エマ最終巻。
前半は8巻以降のサブキャラのエピソード、
ラスト三話でエマとウィリアムの結婚式でフィナーレ。
ストーリー的には本当にハッピーエンドでめでたしめでたし、なのですが。
個人的に残念に思うことが1つだけ。
1巻から10巻までと巻を重ねてゆくごとに絵ががらりと変わっていきます。
最初のほうは単調な線でシンプルだったものが、
後半から曲線的で繊細なものへと変化しています。
アール・デコからアール・ヌーヴォー的になったというか。
単に森さんの画力が向上したのか、意図的に描写表現を変えていったのか、
素人の僕にはおして知る由もないのですが、
個人的には初期の作風のほうが好きでした。
それは単純に少年漫画と少女漫画という男女の好みの差によるものかもしれません。
ただ僕には後期の作風は確かに緻密な線で繊細なものになっているけど
その一方で表現が無感情に見えてあまり好きにはなれませんでした。
初期の頃はシンプルな線だけどその行間(線間?)に微妙な登場人物の感情が
垣間見えてその不思議な感じに惹かれたものです。
後半ではその不思議な魅力が薄れてしまった気がするのです。
まあ個人の好みの問題なんでしょうけど。
その意味において、最後の結婚式のエピソードの前の4コマ漫画は
線がシンプルになって、以前のような「不思議な魅力」が復活していて良かった。
感情表現というものは緻密に描けばいいというものではないんでしょうね。
森先生の次回作に期待したいと思います。
僕は6番の「人生三割引」に一票。
...なんのことか分からない人は10巻のあとがきを見ましょう。
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