大海原に漕ぎ出す巨大な舟・高知県立坂本龍馬記念館

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高知県・桂浜の坂本龍馬記念館に行ってきました。

設計:高橋晶子+高橋寛(ワークステーション)

とくに熱心な龍馬ファンというわけではなく、
去年桂浜に来て、奇抜な外観のこの建物に出会い、
建築好きとしてはおおいに興味をそそられたのですが、
このときは桂浜の浜辺が見たく、結局中には入らずじまいでした。
浜辺のそばにありながら、この記念館は浜辺へのアクセスが悪い。
浜辺に行くには専用の有料駐車場に車を止めさせたいのでしょうが、
結局は浜辺に行きたい人、記念館に行きたい人を分散させて、
経済効果は逆に悪くなる気がするのは僕だけでしょうか。

奇抜な造形は好き嫌い分かれるところだと思います。
また、モダンな造形が幕末の志士の記念館に相応しいか、
という意見もあると思いますが、自分はこの外観、結構好きです。
海に向かって突き出すような長い箱は、外界に繰り出す舟のようだし、
日本の夜明けのために実際に船に乗って奔走した龍馬のイメージと
合ってるように思います。

ただ、いざ中に入ってみると。

正直少しがっかりした。
海に向かって突き出す箱の「長さ」がこの建築の特徴のはずなのに、
内部は細かく空間を区切ってしまってる。
長さが生きてるのは出口のスロープくらい。
これではせっかくの大空間が活きない。

あらためて建築の外観は内部空間とつながるものでなければ、
魅力的にならないことを実感。


去年はなかった入口の「シェイクハンド龍馬」。

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龍馬と握手できるぜよ。
龍馬の手は意外とデカイです。


ちなみに去年のファサードはこんな感じ。

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海側はこんな感じ。

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広大な海辺。

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箱の上の白い波屋根は海の波を模してるのかな。

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この小屋も波のようだな。

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日時計。

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正確だけど、季節の差異はどのように吸収しているんだろう...


鯨の水道。

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さて、中に入って。

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この光景を見るだけでも、無駄な空間が多いのを感じます。
というよりこれだけの大空間が生きてない。
これだと外の箱を全面ガラスにする必要がないですよね。
個々には魅力が詰まっているだけに残念です。


宙に浮かぶ咸臨丸。

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ボトルの中に浮かぶ咸臨丸。

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龍馬の生家模型。

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箱の突端だけは何とかガラスボックスの良さが生きてる。

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クジラのチェアがステキ。

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螺旋階段もステキ。

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屋上に出て。

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屋上もいまいち「長さ」が感じられない。
長軸方向にストライプを入れるといいかも。


記念館そばの国民宿舎の桂浜荘。

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巨大なサザエみたいでこれはこれで好き。


遅いランチに鳴子丼。

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さて、腹ごしらえを済ませたところで沢マンへ戻ろう。


【Information】

開館時間:9:00〜17:00

休館日:年中無休

入館料:大人(18歳以上)500円 高校生以下無料