月暈(つきがさ)【小島有香子】

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(出典:日本工芸会

新日曜美術館で日本伝統工芸展を特集していて、
その受賞作品の1つに釘付けになりました。

高松宮記念賞を受賞した小島有香子さんの「月暈(つきがさ)」。
最年少での受賞だとか。

4枚の黒ガラスと1枚の青ガラスを重ね合わせて接着した後、
削りだして作られた皿なのですが、
光の当たり具合によって色が変るそうです。

イメージは「暈をかぶった月」。
暗い中に青いブルーの環が浮かぶ様はなんとも幻想的。


「月暈」のほか、陽にあたる葉っぱをモチーフにしたオブジェもステキでした。

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(出典不詳)

小島さんは東京の美大を出た後、富山に移り住んだとか。
空がきれいだという富山の町で、この皿は生まれた。

良いものは良い環境から生まれるものなんですね。


ガラスは溶かしたり、膨張させたりして細工するのが普通で、
削りだして形を小さくしていくのは珍しいそうです。
まあ普通に考えたらそうですよね、ガラスを「削ろう」なんてまず思わない。

伝統は古い伝統を守るだけでなく、新しい伝統を作り出していくことも大切。
「伝統」というと、とかく古くさいイメージを想像しがちですが、
新しい潮流を作り出していくことも含まれるんだな、ということを感じました。
だからデザインは伝統と親和しやすく、
最近注目されるコラボ産業となっているのかもしれません。


いつか美しい街で、美しいもの作れたらいいなあ...

腰掛け作りへのモチベーションが上がってきました。
いいもの作らなきゃ。


第54回日本伝統工芸展東京展は今月一杯、
日本橋三越本店本館7階ギャラリーでやってます。
入場無料だし、この皿の実物が見てみたいので行ってこようかなあ...

※現在は終了しています。