蝉しぐれ

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念願の蝉しぐれを観てきました。


しかし...
僕としてはとても残念だった。

映画は原作はもちろん、ドラマ版も越えられなかった。
ドラマ版で感動し、原作でさらに感動しただけに映画版への
期待が大きすぎたのでしょうか。

先に原作やドラマ版があって、それらが良い印象だったりとすると
どうしてもその次にくる映画に更なる期待をいだいてしまうもので
それに応えるのも製作者にとっては大変なことだとは思うんですけどね。

事前に3つの見所を紹介しましたが、
その見所が実際どうだったかというところに沿って感想をば。
少々ネタばれなところもありますので見ようと思っている人は
以下は読まないことをオススメします。

まず最初の見所、父との別れ。
やはり涙したのですが、
父との対面時、父と子には涙してはほしくなかった。
父はあくまで強く、威厳を保ち、
子もその父の気持ちを汲んで強くいてほしかった。
そのぶんその後の文四郎の後悔が際立つからです。
しかし実際はそのシーンは短く、製作者はこのシーンをあまり
重要視してなかったように思えてなりません。
実に残念です。

2つ目の見所。ふくとの最後の対面。
これは映画オリジナルの部分で文四郎がふくを幼少時に
呼んでたように「ふく」と呼び捨てにするシーンは感動しました。
よかった。

3つ目の見所。秘剣「村雨」。
映画版では村雨の存在はまったく無視されていました。
これはもう残念としかいいようがない。
2時間という限られた時間内に収めきれないと踏んで製作者は
外したのでしょうが僕は外してほしくない部分だった。
秘剣の存在がないぶん文四郎が少し器の小さい男に見えてしまった。
この物語では文四郎には強く、器の大きい男でいてほしかった。

そしてキャスティングもやはり納得がいかないものでした。
僕は別に演技に詳しいわけではないですが子役の演技がいまいち
大根くさかったように思いました。

文四郎はやはりドラマ版の内野聖陽のほうが断然良かった。
ふかわの小和田逸平も、今田耕治の与之助も役不足だと思った。
木村佳乃のおふくはまあそれなりによかったけど僕はドラマ版の
水野真紀のほうが好きかな。

いろいろ文句が出てしまいましたがそれだけこの物語が好きだ、
ということで。

あらためてドラマ版が見たくなりました。
買っちゃおーかなードラマ版DVD。
映画版は多分買わないだろうし。

(2006/02/01 drecomより移動)