愛媛県とECPR(財団法人えひめ地域政策研究センター)共催の表記学習会へ参加してきました。
一部でセミナー、二部で学習交流会、という二部構成でしたが、
一部の講師の方が悪天で来られなかったため、二部のみの開催となりました。
場所は宇和島、南予地方局。
宇和島は遊子へ行ったときに通り過ぎましたが、訪れるのはこれがはじめて。
仕事で来たのでゆっくりと散策する時間はあまりなくて、
道の駅きさいや広場と和霊神社くらいしか見てません。
主要幹線であるR56がやたらと迂回しているなあ、という印象くらいしかまだなく。
こういう研修を受けるたびに思います。
地域おこしとは、地域づくりとは、まずスキルではなく、モチベーションだと。
こういう研修で得るのはノウハウではなく、モチベーションだと。
第一部の隠岐の島の海士町の事例紹介を聞けなかったのは残念だけど、
第二部の富士通総研の臼井さんの話も素晴らしかった。
ワークショップは相変わらず「?」な部分が多かったけど、
その感覚はだいぶ分かってきた。
はじめて会った面々でたかだか2、3時間話し合ったところで、
正解など出るわけがないのである。
ワークショップはあくまで雰囲気を「体験」することが目的であり、一過性のものである。
ワークショップの効果は、その後継続して繰り返さなければ出てこない。
当たり前のことであっても、人間は経験しなければ理解出来ない。
繰り返さなければ身につかない。
だからその場ではよく分からなくても、何度も繰り返すことが大事。
継続は力なり。
継続するための元気をもらいましょ。
あえてスキル的な学びを言うならば。
まず地域を「知る」ことから始める。
感覚的ではなく、論理的に。
徹底的に分析し、データ化する。
そうすることで、客観的に地域を眺めることができ、
そこから地域おこしの「タネ」が見えてくる。
「よそ者」の自分の役割はまさに「客観的な視点による分析」にあると思うのです。
まあ、これは今回に限らず、これまでの研修、講演に共通すること。
だから、スキルを学ぶのではなく、モチベーションを得ることが目的になる。
ただ文面で眺めるより、実績ある人から言葉で言われる方が説得力あるのだから。
1チーム5、6人ほどに分かれてグループで与えられたテーマについて論議し、提案をまとめる。
テーマは「南予地方の情報発信」と「食を含めた新しい観光のルートづくり」。
僕のグループは前者について議論しました。
とはいうものの、よそ者の自分にしてみれば、南予の特色がいまいち分からない。
そこで、まずは南予の特色を探ろうとするも、いまいちよく分からない。
たぶん地元の人もよく分かってないのでしょう。
だから地域づくりはまず地域を「知る」ことからはじまるのだな、と。
時間もない、初対面同士でコミュニケーションもままならない、
というわけで、必然的に地域色にこだわらない方法論になってしまう。
日本人って総じてアピール、プレゼンが下手ですよねえ...
提案の発表方式は、アナログ、デジタルの両方式が選択できましたが、
奇抜性重視でデジタル全盛時代にあえてアナログ方式を選択。
そこまでは良かったのだけど、アイデア出しで使った付箋を模造紙に貼りつけたままで
発表したのがまずかった。...文字が小さすぎてみんなに見えない。
前も同じような失敗をしたのに、また同じ失敗をしてしまった。
...反省。
なぜかうちの班だけ宿題が出たのは、付箋だけだとアイデアが散逸していて、
総合的なビジョンが見えてこなかったからでしょうか。
宿題:「各提案について詳細を文章に書きだしてみましょう」
発表形式に見られるように、意見がまとまりきれてないので、
どうしても自分の提案が中心になりますが、とりあえずこの場で宿題をやってみます。
従来、情報発信という行為は新聞やテレビなどの報道のプロ、
もしくは情報を発信する側の専門性に頼るものでした。
それは情報発信者の発信力に依存するものであり、一側面的であり、
そして発信者から受信者への一方向的でありました。
インターネットの普及は、この情報発信の形式をガラリと変えるものであり、
誰でも情報を発信できることで同じ情報に対して多角的な発信が可能になり、
そして発信者と受信者の双方向配信が可能になりました。
だから、新しい情報発信スタイルとしてインターネットツール、
とくにFacebookやtwitterなどのSNSの活用が核になります。
これらのSNSツールを奇抜な方法で活用して話題を呼び、
新聞やテレビなどの既存のメディアを呼びこみ、
さらにはクチコミやチラシなどの原始的なアナログ手法により展開し、
その様子をまたインターネットで展開する...
という流れを作ることで継続的な情報発信のスタイルを築く。
...というのが僕らのグループの提案の主な骨子になるのでしょうか。
その具体的な提案を以下に挙げます。
提案1:「主要スポットに無線LAN&PDAを配置する」
美術館などにすでにあるスタイルですが、アピールしたい観光スポットやイベント会場に
誰でも情報発信できる端末を置いておくことで、情報発信という仕事を不特定多数の
サービス享受者にお任せし、自然発生的に情報発信をしていきます。
サービス提供側の一方的な情報ではなく、サービス享受側の情報が得られます。
提案2:「レンタサイクル&自転車グリーンマップの整備」
これまでは、対象地域までの交通を整備することに重きが置かれてました。
それは確かに来場者を多数呼びこむことになるかもしれませんが、
情報発信、という観点からはあまり効果あるものとはいえません。
逆に「地域内の散策のしやすさ」を充実させるほうが、
少ない来場者であってもより多くの情報発信、多角的な情報発信が可能になります。
それは自動車のような速いスピードの視点ではなく、
自転車のような遅いスピードの視点で実現されるものです。
そこで自転車が走りやすい環境を整備します。
これもすでにあるシステムですが、地域内の主要スポットにレンタサイクルを配備し、
地域内を自転車で循環できるようにします。
同時に自転車で走るのに最適なマップを記載した「自転車グリーンマップ」を作成することで
自転車での散策を奨励します。
提案3:「全国を自転車行脚してアナログ的に地域をアピール」
これも二番煎じではありますが。
デジタル全盛時代においても、直接会って伝えること以上に効果的な情報発信はありません。
「直接会って伝えること」の大切さを再認識してもらいます。
提案4:「twitterで同じキワードで一斉につぶやき、ギネスに挑戦!」
SNSツールの普及と話題作り。
イベント会場などで来場者に一斉にしてもらいます。
...ギネス記録になるかどうかは分かりませんが。
...トラフィック的に可能かどうか分かりませんが。
今思えば、当事者以外にはウザクてしょうがないかもしれません。
それどころか、サイバーテロと勘違いされる可能性大ですよね^^;
提案5:「スタンプラリーの実施」
現代版四国八十八ヶ所。
主要スポットにスタンプを用意して、それを集めて回る。
日本人の収集癖を利用して地域内を歩きまわってもらう。
歩きまわってもらうだけ、情報発信の頻度は増えます。
ざっとこんなところでしょうか。
それにしても、今回は先生がアタリでした。
綾戸智絵に似ている、と思ったのは僕だけだろうか。
彼女のように明るく元気でパワフル。それでいて細かい心配り。
一対多数だとどうしてもなおざりになりがちな「コミュニケーション」を
大切にされてるように感じました。
語る人が魅力的でなければ、どんなに正しいことを言っても伝わらない。
感動は生まれない。
「奇抜さ」は一時的には人の目を引いても、継続はしない。
一方「感動」は長く人の心に残る。
スキルやノウハウを探す前に、まず「魅力」を探そう。
南予の何が素晴らしいのか、まずは実際に歩いて感じよう。
今回もおおいに学べました。
やっとECPRのやってることが分かってきたような気がするな...
ECPRのみなさん、ありがとうございました。
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