海辺で少年と犬が戯れている情景。
まず本屋の店頭で最初にこの本を見たとき、その表紙に惹かれました。
そのときは購入せずしばしときは流れ。
ようやく読むことができました。
図書館で借りてだけど。
...でもまあやっぱり借りて読む程度でいいかなと思った。
第1回「日本ラブストーリー大賞」受賞作品だそうです。
でも正直恋愛ストーリー的には響くものはほとんどなかった。
しかし一方でやっぱり出会うべくして出会った本でもあるかな、とも感じた。
沖縄の小島でのんびり暮らす青年の下へ、
ある日とびきりの美人が訪れる...
物語はそんな出会いからはじまるわけですが。
都会の喧騒を離れたのどかな田舎。
どこか影をおびた美女。
日常的にはありえない偶然の出会い。
恋愛ストーリー的には王道の設定。
まあ内容は悪くないと思った。
でも「恋愛寫眞」ほどぐっとくるものはなかった。
作品の良し悪しの問題じゃなく、たぶん自分自身が恋愛小説に期待できなくなってるんだと思う。
30代も後半に入ると恋愛に幻想なんて抱かなくなる。
元々安定志向だからハラハラドキドキなんてしたくはなく、欲しいのは安らぎ。
男女の関係に刺激なんか求めてない。
最近そう思うようになった。
たぶん恋愛体質じゃないんだと思う。
それでもこの本に出会ったのは。
父親は早くに死に、母親は自分を捨て、故郷を捨てた。
主人公はかたくなに故郷に居続け、母親が帰ってくるのを待っていた。
母親は悔いていた。故郷を捨て、我が子を捨てたことを。
...そんな文章に救いを見出したかったんだと思う。
自分の母親も後悔しているんだ、と。
自分が必要とされてこの世に生まれてきたことを。
子を愛さない親なんていない、ってことを。
...そう信じたかったんだと思う。
avexにより映画化されてるみたいです。
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