第3セッションも中盤越え。
中間プレゼンが終わりました。
大どんでん返しがあったけど、もう時間がない。
各自のアイデアによってはこのセッションはリサーチのみでよい、
みたいな雰囲気もあるけれど、僕はやはり形に残すことにこだわりたい。
今後はこれまでのリサーチを元に最終プレゼンに向けて
形にしていくことに注力していきたいと思います。
けっこう自由度の高い課題なので、各人さまざまな提案があるのですが、
大きく分けて堅実な「現実型」と、突飛な「未来型」に分かれるようです。
年齢に反して僕はどうやら突飛な「未来型」らしい。
現実型は提案が実感できるので、受け入れやすい。
それに対して未来型は現実を離脱するために反発を受けやすい。
しかし建築は時間をかけてゆっくりと評価されるものと僕は信じる。
自分の感性を信じて突き進もう。
プレゼン内容覚え書き。
僕は等々力渓谷敷地内に個人美術館を建てる、という課題を選択。
※実際は法令的には渓谷内に建物を建てることはできないらしく、
あくまで課題に取り組むための仮定です。
一番最初の提案ではあれもこれも詰めすぎている割には、
機能がバラバラだったので整理して一番やりたいことを明確にしました。
テーマ。
等々力渓谷は23区内唯一の渓谷として豊富な自然が魅力ではありますが、
近隣住民としては時にその魅力が十分に伝わっていない、と感じることもある。
そこで等々力の自然美を再認識するために、
自然からインスピレーションを受けた絵画を展示する美術館を置くと同時に、
渓谷を上部から俯瞰できる展望台を持つ「等々力の塔」を内包することで
等々力渓谷のシンボルとし、100年、200年後も魅力ある渓谷と共存してゆく。
...これがコンセプト。
しかし。
この「塔」が先生にはお気に召さなかったらしい。
先生の評価については後ほど。
断面図。
日当たりは悪いものの、空間的には魅力的な広場。
しかし中央にトイレがどかんと置かれているせいでその価値を失っている。
ここに美術館を置くことでその空間価値を復活させる。
美術館平面。
プランは長軸20m、短軸10mの楕円形で、一端に高さ30mの塔を配置。
美術館は1F(導入部)、地下階(ギャラリー)の2フロア構成、
上空からの俯瞰。
環八あたりからこのように見えるといいなあ、と。
実は東山魁夷氏の「緑響」を使ってます。
イメージとぴったりだったので。
美術館のGLからのビュー。
現地写真をシェードの簡略CGでコラージュ。
美術館内部、展望台への階段のビュー。
東京カテドラルをコラージュ。
美術館外観スケッチ。
現時点ではまだ継続検討中。
展示室(BF)のスケッチ。
樹木の内部にいるような、有機的な空間をイメージ。
アイデア展開の段階で参考にした建築群。
カラトラバ: 通信塔(バルセロナ、モンジュイックの丘、高さ136m)
傾斜している塔のサンプルとして。
丹下健三: 東京カテドラルの鐘楼(高さ62m)
塔のボリューム検討の材料として。
丹下健三: 代々木競技場第二体育館(高さ42m)
塔と美術館の有機的な取り合いのサンプルとして。
金沢駅の巨大鳥居の足。
塔の構造サンプルとして。
ねじれは強度的に強いのかなあ...と直感で感じて。
有機的な内部空間のサンプルとして。
先生の講評は、「場所が等々力渓谷じゃなけりゃあねえ...」。
等々力商店会や等々力渓谷保存の会、東急などと
やたらコネクションのある先生の先生の話では、
このプレゼンは到底彼らは受け入れないだろう、と。
渓谷に塔がある意味が理解できないし、
自然破壊でもある、と。
僕のプレゼン力不足もある。
さらに知識も経験もない今の僕には、そこに塔を建てることが
どれだけ自然破壊になるのか、正確な予測もできない。
だから全く反論できない。
幸い課題の条件として、等々力渓谷以外の敷地以外でも良い、という
選択肢を与えてくれたので、今後は最適な条件の場所を探そうと思います。
地元民として、それなりのこだわりはあったわけだけど、
反論するだけの材料も時間もない今はそれもやむを得まい。
美術館と塔の組み合わせそのものの提案自体は受けは悪くないみたいだし。
と、いうわけで「等々力の森自然美術館」としての提案はこれでおしまい。
渓谷敷地のリサーチは今後は不要になってしまうけど、
全くムダだったわけでもない。
今回のリサーチで、空間設計におけるボリューム感、スケール感の把握が
如何に大事かを学びました。
普段毎日のように歩いている場所も、
意識しないとこういう感覚は分からないものなんだね。
この感覚はまだまだ磨いていかないと。
基礎検討に時間をかけすぎた。
今後は手を動かしていきたいと思います。