Green Building

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毎週水曜日の2コマ目はデザイン史の授業です。
前期はル・コルビジェやフランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエ、
ルイス・バラガンなど著名な建築家にスポットをあてたものでしたが、
後期は"都市"という地域にスポットをあてたものになります。

後期初回は「ニューヨーク」。
入学前の旅行を思い出します。

1800年当初6万人程度だったニューヨークもいまや人口800万人超の巨大都市。
(でも東京よりは少なかったんですね...意外。)
その1800年当初より計画的に整備された都市づくりにより、
ニューヨークの街は東西方向にストリート、南北方向にアヴェニューという
通りが碁盤の目状に規則正しく配置されています。
ストリートをアヴェニューは並んでる順に番号が割り振られており、
地図が見やすく、比較的場所の特定がしやすい。
東京などに比べるとずいぶんすっきりした構成になっています。

建物は長方形のブロック内に収まり、道は基本的にどこまでもまっすぐで、
あれだけ高層ビルが立ち並んでいながら空が高い。
また、摩天楼などで有名な高層ビル群は人間の遠近感覚を利用して、
ビルの高さがより高く見えるよう設計されています。
だからニューヨークは都市景観が美しい。
ストリートやアベニューから見る夕焼けがすごくキレイだったのを覚えています。


しかし。
巨大都市化は新たなる局面と問題を迎えつつあります。]

この50年間で東京の気温は7度上昇したそうです。

断熱材やミラーガラスなどの材料の進化により、
建物内部への断熱効果は格段に向上した。
しかしその一方で、断熱材に蓄積された熱の放射、
及びミラーガラスによる太陽光の反射により建物外部への熱量は格段に上昇、
都市部のヒートアイランド現象を引き起こしているのです。

巨大都市化、高層ビル化が地球温暖化の一因となっている。
そしてそれはもはや見過ごせないレベルになってきている。
ビルの周囲や屋上の緑化だけでは間に合わないレベルになってきている。

ビルの「壁」に緑化が必要な時代だ、と先生は言いました。
そこで頭に思い浮かんだ僕の想像をスケッチしてみました。
相変わらず美大の学生と名乗るのも恥ずかしいくらい下手くそですが...^^;

ビル全体を緑で覆う。全方位に植林を施す。
ビルの底部はコルビジェの住宅のための五原則の一つ、「ピロティ」を採用。
ビルの1階を公共の通路とする「ファサード」をさらに拡張したもの。

大地は人間だけのものではない。
無機質な直方体で大地を占有するビルの時代は終焉を迎えなければならない。

ジブリの世界に出てくるような緑の街はもはや幻想の産物ではなく、
現実に必要になっているのだと、僕は本気で思います。