日本橋-三井本館

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ブラタモリ」で日本橋を特集してました。

前半で日本橋と三井本店を紹介していて、それがとても面白かった。


日本の主要街道の起点、日本橋。
高島屋や三越での展示を観にいくときに散策はしているのですが、
日本橋そのものに注目することは少ない。
東京オリンピックの折に大規模な道路整備により日本橋の上に高速道路が架けられ、
影が薄くなってしまっているのが実情。


文化より経済を安易に重視した20世紀の過ちの跡がここに垣間見えます。


以前に散策したときに撮影した写真を元に日本橋と三井本館をふり返ります。

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高速道路桁に取り付けられた「日本橋」の標柱。

このせいか高速道路のほうを日本橋と勘違いする人もなくはないそうですが、
実際はその下に架かる石造のアーチ橋が日本橋です。
そしてこの標柱は正式なものではなく、正式な標柱は橋の袂に
最後の徳川将軍、徳川慶喜の筆によるものが取り付けられているそうです。
この番組を見るまで知らなかったので、その写真を撮ることもなく。

日本橋は立派な鋳造の装飾が施されていてとても威厳ある橋なのですが、
なにぶん上を通る高速道路のボリュームに負けてしまっているのが実に惜しい。
この橋を陰にするなんて、全くもって無神経としか思えない。


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麒麟と狛犬の立派な橋灯。


橋の中央に首都高の高架に挟まれるようにして道路元標があります。

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この真下の道路の中央に実際の道路元標があるわけです。
道路元標と知らないと、
「どうしてアンバランスに橋灯をこんなところに取り付けてるんだろう?」
と不思議に思っちゃいますよね。

かつて日本橋には魚河岸があって、関東大震災を機に現在の築地へ移動したそうです。
その関東大震災にも耐え、今でも健在していることから、
以下に組積造のアーチ橋が堅牢であるかが伺えます。


次に三井本館。
関東大震災を機に1929年に建造。
およそ築80年、というわけです。

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格調高い立派な建物。
ローマ神殿(ギリシャ神殿)を彷彿とさせる組積造。
重要文化財に指定されているそうです。

この両隣は日本橋三越本店、新設の日本橋三井タワーと
三井系列が並んでいるのですが、この配置は江戸時代に
三井越後屋が軒を並べて以来300年、配置が変わってないのだとか。
変化の激しい都市の中においても変わらないものがあるんですね。


この周囲の建物は、重要文化財であるこの建物に敬意を表して建てられなければならず、
道路に面する部分は高さ百尺(31m)にそろえられているのだとか。

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そのおかげで街区の景観が美しいものになっています。
マンハッタンではすべての街区がこのように美しいわけで。

新しくできた三井タワーも高いタワー部は道路からセットバックしています。
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そしてそのセットバックした部分を利用して巨大な吹き抜け空間を実現。
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これぞ空間の有効活用なんですかね。


三井本館の中は三井信託銀行、三井住友銀行の2つの銀行が入っています。
この中がまた荘厳で素晴らしい。
整然と並ぶ巨大な柱で支えられる高さ12mもの大空間は圧巻。
ただ、その巨大さゆえに空調が効きにくく、夏は暑く、冬は寒い、という問題もあるのだとか。

番組では地下金庫も紹介していて、
その扉には厚さ90cm、重さ50トンもある頑丈なものが使われていて、
あまりの重さに日本橋を渡って運ぶことができず、
水路から運び込んできたのだとか。


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中は普通の銀行、ということで気軽に中に入ってもいいはずなんですが、
いかんせん門構えが立派すぎて、どうしても躊躇してしまう~


道を挟んで日本橋三越本店。
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ここも立派な建物。
これも組積造なのかな...
なんかここにもタワーがあるようで。

三井タワーの裏には日本銀行があるんですね。


いろいろポイントも抑えたことだし、あらためてまた散策したいな~

ブラタモリ面白い!