木造アーチが美しい高知駅【内藤廣|高知県高知市】

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高知市内の高知駅へ。

夕刻の帰宅ラッシュにぶつかってしまい、渋滞の中へ。
久々の渋滞経験。
身体が田舎モードになりつつあるだけにストレスが溜まる溜まる。
...別に都会が恋しくてここに来たわけじゃない。

梼原町にある四つの隈建築に加えて、高知市にある二つの内藤建築。


駅は都市の顔である。
駅を見れば、その都市がどういう都市か、だいたい分かる(...と思う)。

大学で建築に興味をもつようになり、
さらにその構造に興味をもつようになり、
自然材の木に興味をもつようなり、
...僕は現代の「箱」社会に疑問をもつようになった。

曲面で構成された人間の体を包むものとして、
直線で構成された箱は果たして最適な空間なのだろうか。
有機体を包むものは、有機的な空間と材料であるべきではないのか。


大アーチを描くかまぼこ状の屋根に、未来の建築の姿を見る。


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内藤廣氏の建築が大好きです。

その造形、というよりは内面の「骨格」から響くその構造が魅力的。
木材を使った大規模架構は内部から眺めると、
まさに人間の体内にいるような感覚に陥る。
それは母親の胎内にいるような快適さなのだろうか。


高知駅に到着したとたん、降りだした大粒の雨。
あいにくの空模様でしたが。

それでもアーチの大空間は魅力を放つ。


北口サイド。

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南口サイド。

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どちらかと言えば、こちらがメインファサードでしょうか。


南口に立つ、三人の高知出身サムライ。

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武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎。


普通なら大アーチをホームのエッジで終端させようと考えるのだろうけど、
少し大きめにホームを包むことで、魅力的な駅前空間を生み出している。

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大アーチを見るためだけに160円の入場券を購入してホームへ。

大アーチには直接照明を取り付けず、
低い位置の外灯からの間接照明にしているのもニクイ。

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エコだし、魅力的な屋根の見せ方になっている気がします。


駅をすっかり堪能した頃に雨が本降りになり、
観光案内所で本日の宿を紹介してもらう。
どしゃ降りの中、見知らぬ街を走るのはほんとうにコワイ。

なんとかホテルを見つけてチェックイン。
ほっと落ち着いていると、雨足も弱くなり、夕飯を食べに。

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はりまや橋の播磨屋宗徳で龍馬バーグを食す。
美味し。


宿への帰り道、ふと見つけた真っ赤な架け橋。

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これぞ「はりまや橋」。


そういえば高知駅にもこの赤い橋の模型がありました。

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そっか、高知駅の大アーチはこのはりまや橋なんだ。
地域性とマッチしてるねえ。


国土の七割を森林で占めながら、海外から安い材を大量に仕入れるようになって、
木造建築もどんどん姿を消していって、美しい木文化が失われつつある中、
木の魅力を新しい形でアピールする内藤さんの建築が、
これからの日本には必要なのでしょう。


翌日はもうひとつの内藤建築がある牧野植物園へ。


【Information】

参考:高知県【高知駅大屋根「くじらドームについて」