世界の中心で、愛をさけぶ 【片山 恭一】

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ようやく話題のベストセラーを読みました。
まずドラマ版を観て、次に映画版を観て、最後に原作を読んだ。
ドラマ版も映画版も原作にかなり脚色が加えられていて、
やや違う物語になっていたけど僕はどれも好き。
ドラマ版にはドラマ版の良さが、映画版には映画版の良さが、
そして原作には原作の良さがあった。
Amazonのレビューではけっこう酷評されていたけど、僕は好きです。

ただ、ドラマ版や映画版は原作をさらにスケールアップさせたがために
原作で伝えようとしていたメッセージが隠れてしまったな、という気持ちも少なからず。
僕が原作で一番好きな部分は朔太郎の以下のセリフ。


  「人を好きになること以上に、みんなの役に立つことがあるとは思えないけどな」


人を嫌うことは意外と簡単だ。でも好きになることは意外と難しい。
好きなら争いも起こらないし、もめごとも、犯罪も起こらないはず。
恋愛、友情、家族など「好き」の種類はたくさんあるけれど
どれも大切なものだと気付かせてくれる。

純愛を思い出したい人には必読の一冊です。
純愛って時代じゃないのかもしれないけど、
やっぱり純愛はあって然るべきものだと思う。


(2006/03/25 Tadaoh! Bookより移動)