聖アンデレ教会【香山壽夫|東京都港区】

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神谷町でバイトしているわけですが。


天気のいい日はたまに昼休みに周囲を散策したりします。

東京タワーの近くにとても感じの良い、聖アンデレ教会という教会があります。
香山壽夫の設計で1996年竣工。

切妻型の屋根、円形の天窓、半円アーチのエントランス、
装飾のない、シンプルな幾何学図形のそのファサード。
ロマネスク様式なのかな。


中に入れるのかな、とおそるおそるドアを開けると...
鍵がかかってない。そして中には誰もいない。
入口には訪問ノートみたいなものが置いてあって、
真摯な気持ちで書かれた懺悔などが記されていました。
迷いの多いいまの自分には、何を書いたら良いか分からず、何も書けませんでした。

教会っていつもこんな風に開放しているのだろうか。
都会のど真ん中で鍵もかけずに迷い人を受け入れる。
何とも不思議ですが、都会だからこそ、こういう場所が必要なのかもしれない。


そして内部もとても素敵な空間でした。


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教会隣の桜もキレイでした。


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エントランス。
正面からだとあまり気づかないのだけど、
サイドからのアングルが玄関ホールの空間の良さを引き立てる。


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玄関ホールから外への眺望。
左手に東京タワーがあります。


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内部。
ファサードの切妻とはうって変わって、
幾何学的な多角形多面体の内部にいるような、
それでいて卵の中にいるような有機的要素も感じさせる。


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天井には菱形の採光窓。


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サイドの天井部も採光窓。


天井に広めの採光窓をとっていることで、内部はとても明るい。


「信じる」気持ちが形になる。
宗教建築の美しさはその気持ちの美しさが表れている。
人を信じる気持ち「信用」が、いまの現代社会を支えている。
金貨や紙幣そのものには価値はない。
それらに込められた「信用」があってはじめて金貨や紙幣は価値を持つ。
信用によって経済社会は成り立っている。
僕たちはそのことを忘れてはならない。


とても良い安息所を見つけた。

迷える子羊よ、また来よう。


【Information】