本の魅力

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久々に自由が丘のブックオフに行って、5冊の文庫本を買いました。
今の僕にしてはけっこうな大人買い。


懐の苦しい今、本はできるだけ図書館で借りて読むようにしてます。
そしてどうしても欲しい、人生の一冊としたいものだけ買うことにしてます。

だからそのような本が一度に五冊も見つかるなんて。
なんたる幸運。


どんなにデジタル技術が進んでも、本はなくならない。
また、本の価値が下がることもない。

本の魅力ってなんだろう?

購入したのは以下の5冊。


  アルケミスト 【パウロ・コエーリョ】
  星の王子さま 【サン=テグジュペリ】
  幸福な王子 【オスカー・ワイルド】
  マルドロールの歌 【ロートレアモン】
  人間失格・桜桃 【太宰治】


太宰治以外は一度読んで、本当に感動した本。
いろんな人に勧めたい。

太宰治の「桜桃」は、
今公開中の映画「ヴィヨンの妻」の原作の1つであること、
(映画は「ヴィヨンの妻」を中心とした太宰文学がブレンドされたオリジナル・ストーリー)
中村先生の授業でフランソワ・ヴィヨンが出てきたこと、
NHKの盲目教師のドラマ「チャレンジド」で「走れメロス」が取り上げられていること、
「人間失格」というタイトルに惹かれたこと、

...ということでめずらしくまだ読んだことのない本ながら買ってしまった。
「走れメロス」も隣にあって迷ったけど、さすがに同じ作者で未読の2冊は躊躇して。


「幸福な王子」は清川あさみ装丁の絵本を持っているのだけど、
ワイルドの短編童話9編が収められている、ということで。

「星の王子さま」は文庫本サイズながらカラーの挿絵でキレイだったので。

「アルケミスト」は装丁が古いバージョンで躊躇したけど、
やはり内容は素晴らしいものなので。

「マルドロールの歌」は装丁がキレイだったのと、
訳を現代風にアレンジして、難解な内容を少しでも分かりやすくしてそうだったので。


本って素晴らしい。

近い将来、AmazonのKindleのような軽くて、大容量で、
安価なデジタル・ブックがもうすぐ市場に出回るだろう。

しかし技術がどんなに進んでも、端末のデザインがどんなに格好良くても、
本の魅力をカバーし尽くすことはできない。
本の暖かみは本にしかない。


静的(static)である、ということは、動的(dynamic)であるということに劣るわけじゃない。
staticにはstaticの、dynamicにはdynamicの役割がある。
スピードが重視される現代社会では、とかくdynamicが重要視されがちだけど、
スピードを重視するあまりに、人は大切なものを見過ごすようになった。

自分のタイミングで、じっくり世界を眺める。
そして自分の頭で世界を解釈する。
時にはそのような静観の姿勢も必要だ。
そして、それを可能にするのがstaticなメディアなのだ。
本のみならず、Webも本来はそうしたstaticなメディアだったはず。


世界を静観しよう。

新幹線ではスピードが速すぎて美しい景色が見えない。
ときには鈍行列車で流れゆく美しい景色を見ることで世界を知ることができる。