にノロノロ運転でしたが、想像してたよりは流れていてよかった。


それにしてもまあデカイ。
デカすぎて全体を把握するのが難しい。
真夏の昼間ということもあって周囲を一周する気にもなれず、
さらには一部工事をしている箇所もあって、なおさら全体像の把握を難しくしてました。
基本的には細長い長方形ブロックが3つ平行に並んだ構造で、
そんなに複雑な構造ではないはずなのに、いざその内部へ足を踏み入れると、
複雑に入り組んだ空間に戸惑いを感じてしまった。
まあ、面白いといえば面白く、安藤さんも意図的にそういう空間づくりをしたのかな、と。


Casa BRUTUS特別編集 死ぬまでに見ておくべき100の建築

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カーサ・ブルータスが選ぶ「いつかは行きたい!世界の名建築100選」。

...建築好きならば間違いなく興味が喚起されるテーマですよね。
数多ある建築群から限られた状況でどれだけ多くの名建築に巡り会えるか。
それは事前に知識として名建築を知っておくことにほかならない。

東京の会社を辞めて美大に行くことを決めたときから、
多くの情報をリサーチし、実際に訪れてもいるけれど、
次から次へと名建築は現れる。
まあ、それは幸せなことなんだろうけども。

自分の場合はどれだけ多くの名建築を訪れることができるか、ではなく、
死ぬまでに自分で思う究極の建築を一つ作るのが最終的なゴールではあるけども、
そのためにはやはりリサーチし続けなければならない。


建築家の講義【ルイス・カーン】

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丸善の「建築家の講義」シリーズ。

今回はルイス・カーン。

数ある建築家の中でも、もっと詩的で哲学的な言葉を発する一人。
大好きな建築家の一人です。

本書は1968年にライス大学建築学科での講義とそれに続く質疑応答を記録したもの。
およそ40年以上もの時の流れなど、微塵も感じさせず、
今読んでもその内容は心に深く突き刺さる。

それはとりもなおさず、彼が本質を語っているから。


本当の魅力とは、本質に結びつくものでなければならない。
流行はあくまで本質へとドライブするためのトリガーであり、エネルギーである。


イサム・ノグチ ~宿命の越境者~【ドウス昌代】

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「地球を彫刻した男」イサム・ノグチの評伝。

作者のドウス昌代さんは名前からしてイサムと同じハーフなのかな、
と思いきや旦那さんが外国人というだけでどうやら生粋の日本人のようです。
余談ですが、ドウス昌代さんの出身である北海道岩見沢市の
岩見沢複合駅舎が2009年グッドデザイン大賞を受賞しました。
この本を読んだタイミングにおいて、なにかしら奇縁を感じます。

イサム自身も「ある彫刻家の世界」というタイトルで生前に自伝を出しているものの、
その大半は自分の作品の写真で占められ、出自に関する文章は30ページほど。
彼の本質を理解するには十分なものではなかった。

彼は自分の人生の足跡を記録として残すことにこだわる人だった。
多くのアーティストと同じく文章を書くことはそれほど得意ではなかったが、
家族や友人とよく手紙のやりとりを行い、その手紙を大事に保管していた。
晩年は自分の人生を自らの肉声で録音するということまでした。
彼は非常にエゴの強い人間だった。

その記録と共に彼が残した足跡を筆者が根気よくたどることにより、
この物語は実現している。
記録によるイサム本人の声と、筆者の取材という主観と客観の双方からの
アプローチによりイサムの実像がよりくっきり見えてくる。

この本はただイサムを賛美するだけでなく、
厳しい批評も賛美と同じくらい含んでいる。
その点でこの本は正直な評伝だと思った。


ナショナリティのギャップがまだ現在ほど寛容に受け容れられない時代。
日本とアメリカの「アイノコ」はどちらの社会からも受け容れられなかった。
その耐え難い傷がイサム・ノグチの出発点となっている。
ナショナリティを超え、ボーダーレスのアートという領域に
自分が属することができる場所を見出そうとした。
しかし皮肉にもその特異な出自はアート界をも戸惑わせた。
「巨匠」と呼ばれながらも、奇妙なほど捉えづらい存在とした。
それがイサムらしさ、ということなのかもしれないし、
イサムの巨匠たらんところでもあるのだと思う。


ブランクーシはその「純粋性」において惹かれる。
一方イサムはその「渾沌性」において惹かれる。


連戦連敗【安藤忠雄】

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自分が一番最初に知った建築家、それが安藤忠雄だった。
名前が同じ「忠雄」ということで勝手に親近感を感じたりしてた。

...でも、どこかで彼の建築を敬遠していたような気がする。
この本も早くから知っていたけど今の今まで読まずにきた。

メジャーなものへの敬遠。
それはただの天邪鬼なのかもしれない。
一方でメジャーなものは分かりやすい反面、賛否両論が多すぎて、
その真価を見極めるのが難しい、という警戒心もあるかもしれない。

でも、やはり敬遠していては永遠に真価を知ることもない。


...というわけでようやく読みました。


アラフォーの憂鬱

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最近は愚痴は極力ブログに書かないようにしているのだけど。

たまには自分を鼓舞するために書きます。


最近、少し学業に対するモチベーションが下がり気味。
大学に行くのが億劫になってきている。

建築に対する想いは変わらない。
変わらないどころか強くなるばかりで、逆にそのことが、
学びの場としての理想と現実とのギャップを強くさせる。


今の場所は夢ばかりを語らせる。

一方で夢を現実にするための手法やスキルについてはあまり教えてくれない。
基本的に自分でなんとかしろ、というのが基本スタイル。
自分でなんとかできないから、大学に来ている、というのに。


まあ、そんな矛盾は早い段階から分かっていたのだけど...

現代建築に関する16章【五十嵐太郎】

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大学の助手さんの薦めで読みました。

タイトルのごとく現代建築に関する16のキーワードについて語るもの。
著者は東大・東大大学院卒の工学博士というエリート建築批評家。

別にエリートとか批評家というものを毛嫌いするわけではないのですが、
自分的にはあまり好きになれる内容ではなかったかな。

とは言っても建築家自身の言葉ばかりじゃ主観的な意見しか出てこない。
たまにはこういう建築家の周囲の声を客観的に聞くことも重要なのかもね。
キーワードごとに建築を語ることで、
自分の建築に対する考えを整理することもできるし。


建築とは多要素の集合体だ。
好きな側面もあれば嫌いな側面もある。


ルイス・カーン建築論集

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ルイス・カーン建築論集 (SDライブラリー)


ルイス・カーンの建築論集をやっと読み終えました。

今回はSD選書ではなく、SDライブラリー。
もっとも現在ではSD選書のほうでも同内容のものが出てるみたいですが。
SD選書の基本カラーが黒なのに対し、SDライブラリーは白です。


最初の数ページでかなりインスパイアされたのですが、
その後はライトほどまでとはいかなくともやはり難解な内容で
読むのに苦労しました。

この本は講演会でのスピーチやインタビューなどを集めた十章構成なのですが、
繰り返し繰り返し同じキーワードが登場してきます。
たぶんそうでもしなければ彼の伝えんとする本質が見えてこないからなのでしょう。

こうして読み終えたあとでもやはりその半分くらいしか彼のいわんとすることが
理解できなかった気がします。


それでもこの本から学ぶことは多かった。


人は自分自身でないものを学ぶことはできない。


巨匠建築家フランク・ロイド・ライト【DVD】

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研究室で借りたDVD。
世界で一番有名な建築家、フランク・ロイド・ライト。
コルビュジエ、ミースと共に近代建築の三大巨匠と称される。

彼は紛れもない天才芸術家であり、
その建築は見る者を魅了する。

しかしこのDVDはライトという人となりを好きにさせる作りにはなっていない。


  「彼が作った建築は確かに素晴らしい。
   でも人格はちょっとね...友達にはしたくないタイプだね」
   

このDVDを見た人はたぶんこう思うんじゃないだろうか。
女ったらしで家庭を省みず、
自らの天才ぶりを豪語して常に注目されていなければ気がすまない。
たとえ才能があろうとも、誰がそんな人を好きになるだろう。


しかしそれでも僕はライトとその建築を好きでいたいと思う。
建築は建築家の思想を表現するものだから。
彼の建築はやはり素晴らしいと感じるから。
グッゲンハイムや落水荘、マリン郡庁舎は本当に美しい。

フランク・ロイド・ライトという人を表現するものは
彼の生き方や人生ではなく、建築そのものなのでしょう。
だからこそ彼は巨匠なのであり、今なお建築界に絶大な影響を与え続ける。


マイ・アーキテクト ルイス・カーンを探して【DVD】

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大学の研究室にはけっこうな数の建築関係のDVDが置いてあります。
ルイス・カーンの建築論を読みはじめたこともあって、
ルイス・カーンのDVDを借りました。

このDVDはドキュメンタリー映画となっていて、
監督はルイス・カーンの息子であるナサニエル・カーン。
内容はルイス・カーンの建築を知る、というよりは
父親の建てた建築を訪れることで父親の実像を知ろう、というもの。

言うなればこの映画は息子の父親の心を知りたい、というエゴのために作られたようなもの。


しかしだからこそ、この映画は僕の心に響く。
家庭を顧みず、仕事に走った男の心中はいかようなものだったのか。
彼を取り憑かせた建築とはどんなものだったのか。